【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 そして、そんなウワサの数々を聞いていて、思わず(ごもっとも⁉︎)と納得してしまったのが『ーー大体、守護のギフト持ちなんでしょ? なんでこんなに被害に遭ってるわけ?』という意見だった。

(ーー正直、盲点だった……だってゲームですらガッツリ虐められてた子だったから……もう主人公イコールいじめられる子的な公式出来上がってましたよねー……守護のギフトが嫌がらせを防いでくれるかどうかは……ーーどうなんだろう? 大きい括りで見たらになるから防がなきゃダメ? でもそんなのでいちいち反応してたら日常生活送れないだろうし……ーーそれとも『危ない! 守らなきゃ!』って強い思いがないと発動しないギフトなのかな? ……使う力も多そうだし、そう簡単には発動しないものなのかも……?)

 そこまで考え、教養学科の教室にたどり着いたリアーヌは、気合を入れて口角を上げながらその中に入っていった。
 目があった者や挨拶をしてくれた子に挨拶を返しながら、たまに喋ったりするクラスメイトに仕草や手で合図を送り挨拶代わりにする。
 席に着くとカチヤたちから鞄を受け取り、授業の準備を進めながらチラリと教室の出入り口に視線を走らせながらビアンカの到着を待つ。
 ーー待ちながらそっと息を吐き出しながら、ほんの少しだけユリアを気の毒に思っていた。

(……ユリアの友達あの子だけと言ったっても過言じゃ無かったのに……ーーアイツあの子になにしたんだよ……)

 リアーヌはゲームの中で親友だった少女のことを思いながら、ほんの少しだけ眉をひそめた。

 ーーこれには原因があり、昨日ようやく背後関係の裏付け作業が完了し、今回のユリアに対する嫌がらせの主犯が、ユリアのクラスメイトでもあり、友人のベッティ・レーレンであると決定したからだった。
 以前から実行犯はベッティを含む、ユリアに近しい生徒たちだという報告は上がっていた。
 しかしその背後に誰がいるのかまでは把握できず、誰が糸をひいているのかボスハウト家の総力を上げて探っていたのだが、その相手が全く見つからず、ヴァルムが子爵の助言を求めたところ「……この娘っ子が動かなきゃ被害は無さそうだぞ?」と発したことから、探り直した結果、黒幕などはおらず、ただただ、一人の生徒がクラスメイトに嫌がらせをしていただけだったーーということが判明したのだった。

(……ベッティはいつだって質問に答えてくれて、好感度とかまで調べてくれる良い子で……ーー攻略対象者の居場所もちゃんと教えてくれて……ーーあれ? これ、友達か……? ーーいや、いやいや! だって他に話しかける選択肢なんか無かったし⁉︎)
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