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「ーーでもさ? こう……なんとかしてあげられないのかなぁ……?」

 そう続けたリアーヌの言葉に、多くの者たちは同情的な視線を交わし合うが、レジアンナだけは居心地が悪そうに目を逸らしていた。

「……どうかした?」

 リアーヌの問いかけに言いにくそうに答えるレジアンナ。

「実はーー家族に、両親から止められているの」
「……なにを?」
「ーー今回の件でクラリーチェに手を貸すこと……」
「ぇ……なんで?」
「私だって助けたいし、イジワルで言ってるんじゃないわよ? でも……ーーこれはクラリーチェが払わなければいけない火の粉だから……」
「でも……ーークラリーチェ様が悪いわけじゃ……」
「私だってそう思いますわ? でもーー今回手助けしたとして、そのあとは?」
「あと……?」
「ええ。 次にまたトラブルが起こったらまた手を貸すの? どのレベルのトラブルまで⁇」
「それは……」
「それに……ーー散々手を貸して、私たちが卒業したらクラリーチェはどうなるの? もう私たちは助けられないから自分で頑張ってねと突き放すの?」
「そう……なっちゃうね……?」
「ええ……ーー今のクラリーチェは気の毒だし、理不尽な目に遭わされているとも思うけど……ーー火の粉が降りかかってしまったのなら、自分でどうにかするしかないの……ーー私も貴女もね?」

 肩をすくめて言ったレジアンナの言葉に、火の粉が降りかかった場合、ヴァルムを筆頭にオリバーやアンナ、果てはゼクスまで頼りにしようとしていたリアーヌは、ビクリと身体を震わせ、そっと視線を逸らした。

「ーーでは勉強会はいかがでしょう⁉︎」

 友人たちの一人が思い切ったように提案する。
 放課後や休日にほんの数時間集まってお茶を楽しむことぐらいならば、許されるのではないかと考えたようだった。
 
「……それはーー良い考えね?」

 その考えにレジアンナも納得したのか、顔色を明るくしながら同意した。
 レジアンナのその意見に、友人たちも顔を輝かせながら早急に勉強会の予定が立てられていく。

わたくしクラリーチェ様がお好きなお菓子を持参しますわ」
「では私はお好きなお花を!」
「お茶も!」

 口々にそう言い合いながら盛り上がる友人たちと目が合い、リアーヌは自分もなにかを用意しなくては……⁉︎ と、慌てて頭を回転させ、よく考えないままに口を開いていた。

「そ、それじゃ私は、クラリーチェ様がお好きなレオン様を……ーー置物に?」
「ーーなにを言い出すのよ? 貴女がレオン様を自由に持ち出せるわけがないでしょう……?」
「……ですよね?」

 ビアンカに冷たい視線で見つめられ、リアーヌは首をすくめながら自分の失言を認めた。
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