成り上がり令嬢暴走日記！

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「ーーそれにはあちらにも黙っていてもらわないといけないのだけれど……どう思う？」
「……バラされそうですね？」
「そうよね。　私も貴女にダメージを負わせないなら公開すると思うわ。　そしてその時期はもうすぐなはずよ」
「ーーえ、そうなの⁉︎」
「ーーかの方はかなり強引に貴女を悪だと主張しているでしょう？　ーーまぁ、対応はかなりお粗末でしたけれど……それでも貴女を悪者だと言い張った。　かの方の周りではそれを信じる者たちも多いーーそんな中、コピーのギフトって……と、言い出したら？　しかもそれは事実なのよ？」
「……私の評判、ものすごく悪くなりそう」

（なんなら軽い犯罪者扱いぐらいはされそう……）

「私もそう思うわ。　……それに貴女をよく知らなければ、ああ……あの嫌がらせの数々は、そのための揺さぶりだったのね。　程度のことは考えると思う」
「ーーつまり、他の人からはそう思われちゃう……？」
「ーー……今のクラスメイトや元のクラスメイトは平気だと思うわ？」
「ーーそっか……？」

　嬉しそうに顔を緩ませるリアーヌ。
　ビアンカはそんなリアーヌにニコリと笑いかけながら話を続けた。

「貴女がどれだけポンコツか知っていらっしゃるもの」
「……ちょっと？」
「ーーまさか否定できるとでも？　去年一年を振り返って？　二年に上がってからの短い期間でも構わないけれど⁇」
「…………大変なご迷惑をおかけいたしました」
「正しい認識のようで良かったわ？」
「……そこはさぁ？　普通「そんなことないわ」とかさぁ……」
「私、心にもないことは言いたくない主義なの」
「貴族としてどうなのよ……？」

　そんなやりとりにクスクスと笑っていたゼクスが「まぁまぁ……」と割って入り、話を元に戻す。

「その話はそのぐらいで……ーーリアーヌがそういう状況にならないように、先に手を打っておきたいんだ」
「……先に公言したら平気だったりするんですか？」
「周りの印象はかなり変わる。　だってわざわざいう必要なんて無いことだ。　だって入学時に、ギフトの有無やその名称を報告のは義務だけど、その内容ーーどんなことが出来るギフトなのかーーまでは報告する義務なんて無いんだ」
「なるほど……」

　ゼクスの言葉にリアーヌが大きく頷いていると、アゴに指を当て、なにかを考えていたビアンカがゼクスにたずねた。

「ーーそういえば結局ゼクス様のギフト、男性にはーー」
「今はリアーヌのことですよ？」

　ゼクスに圧が強めの笑顔で交わされたビアンカは不本意そうに顔をしかめたが、それ以上深く聞いている場合でも無いなと、とても不本意そうに「そうですわね……？」と返事を返した。