成り上がり令嬢暴走日記！

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「……もしもさ？　姉ちゃんの前にもう一人のコピーのヤツが来て、そいつが姉ちゃんのをコピーすんだよ」
「……姉ちゃんのコピーを？」
「ああ」
「ーー……なんか突っ込みたいところはたくさんあるけどーーとりあえず続けて？」

　リアーヌはザームの意見を聞くため、「姉ちゃんもそいつもコピー持っとるが⁉︎」という言葉を飲み込み、話の続きを促した。

「そいつが姉ちゃんのコピーをコピーしたら、すぐに今の姉ちゃんと同じように使えるようになるんだよ、ヤだろ？」
「私が最初の時は、一文字ずつじゃなきゃ出来なかったのに、ってことよね？」
「そ。　専門学科のヤツらは、自分の食いぶち守るのに必死なんだよ」
「……だよねぇ？　誰だって少しでも給料のいいトコ、条件のいいトコで働きたいよねぇ……？」
「ああ。　専門学科のヤツらからしたらコピーだって死活問題になるーーって勘違いしてもおかしくねぇ」

（……ーーあー。　私こんな話ゼクスにされてた気がする……ーーだからコピーだってことバラしちゃダメだよって言われてて……ーーすっかり忘れてたなぁ……）

「ーーだからこそ、専門学科の生徒たちはこのウワサに、こんなにも反応を……」

　ザームの説明を聞いていたオリバーが、納得したように声を漏らす。

「……でもウワサをどうにかしなきゃ姉さん吊し上げられちゃうんだよ？」

（しかも物理で、かもしれないよ⁇）

「ーー悪く無いぞ？」
「かなり良さそうよ⁉︎」
「ええ……？」

　両親の明るい声に戸惑いの声を上げるリアーヌ。
　しかし両親は、ザームの案が名案であると、興奮したように顔を輝かせながら話し合っている。

「つまり、なにもしないをすりゃいいんだ」
「堂々としてる、もポイントが高いと思うわ？」
「ごちゃごちゃ考えねーで「うちのリアーヌはコピーしかしねぇ」って堂々としてるってことだな？」
「そうそう！　「そう考えた根拠は？」　とか「では被害者がいるのですね？　どこのどなたか、ぜひ教えていただけます？」もかなり有効！」

　両親のそんな会話で、自分を吊し上げることがいい考えなわけでは無いとリアーヌが理解した頃、ヴァルムが顎を撫で付けながら口を開いた。

「では、その私どもは奥様の意見を参考に、対処していきましょう。　ーーまずオリバー、ウワサを止める、かき消す等の小細工は、すぐさま止めさせなさい」
「分かりました」
「他の者たちは、誰になにを問われようとも、いついかなる時も、お嬢様のギフトはコピーであると、堂々と胸を張るように」
「はいっ」

　アンナやカチヤたちが一斉に返事を返す。
　それを満足そうに見つめたヴァルムはサージュに向き直り質問を口にした。