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しおりを挟む「ーーその通りだね……?」
リアーヌの言葉を受け、カチヤたちやゼクスから挑戦的な視線を向けられ、レオンやパトリックからは同情的な視線を向けられたフィリップは、ゆっくりと息を吐き出しながら、ため息をつくのをなんとか堪えながら、無理やり口を開く。
「ーーさすがはラッフィナート家の婚約者様だね……?」
「自慢の婚約者ですとも……――リアーヌもう少しゴネたらもう少し巻き上げられるかもよ?」
少しくたびれた様子のフィリップに、ゼクスは内心でほくそ笑みながらも、リアーヌに向け内緒話をするように更なる追撃を企てる。
「もう少し……?」
(ーーというか……ーー私、この人たちに対する最大の切り札、持ってない……?)
リアーヌは閉じ込められていた時のことを思い出し、顔をしかめながらゼクスに向かって言い放つ。
「ーー私、この人たちに触られそうになりました。 もちろんこのメイドさんはいなくって鍵もかかってて……」
「ーーなにしてんだアンタら……?」
リアーヌの言葉に、ゼクスがギロリとフィリップたちを睨みつけながら凄むように言う。
そのすぐ側では、カチヤたちが美しくも壮絶に恐ろしい笑顔をフィリップたちに向けていた。
それに慌てたフィリップは、言い訳をするように口を開く。
「それはリアーヌ嬢がパニックを起こしてしまったからで……いや、もちろん我々に咎がないとは言わないが……」
オロオロとしているフィリップの態度に、少しだけあの時の恐怖が和らいだ気がしたリアーヌは、ハッとしたようにエーゴンに視線を向け、言い付けるようにゼクスに向かって口を開いた。
「あとあの人! 私の口押さえて声を出させなくしたんですよっ!」
「はぁ⁉︎」
その言葉にギョッと目を剥き、リアーヌを見つめるゼクス。
カチヤたちも少し青ざめた顔色で視線を交わし合っている。
「それにアイツ、ウソつきなんですっ! ウソ見抜けるとか言ったのにウソで、ウソなんてついてないのに「ウソです」ってウソついてっ!」
「――……ごめんリアーヌ、オレにはなにがなんだか……」
ヒートアップするリアーヌの言葉を理解しきれず、困ったように視線を揺らすゼクス。
しかし、そんなーーある意味では元気なリアーヌの様子に(さっきの発言にはなんの裏もなく、ただただ口を塞がれただけなんだ……)と理解し、ホッと静かに息を漏らしていた。
ーーそんな風に勘ぐられてしまうほどには、先ほどのリアーヌの発言はギリギリだった。
「ーーアイツはっイヤなっヤツなんですっ!」
力いっぱいエーゴンに向かって指を突きつけながら訴えるリアーヌに、ゼクスはその指を絡め取りながら宥めるように声をかける。
リアーヌの言葉を受け、カチヤたちやゼクスから挑戦的な視線を向けられ、レオンやパトリックからは同情的な視線を向けられたフィリップは、ゆっくりと息を吐き出しながら、ため息をつくのをなんとか堪えながら、無理やり口を開く。
「ーーさすがはラッフィナート家の婚約者様だね……?」
「自慢の婚約者ですとも……――リアーヌもう少しゴネたらもう少し巻き上げられるかもよ?」
少しくたびれた様子のフィリップに、ゼクスは内心でほくそ笑みながらも、リアーヌに向け内緒話をするように更なる追撃を企てる。
「もう少し……?」
(ーーというか……ーー私、この人たちに対する最大の切り札、持ってない……?)
リアーヌは閉じ込められていた時のことを思い出し、顔をしかめながらゼクスに向かって言い放つ。
「ーー私、この人たちに触られそうになりました。 もちろんこのメイドさんはいなくって鍵もかかってて……」
「ーーなにしてんだアンタら……?」
リアーヌの言葉に、ゼクスがギロリとフィリップたちを睨みつけながら凄むように言う。
そのすぐ側では、カチヤたちが美しくも壮絶に恐ろしい笑顔をフィリップたちに向けていた。
それに慌てたフィリップは、言い訳をするように口を開く。
「それはリアーヌ嬢がパニックを起こしてしまったからで……いや、もちろん我々に咎がないとは言わないが……」
オロオロとしているフィリップの態度に、少しだけあの時の恐怖が和らいだ気がしたリアーヌは、ハッとしたようにエーゴンに視線を向け、言い付けるようにゼクスに向かって口を開いた。
「あとあの人! 私の口押さえて声を出させなくしたんですよっ!」
「はぁ⁉︎」
その言葉にギョッと目を剥き、リアーヌを見つめるゼクス。
カチヤたちも少し青ざめた顔色で視線を交わし合っている。
「それにアイツ、ウソつきなんですっ! ウソ見抜けるとか言ったのにウソで、ウソなんてついてないのに「ウソです」ってウソついてっ!」
「――……ごめんリアーヌ、オレにはなにがなんだか……」
ヒートアップするリアーヌの言葉を理解しきれず、困ったように視線を揺らすゼクス。
しかし、そんなーーある意味では元気なリアーヌの様子に(さっきの発言にはなんの裏もなく、ただただ口を塞がれただけなんだ……)と理解し、ホッと静かに息を漏らしていた。
ーーそんな風に勘ぐられてしまうほどには、先ほどのリアーヌの発言はギリギリだった。
「ーーアイツはっイヤなっヤツなんですっ!」
力いっぱいエーゴンに向かって指を突きつけながら訴えるリアーヌに、ゼクスはその指を絡め取りながら宥めるように声をかける。
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