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 リアーヌはレオンの場所がユリアに筒抜けなのはユリアの親友であるベッティ・レーレンお助けキャラのギフトの力だと思い、かすかに肩をすくめた。

(――二人に執着を見せているのは、好きだからなのか“距離を置く”と明確に態度に出したからなのか……――でもそうするとエドガーの説明がつかないんだよねー……今だけボスハウト家の使用人なエドガーだって、ユリアとは明らかに距離をとってるのに……でもそこまで会うことはないって話だし……――じゃあやっぱり、単純に好みじゃないから……? ――ってか、あのゲーム逆ハーや同時攻略無理だったよ? ……本当に何が目的なの……⁇)

 おそらくこの世界の元になっているであろうゲーム――
 そのゲームで主人公を操作できる期間は約二年だ。
 主人公が入学した年から始まり、一歳年上の攻略対象者たち――ゼクスやフィリップたちが卒業する、その卒業パーティまでの間だけだった。
 その日までに、攻略相手に話しかけたりイベントをこなしたりしつつ好感度上げ、一定ライン以上になっていないとゲームとしてはバッドエンド――通称、友情エンド、と呼ばれる終わりを迎えることになる。

 ちなみにそのルートだと、卒業パーティーの直前に「やっぱり君とは出られないーー」とドタキャンされ、そのままゲーム終了となるの。
 だがその際、主人公に背中を向け、パーティー会場に入っていく攻略対象者のスチルが手に入る。

(――まさかのそれ狙い? ……確かにスチルフルコンプすると、コンプリート特典のスチルが手に入るけど……――いや、無い。 無いよ。 だってこの世界ゲーム機無いもん。 スチル貰ったところでよ。 ――えー……? ゲームの主人公をプレイヤーが操作しなかったら、あんな残念なことになる……⁇ 確かに、今となっては主人公の言動ってアウトなことばっかりなんだよな……そもそも男性と二人っきりとか、みんなにバレたら相当酷いウワサ流されちゃうし……)

 周りの会話に曖昧な頷きを返しながら、チラリとゼクスの席に視線を送る。

(それにいきなり『ゼクス君!』とか絶対ダメ。 ーーしかもゼクスはすでに男爵になってるから、この学園で最もダメな生徒。 婚約してる私だって言ったらめっちゃ怒られる。 ヴァルムさんやアンナさんに……ーー“様”をつけたとしても……現役男爵から見た伯爵家ご令嬢は格下だしなぁ……ここは“学校”だから入学したての平民階級の生徒が知らずにーーとからな大目に見てもらえるけど、それでも注意はされるし、二回三回って続くようなら制裁を加えられる)

「リアーヌだってそう思うでしょ⁉︎」
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