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そこまで考えて、リアーヌが戸惑いの視線を自分に向けていることに気がついたゼクスは慌てて笑顔を取り繕う。
「リアーヌはいつも通り、言質取られないように気を付けてくれたらいいよ。 あ、でもどんな時でもあの子の呼び出しやお誘いがあったら俺に報告しないで言っちゃダメ。 分かった?」
「あの子からお誘いされたり呼び出されたら、確実にそうすると思うので平気かと……ーー言質はいつも通り「うふふー」で乗り切りますし!」
「……意外にその返し有効だったりするもんね……?」
ゼクスはリアーヌの若干ニュアンスを変えた「うふふー」のバリエーションの多さと使い勝手の良さに、若干の羨ましさまで覚えていた。
「父さんが本物の社交界で本物の貴族たちに使ってる手なので実用的なんです!」
「実用的、かぁ……?」
(ーー実用的ってなんだっけ……)
そんな会話をしながらのんびりと散歩を楽しんだのち、再び紅葉エリアにやってきた二人はアウセレの甘味とお茶、そして美しい紅葉景色を楽しんだのだったーー
◇
課外授業から数日だったある日ーー
その日ようやく、全ての根回しが完了し、私のギフト『コピー』が文字や絵だけではなく、他人の持つギフトもコピーできるものだということが、学院側から発表された。
それに付随して国側も事実確認のために人をボスハウト家に派遣して、リアーヌの『コピー』が本当にギフトをコピー出来るのか? そしてその方法は真実なのか? という検証がされ、本日めでたく、リアーヌたちの主張が全て真実であると国に認められることになったーー
(調べるにあたって、治癒ギフトをコピーしちゃったんだけど……タダで治癒とか、こんなにお得で良いんだろうか……?)
リアーヌは無料でギフトをコピー出来たことに戸惑っていたのだが、その周囲は、この件が誰からの妨害もなくあっさりと終結してしまったことに戸惑っていた。
ボスハウト家では、例え王妃が手を出そうとしてもそれに対抗すべく策を考え、人員を配置していたのだが……それのどれも使うことなく無事に発表されてしまい、こんなにスムーズに運ぶわけがないのに……と、根拠のない不安に苛まれていた。
そしてそれはラッフィナート家もそうで、大勢の者たちを使いユリアやベッティ、フォルステル家を監視していたのだが、こちらもなんのトラブルもなく無事に発表されてしまい「なんなら、ボスハウト家側が公言するという動きを知らなかったんじゃ……? ーーいや、先に仕掛けておいてそんなはずは……⁇」と首を傾げあっていた。
「リアーヌはいつも通り、言質取られないように気を付けてくれたらいいよ。 あ、でもどんな時でもあの子の呼び出しやお誘いがあったら俺に報告しないで言っちゃダメ。 分かった?」
「あの子からお誘いされたり呼び出されたら、確実にそうすると思うので平気かと……ーー言質はいつも通り「うふふー」で乗り切りますし!」
「……意外にその返し有効だったりするもんね……?」
ゼクスはリアーヌの若干ニュアンスを変えた「うふふー」のバリエーションの多さと使い勝手の良さに、若干の羨ましさまで覚えていた。
「父さんが本物の社交界で本物の貴族たちに使ってる手なので実用的なんです!」
「実用的、かぁ……?」
(ーー実用的ってなんだっけ……)
そんな会話をしながらのんびりと散歩を楽しんだのち、再び紅葉エリアにやってきた二人はアウセレの甘味とお茶、そして美しい紅葉景色を楽しんだのだったーー
◇
課外授業から数日だったある日ーー
その日ようやく、全ての根回しが完了し、私のギフト『コピー』が文字や絵だけではなく、他人の持つギフトもコピーできるものだということが、学院側から発表された。
それに付随して国側も事実確認のために人をボスハウト家に派遣して、リアーヌの『コピー』が本当にギフトをコピー出来るのか? そしてその方法は真実なのか? という検証がされ、本日めでたく、リアーヌたちの主張が全て真実であると国に認められることになったーー
(調べるにあたって、治癒ギフトをコピーしちゃったんだけど……タダで治癒とか、こんなにお得で良いんだろうか……?)
リアーヌは無料でギフトをコピー出来たことに戸惑っていたのだが、その周囲は、この件が誰からの妨害もなくあっさりと終結してしまったことに戸惑っていた。
ボスハウト家では、例え王妃が手を出そうとしてもそれに対抗すべく策を考え、人員を配置していたのだが……それのどれも使うことなく無事に発表されてしまい、こんなにスムーズに運ぶわけがないのに……と、根拠のない不安に苛まれていた。
そしてそれはラッフィナート家もそうで、大勢の者たちを使いユリアやベッティ、フォルステル家を監視していたのだが、こちらもなんのトラブルもなく無事に発表されてしまい「なんなら、ボスハウト家側が公言するという動きを知らなかったんじゃ……? ーーいや、先に仕掛けておいてそんなはずは……⁇」と首を傾げあっていた。
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