【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ーー守護のギフトだから……」

 それまで静かに話を聞いていたクラリーチェが、顔色を悪くしながら呟く。

(……そりゃあそうなるよねぇ? だって王子の片方が守護のギフト持ちと結婚したら、その人が確実に時期国王陛下ーーつまりは王太子に決まる。 クラリーチェとしては、レオンがユリアにふらふらするのは断固拒否として、第一王子と結婚されるのもマズい、と……ーー今のところユリアはレオンのルートに入ろうとしてるっぽいんだけど……ーーその場合、クラリーチェがはどうするんだろう? この人、妾ぐらいなら……とか、許容してレオンを王太子にする感じなのかな?)

 疑問に思いクラリーチェを見つめていると、顔色を悪くした彼女を気づかい、周りの者たちが甲斐甲斐しく世話をやきはじめた。
 それに痛々しい笑顔で無理に笑ってみせるクラリーチェ。

(ーーあ、これ飲み込めないのに無理して飲み込むタイプの人だわ……)

 そう思った瞬間、リアーヌの口から勝手に言葉が漏れ出ていた。
 ここで自分の考えをきちんと伝えておかないと、この人は潰れてしまうと、漠然と理解していた。

「イヤならイヤだと言った方がいいです」
「ーーぇ?」
「はっきり言葉にしないと伝わりません」
「……ですが、ご迷惑になってしまうから、と……」

 貴女が言ったんでしょう? と、言外に続けながらクラリーチェは首をかしげた。

「あ、文句言う相手はレオン様です」
「レ、レオン様は悪くありませんわ⁉︎」
「ーーそうですとも! あの方が一方的に!」
「レオン様にはなんの非も!」

 リアーヌの言葉に目を丸めたクラリーチェが慌てて否定すると、その周りも大きく頷きながら同調する。

「非がなかろうと、レオン様の考えで邪険にしづらいのだとしても、イヤなものはイヤなんだと言葉にすべきです」

 リアーヌの言葉にクラリーチェは迷うように視線を揺らしながら俯いた。

「……そんなことを言ったって困らせてしまうだけです。 だって守護のギフトなんですよ……?」
「ーーそもそも守護のギフトを手に入れる方法が結婚だとは限りません」
「……ぇ」
「どこの家でも守護のギフトの恩恵にあやかりたい。 でもかの方が女性ということで邪推してしまう」
「そ、れは……」

 答えにくそうにリアーヌから視線を逸らしたクラリーチェを庇うようにレジアンナが口を開く。

「ーー仕方がないことだわ? 初代王妃殿下のギフトですもの」

 その言葉にレジアンナのそばにいたご令嬢たちだけでは無く、クラリーチェのそばにいるものたちも大きく頷き同意した。
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