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(……だからこそ、私は貴女のギフトに期待していますのよーーお父上譲りの『豪運』。 貴女の願いを叶えるためーーレジアンナたちの許可がおりないほうに作用するのか、許可がおりた時、貴女にいっさいの咎が無いように作用するのかは分からないけれど……ゼクス様の話を聞く限り、リアーヌが望まなくても幸運が舞い込むようになっている可能性は高いーー頼むわよ……パラディール家が後ろ盾の私だけは、レジアンナの身になにかあるとフィリップの怒りを買う可能性が高いのよ……!)
ビアンカはそんな内心の葛藤を丸っと隠しながら咳払いをして、リアーヌの背筋を正す。
「王都の大通り限定とはいえ、万が一が起こったら、文字通り国が荒れるもの……そりゃそう簡単には許可なんか降りないわよ」
「あー……レジアンナもクラリーチェ様も、実家大きいもんねぇ……?」
「そうね。 そしてその二組の婚約が万が一にも白紙に戻れば、その余波は計り知れないわよ?」
「……ダメになっちゃったら代わりの人が必要……?」
「そりゃあね? ーーそして、貴族ならば少しでも条件のいい家と縁付くべきだわ……たとえ婚約破棄を行うことになったとしても」
ビアンカの言葉にリアーヌはヒュッと息を呑んだ。
「それって、つまり……」
「ーー婚約のかけ違いが行われることになるのよ。 ……私や貴女だって例外じゃないわ? お相手のご実家が、うちより条件が良いと判断すればそうなる可能性は高い」
そんなビアンカの意見に(……高そう。 業務提携なんかたくさんしてるけど、そこは商人だもんなぁー。 それはそれ。 これはこれとか言いましそう……)と納得してしまったリアーヌは思い切り顔をしかめる。
「ーーそんな危険があるんだから、そう簡単に許可なんか降りないって話よ」
「……いっそのこと無期延期にしない?」
「……なるように祈っててちょうだい」
そう答えたビアンカの声色は、思いの外切実だったーー
二学期が始まってから半月程度過ぎた頃、いまだにお出かけ計画に余念のない友人たちを、自分の席で頬杖を付きながら眺めていたリアーヌは、近くに座っているビアンカに声をかけた。
「……最近かの方、教養学科来てないじゃん? なんであんなにお出かけしたいんだろう……?」
「レジアンナが望んでるってのも大きいんでしょうけど……ーーきっと楽しいんだと思うわ? 街中にこんな多くの友人たちと繰り出すだなんて、きっと二度は経験できないことでしょうから」
「ーーそれは確かに楽しそうだけど」
「……それにかの方がこれから先も、ずっと大人しくしていてくださる保証はありませんし?」
ビアンカはそんな内心の葛藤を丸っと隠しながら咳払いをして、リアーヌの背筋を正す。
「王都の大通り限定とはいえ、万が一が起こったら、文字通り国が荒れるもの……そりゃそう簡単には許可なんか降りないわよ」
「あー……レジアンナもクラリーチェ様も、実家大きいもんねぇ……?」
「そうね。 そしてその二組の婚約が万が一にも白紙に戻れば、その余波は計り知れないわよ?」
「……ダメになっちゃったら代わりの人が必要……?」
「そりゃあね? ーーそして、貴族ならば少しでも条件のいい家と縁付くべきだわ……たとえ婚約破棄を行うことになったとしても」
ビアンカの言葉にリアーヌはヒュッと息を呑んだ。
「それって、つまり……」
「ーー婚約のかけ違いが行われることになるのよ。 ……私や貴女だって例外じゃないわ? お相手のご実家が、うちより条件が良いと判断すればそうなる可能性は高い」
そんなビアンカの意見に(……高そう。 業務提携なんかたくさんしてるけど、そこは商人だもんなぁー。 それはそれ。 これはこれとか言いましそう……)と納得してしまったリアーヌは思い切り顔をしかめる。
「ーーそんな危険があるんだから、そう簡単に許可なんか降りないって話よ」
「……いっそのこと無期延期にしない?」
「……なるように祈っててちょうだい」
そう答えたビアンカの声色は、思いの外切実だったーー
二学期が始まってから半月程度過ぎた頃、いまだにお出かけ計画に余念のない友人たちを、自分の席で頬杖を付きながら眺めていたリアーヌは、近くに座っているビアンカに声をかけた。
「……最近かの方、教養学科来てないじゃん? なんであんなにお出かけしたいんだろう……?」
「レジアンナが望んでるってのも大きいんでしょうけど……ーーきっと楽しいんだと思うわ? 街中にこんな多くの友人たちと繰り出すだなんて、きっと二度は経験できないことでしょうから」
「ーーそれは確かに楽しそうだけど」
「……それにかの方がこれから先も、ずっと大人しくしていてくださる保証はありませんし?」
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