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 ゲーム内では一日に三回、主人公が知りたい情報を教えてるというをしてくれるくれる。
 各キャラクターがどこに出現するか、やキャラクターたちの現在の好感度等を調べた情報として聞かせてくれるのだ。

(……ただ、実際のところはどうなんだろう……? 主人公がここに現れてるってことは、居場所は分かってるんだろうけど……このリアルな世界での好感度って……数値化出来るもの……? それとも情報収集のギフトがあればそれもなんとなく分かるのかなぁ? ーー私が使えるギフトだって、なんでなのかなんか全くわからなくても、そういうもんだって理解出来ちゃうものはあるし……ーーギフトなんてそんなもんなのかもしれない)

「ーーあら……ウワサをすれば」

 ビアンカの声が聞こえ、みんなが一斉にビアンカの視線の先を見つめた。
 ーー教室と廊下を隔てる壁、そしてそこに付いた窓ーーその窓越しに見えたのは話題の人物であるユリアで……レジアンナやその後友人たちは一斉に口元や前髪に手をやって、顔が歪むのを誤魔化そうとした。

(……こんな時、社交界でのセンスって便利だよね? すぐにかおをかくせるもんね? ……私なんかずっと装備してたいぐらいだもん……)

 そう考えながらも、リアーヌも寄りそうになった眉に力を込め下がりそうになった口角を気合で持ち上げるのだった。

 チラチラとガラス越しに様子を伺っていると、ユリアは廊下の出入り口付近にいた生徒に声をかけ、ペコペコと頭を下げている。
 声をかけられた生徒は渋々……といった態度で、ある人物に近づいて行ったーー

「……ぇ?」

 リアーヌが戸惑いの声をもらす中、その生徒は言いにくそうに声をかける。

「ーーラフィナート男爵、お客人です」
「ーー……わざわざありがとう。 ごめんねぇ?」
「……いえ」

 そんなやりとりの後席から立ち上がるゼクス。

(ーーこれはつまり……攻略相手を変えた……?)

 リアーヌが呆然とその行動を見つめていると、それに気がついたゼクスが困ったように眉を下げながらピラピラと手を振った。

「っ……!」

 そんなゼクスの行動に思わず顔を背けてしまうリアーヌ。
 盗み見していたのに気がつかれて、気まずい思いがあったからなのかもしれない。

「……あからさま過ぎよ?」

 リアーヌの態度をたしなめるようにビアンカが肩をすくめる。

「や、なんか……咄嗟に、マズい⁉︎ って思っちゃって……」
「……仕方がない部分ばあるとは思いますけれどーー貴女はシャンと胸を張っていなさい? あなたが婚約者。 相手はそれを知りながらちょっかいをかけてきているでしてよ。 貴女が引く理由なんてどこにもないわ」
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