成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(……なんだろう? ゾワッじゃ無いけどヤな感じーーこれもギフトの力? ……でも今の会話でこんなにモヤモヤするとこ無かったし……ーーなら、クラリーチェがこの会話で納得してないとダメなのかな?)

 リアーヌはそう考えるが、感じているモヤモヤが消えることは無かった。

「私は……わたくしは……これから先もずっと……」

 涙を滲ませた視線をチラチラとリアーヌに向けるクラリーチェ。
 その視線を受けながら、リアーヌはその言葉が自分に向けられているのだとようやく気がついた。

(ああ! クラリーチェはどう転んだって第二王子派だから、中立です! って宣言した家と友達関係続けられるかどうかが不安なんだ……――だったら、私がかけるべき言葉は――)

「ーー私、クラリーチェ様とまたバラ園に遊びにいきたいです」
「ぇ……」
「あ、でも今度はちゃんと予定を立てて、あの時の皆様と街に遊びに行くのも楽しそうですね」
「ーーどれだけの護衛が必要なんだか……」
「それも込みで予定を立てるんですぅー」
「そうですかぁー」
「……またみんなで行きましょうね?」
「あの……わたくし……」

 その言葉に戸惑うように視線を揺らすクラリーチェに、リアーヌはさらに言葉を重ね、自分の気持ちを説明する。

「ーーこれって私個人の好みの問題なんですけど、レオン様よりクラリーチェ様のほうが好きです。 ですからクラリーチェ様が悲しむことはあんまりしたく無いなと思っています」
わたくしはレオン様の婚約者ですが……」
「……流石にそのくらいは覚えてますよ?」

 リアーヌはクラリーチェの言葉に、からかうような笑みを浮かべながら答えた。

「そ、そういう意味ではなく……」
「ーーちゃんと分かってますよ。 でもクラリーチェ様が悲しむのはイヤだなって思ってます」
「……どうして」
「――だってお友達じゃ無いですか。 ……知ってました? お友達って作るの大変なんですよ?」

 少し声をひそめながら言ったリアーヌの言葉にゼクスがクスリ……と笑い声を漏らした。
 それにチラリと視線を走らせながらクラリーチェにも笑ってもらおうと笑顔を向けたリアーヌだったのだが――

「ふぇ……」
「えぇ……?」

 顔をクシャリと歪めたクラリーチェに戸惑いを上げることになってしまった。

(ーーえ、なんで? 今わりといい感じだったじゃん⁉︎ リアーヌ、「嬉しいです……」とかの一言で一区切りな空気感じ取ってたよ⁉︎)

「ーークラリーチェ……その、一旦落ち着……」
「わっ、私はぁっ!」

 レオンが心配そうにかけた言葉を遮るように、くしゃくしゃの顔で言葉を紡いでいくクラリーチェ。
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