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しおりを挟む「不名誉なウワサを流された場合の対応策は取っていたつもりだったのですが……今回はあまりうまく動いておらず……」
申し訳なさそうに項垂れるオリバーにサージュが声をかける。
「そういや、学校の中の話は学校の中で留めるって話はどこに行ったんだ?」
「……それに関しましては、双方の暗黙の了解が必要となります……ーー今回の場合……向こうは学校の外でも言いふらそうとすることでしょう」
「……なるほどなぁ?」
頭をガシガシとかきむしりながら大きく息をつくサージュに、申し訳なさそうにしながらもオリバーはさらに言葉をかける。
「ただいま全力で手を尽くしてはいますが……ーーこのウワサ話が街中に広まるのは時間の問題かと……」
「ーーそうなると学園内でのウワサの収集も難しくなりますな……」
サージュたちの背後で難しい顔をしていたヴァルムが、重々しく言い放つ。
「そうなのか?」
サージュの疑問の声に大きく頷きながらヴァルムは説明のため口を開く。
「初めは信じていなかった者でも、違う人物から同じウワサ聞きづけると、それが真実なのでは無いか? 真実なのだ、と勘違いを起こすもの……専門学科だけで信じられていたウワサが騎士科や一般学科でも聞くようになればーーもはや噂の収拾は不可能かと……」
ヴァルムの説明にリエンヌが顔をしかめながら口を開いた。
「でもこのウワサは放っておいてはダメよ」
「だよなぁ?」
「ええ。 リアーヌが周りから悪く言われてしまうわ」
「俺もゾワゾワが止まんねぇんだ」
夫婦の会話にヴァルムとオリバーは視線を交わし合うと真剣な表情でたずねる。
「ーーよろしければ、具体的にどのようなものが見えたか、そしてどのような行動に嫌な予感を覚えたのか詳しくご説明いただけませでしょうか?」
「ええと……でもこれウワサが消えないのよねぇ……なにをやっても沢山の生徒たちに囲まれたリアーヌが困っているんだもの……」
「なにそれ怖い」
(……え、私物理的に吊し上げられるの……⁉︎)
「かと言ってこのまま放っといたって良くはならねぇぞ?」
「嫌な予感がなさいますか?」
サージュはヴァルムの問いかけに大きく頷きながら「さっきからずっとだ……そこまで強くは無いが……だからって放っておくのも……」と答えながら、リアーヌに気づかうような視線を向けた。
「……どうしましょうねぇ? 誰かなにか思いつかない?」
リエンヌの困ったような問いかけに、リアーヌ達どころかアンナ達やヴァルムたちまで気まずそうに視線を床に落とし、気まずい沈黙がリビングを支配する。
そんな時だったーー
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