成り上がり令嬢暴走日記！

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　そこまで言ってレジアンナは困ったように肩をすくめた。

「ならなければ……ーーうちだってフィリップ様だって様々な取捨選択を迫られることになるんでしょうね……」
「レジアンナぐらいの家でも……？」
「……まぁね？　けれど希望が有るのはこちらなのよ？　でなければビアンカだって名前を呼んだりしないし、うちや皆様の家だって距離を取ろうだなんて考えない」
「……そのくらいやってもいいかなー？　ーー程度にはバランスが崩れてる……？」

　リアーヌの言葉に、レジアンナやビアンカそして友人たちは、意見を交わし合うように、無言で視線を交わし合う。
　そして「あー……」と言葉を濁しながら再びレジアンナが口を開く。

「……と、いうよりーー？」

　そう言いながら言いにくそうに言葉を濁すレジアンナの言葉を引き取ったのはビアンカだった。

「ーー好感が持てないのよ、あの子」

　ハッキリと言い放ったその言葉に、レジアンナだけではなく、友人たちまでもが、ふふっ思わず笑いを漏らし、同調するように何度も小さく頷き返していた。
　そして探り合うように周りの出方を伺いながらも、みんな次々と意見を述べ始める。

「夏休暇中のあのパーティでの行動は……ねぇ？」
「かなり多くの方が眉をひそめていらっしゃいましたわ？」
「目立っておりましたものね……？」
「フォルステル家に近しい方々は……それはお怒りでしたわ？」
「ほんの少しの繋がりで、かなりの当て擦りをされたようですもの……」
「それにリアーヌ様への暴言も、かなり多くの家に伝わっているようです。　ーー私も親にすぐ伝えましたもの」
「ーー証拠は無い！　と、あんなにハッキリ言う方初めて見ましたわね？」
「あれは……凄かったですわね……？　ーーその、色々と……」

　友人たちの言葉にレジアンナも大きく頷きなぎら口を開く。

「そうね。　特にその二つであの子や後ろのお方に不信感を抱いた方々は多いと思うわ」

　それに頷き返しながらビアンカも言う。

「ーーいくら特別な力を持っているとはいえ……言動はーーお世辞にもお上品とは言えない方が高貴な方に庇われ我を押し通し、王家に連なる家の人間を証拠もないままに犯罪者であると糾弾するーーそしてその行為になんの躊躇も無ければ、大したお咎めも受けないーー……ユリア嬢の矛先が自分に向いたとしたら……恐ろしいことですわ？」

　ビアンカの言葉に少し顔色を悪くし、ゴクリと唾を飲み込む友人たち。
　その中の一人が不安そうな声で呟く。

「そんな方が次の……？」

　言外に「王妃に……？」と尋ね、視線を揺らしていた。