成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(……ユリアは、多分それ関係で私にキレてるんだと思うんだよねー……なんたっていないはずのゼクスの婚約者だし、レオン狙いなら、スクラップブック使ってクラリーチェとの仲を取り持ったってことになってるし……――私にはその自覚はなかったけど……ーーでもユリアからしたら「お前、なんかやってんだろ⁉︎」ってなってもおかしくない……ーーってか実際やらかしている自覚はあるので……そのあたりの文句については謝るしかないと思ってるよ……ーーこれ、ここまできて、ゲームなんて知らないんですけど? とかいうパターン無いよね……?)

 リアーヌが内心で首を傾げていると、レジアンナがもう一度挨拶をして、お茶会が始まった。

(ーーやば。 ちゃんとしなきゃ! 練習中のレジアンナに迷惑かけるダメ絶対!)

 そう意気込んだリアーヌはおっとりとした笑顔を浮かべると、グッと唇に力を込め、周りの話に全力の相槌を打ち始めたのだった――



 和やかに進んでいたお茶会だったが、まとめてしまいたい話をし終えた後は、知らず知らずのうちに雑談を話しながらの愚痴大会のような雰囲気になってきていた。

「……かの方が来るなら出席するのやめようかしら……」
「ーー王家主催だからねぇ……?」
「分かってますけれど……」

 ブスくれたレジアンナがフィリップにたしなめられ、さらに顔をしかめてみせる。

「フォルステル伯爵ご夫妻も出席なさるのでしょう……?」

 不機嫌なレジアンナにクラリーチェが気づかうように声をかける。
 その言葉にレジアンナは数回、目をしばたかせると、ため息を吐き出しながら頷いた。

「ーーそうね、どのくらいの抑止力になるかは不明ですけれど……養父母の前でなら多少大人しくしているかもしれないわね?」

 そんな会話を聞きながらリアーヌはそっと首を傾げていた。

(あれ……? ゲーム内でのパーティで、フォルステル伯爵や夫人と話した記憶なんてないけど……でもそうだよね? 出席しないなんてことないよね? だって養女が守護のギフト持ちなんだよ? 今社交休んでどうするんだよって話だし……ーーえ、じゃあゲーム序盤に必ずあるパーティでのトラブル……なんで助けてくれなかったん……? 攻略対象が現れたから、まいっか! ……ってこと……? なんてビジネスライクな関係……)

「……そういえば、先日かの方から受けた暴言に対する抗議の返事がようやく届いたと耳にしましたけれど?」

 止まってしまった会話の繋ぎなのか、ビアンカが話題提供とばかりにリアーヌに話を振った。

(そうだね……あんな返事なら一生届かなくてよかったのにね……?)
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