成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「言ったーー……のかもしれませんけど、あの時はそう言う空気になってましたー!」
「なってたわけないだろ⁉︎ うちの親だってリアーヌが先に同意なんかしなきゃ“凍結”だなんて聞いたこともないようなこと賛成するわけなかったんだよ! そう言う空気になったって言うなら、君の返事からだよ!」
「そ、そんなことないですし……」

(確かにあの時はそんな空気だったもん! ーーだからそう答えたんだもんっ!)

「ありますぅー! 大体、リアーヌから言い出してさっさと凍結しちゃったくせに、学院では“凍結されちゃいました……”みたいな顔でいるのなんなの⁉︎ 今回のことで傷つけられたの俺だからね⁉︎」
「わ、私の方が凍結されたし、傷つけられたんですけどー⁉︎」
「はぁぁぁぁ⁉︎」

 リアーヌたちがそこまで言い合ったところで、ようやく周りの思考が追いついき、困惑した様子で二人に話しかける。

「ーーちょ、ちょっと待ってくださる?」
「……ーーリアーヌ、その話し合いの場でなにが起こったのか、詳しく説明してもらえるかしら?」
「なにが起こったか……?」
「ーー出来れば、詳しく手短に素早く」

 圧が強めの笑顔でそう言われ、ビクッと肩を揺らしながらも、リアーヌはコクコクと頷きながら、あの日あった出来事を思い返していたーー



「ーーだから私……仕方の無いことなんだと思って……ーー仕方がありませんよね、だって、そういうものだと思うからって……」
「ーー言ったのね?」

 念を押すようにたずね返すビアンカ。

「え……うん……?」
「ーーどうしたいんだとゼクス様にたずねられ、それに「仕方がない、そういうものだ」と答えたのね……?」
「……ーーそこまで強い言葉で言い切ったりはしてないけど……?」
「言ったか言わないかで答えるなら言ったのね?」
「……まぁ」

 リアーヌがそう曖昧に頷いた瞬間、静かにその話を聞いていた者たちの口から、数々の吐息が漏れ出た。

「リアーヌ様……」
「ーーそれはリアーヌが先に凍結を決めてしまっているわよ……」

 クラリーチェやレジアンナも眉を下げながらリアーヌに苦言を呈し、二人の隣に座っていたレオンやフィリップまでもが眉をひそめ、チラリとリアーヌに視線を流していた。

「ーーなんで私が決めたことになるの⁉︎」
「貴女が真っ先に、凍結に前向きかのような発言をしているからよ」
「してなく無い⁉︎」
「……仕方がない、そういうものーーこの言葉で凍結に反対していると感じる人のほうが少ないわ?」
「……それは、そう、なるの……かも?」

 ビアンカの説明に少しだけ納得してしまったリアーヌは、モゴモゴと言葉を転がしながら曖昧に答える。
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