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しおりを挟む「これはほとんどの方が嫌がりそうな着方みたいですね……?」
「教えてもらえて良かったね……?」
リアーヌとゼクスは顔を見合わせながら苦笑いを交わし合う。
そんな二人に店主が声をかけた。
「着物にゃ着物の付属品もあるがそれはどうする? 一緒に買ってくかい?」
「まとめていただきます」
「おっ! 兄さん太っ腹だねぇ!」
青年がそうヤジを飛ばし、店主も合わせるように「太っ腹だねぇー」と言うと、ニヤリと笑ったリアーヌも「太っ腹ー!」と声を合わせた。
「リアーヌまでそれ言うの?」
ゼクスが困ったように言い、リアーヌが楽しそうにクスクスと笑っている向こうで、アンナが女店主に声をかけていた。
「奥様、着方を簡単にでもお聞かせ願えればと……」
その言葉に店主は少し考え、ニヤリと笑いながらリアーヌに向かって口を開いた。
「嬢ちゃん、飾り紐や髪飾りも選んどきな。 その間にこの人に着付け方教えとくから」
そう言いながら女店主はアンナを伴い店の奥へと歩いて行った。
「飾り紐や髪飾はこの辺がいいんじゃないか?」
青年に指差された場所に視線を移しながらリアーヌは心の中で少し首を傾げていた。
(髪飾はともかく……飾り紐ってどこにどうやって使うんだろう……?)
「この紐はなんの飾りに使うんですか?」
首を傾げながらゼクスがたずねる。
リアーヌと同じ疑問を感じたようだった。
「んー? 大概は帯の飾りだが、袴の時に付けたっていいんだ。 差し色とかが一本入ってると締まって見えるだろ?」
その説明にリアーヌたちは口には出さずに視線だけで会話を始める。
『……ドレスの切り返しには、ほぼリボンがある的な感覚ですかね?』
『差し色がある方がいいって意見はその通りだと思う』
「無くたってどうってことはないんだが、まぁ……あった方が洒落て見えるな? 俺のおすすめはこの青だな」
青年の言葉にゼクスはチラリとリアーヌに視線を走らせ、嫌がるそぶりを見せていないのを確認すると、笑顔で頷いた。
「ではそちらをお願いします」
「あいよー。 髪飾はどうする? これは……お嬢ちゃんの好みが聞きてぇ」
青年にたずねられ、リアーヌは目の前に並べられている髪飾りの中から、一つの髪飾りを指差した。
「あの赤いリボンがいいです」
「ーーこれ、か……?」
リアーヌの答えに青年は少し戸惑ったように答えながら、リアーヌが指差した髪飾りを取る。
「……合わない、でしょうか?」
気まずそうな青年の態度に、リアーヌは首を傾げながらたずねる。
(確かに袴よりは明るい赤だけど……そこまで合わない色じゃ無いと思うんだけどな……この国では色合いも揃えるものなのかな?)
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