551 / 1,038
551
しおりを挟む
……リアーヌたちからしてみれば、いきなりのカミングアウトに次ぐカミングアウトに驚くなという方が無理な話なのだが。
(初めてお茶会で挨拶した後に、オリバーさんが詳しく説明してくれて本当に良かった……公爵家の娘が伯爵に嫁ぐわけないだろ! そこがバレたらすぐにレオンの身分にまで辿り着くんだよっ!)(ーー教わっていなかったらカップを3つは取り落とすところでしたわ……)というのが、その時の嘆きだーー
「クラリーチェ様はお優しいすぎますわ⁉︎」
「そうです! ああいった方には少々こらしめが必要かとっ!」
(……きっと私の時にもそう言ってレジアンナのイエスマンしてたんだろうな……)
レジアンナの機嫌を伺うようにレジアンナが求めているであろう言葉をかける少女たちにリアーヌはこっそりとため息をつきながら、オレンジジャムが爽やかに香るクッキーを頬張った。
「……リアーヌは乗り気じゃありませんの⁉︎」
一人自分のの話に全く賛同せようとせず、曖昧に相槌を打つでもないリアーヌに、レジアンナはその不満を隠そうともせずにムッとした表情で話かけた。
(乗るわけないだろ⁉︎ 私にとってもレジアンナたちにとってもそれはほぼ死亡フラグですからね⁉︎)
と、口にできないリアーヌは紅茶でクッキーを流し込みながら素早く言い訳の言葉を考える。
「……いやだってーー“末端も末端の王族に嫁ぐ”……のところが間違いだったら、レジアンナとクラリーチェ様以外は確実にヤバくない?」
「そ、れは……」
リアーヌの指摘に口ごもるレジアンナ。
その言葉によそから援護射撃が入る前に、ビアンカがフォローを装い、リアーヌに対する援護射撃を行う。
「けれど主だった王族の皆様は、すでに年齢が合わないか、正式な婚約者様がいらっしゃるわよ?」
「……噂は噂じゃん?」
(少なくとも主人公が名前も知らない王族に嫁いだーーなんてエンド無いんだって!)
レジアンナと友好な関係を築いているいま、レジアンナがユリアにイタズラした場合、自分にまで被害が及ぶのを恐れているリアーヌはさらに言葉を重ね、レジアンナの考えを変えさせようとした。
「しかも側妃や妾の可能性だってあるんでしょ? その相手が陛下だったらどうするの⁇ 流石に「陛下の側妃にイタズラしてましたー⭐︎」は、ヤバくない?」
「そ、れは……」
「さっきビアンカが言ってたじゃん。 今は良くても十年後、二十年後はどうなってるか分からない、って……」
その言葉にレジアンナは、ぐぬぅ……と、口ごもり悔しげにリアーヌを睨みつけた。
(初めてお茶会で挨拶した後に、オリバーさんが詳しく説明してくれて本当に良かった……公爵家の娘が伯爵に嫁ぐわけないだろ! そこがバレたらすぐにレオンの身分にまで辿り着くんだよっ!)(ーー教わっていなかったらカップを3つは取り落とすところでしたわ……)というのが、その時の嘆きだーー
「クラリーチェ様はお優しいすぎますわ⁉︎」
「そうです! ああいった方には少々こらしめが必要かとっ!」
(……きっと私の時にもそう言ってレジアンナのイエスマンしてたんだろうな……)
レジアンナの機嫌を伺うようにレジアンナが求めているであろう言葉をかける少女たちにリアーヌはこっそりとため息をつきながら、オレンジジャムが爽やかに香るクッキーを頬張った。
「……リアーヌは乗り気じゃありませんの⁉︎」
一人自分のの話に全く賛同せようとせず、曖昧に相槌を打つでもないリアーヌに、レジアンナはその不満を隠そうともせずにムッとした表情で話かけた。
(乗るわけないだろ⁉︎ 私にとってもレジアンナたちにとってもそれはほぼ死亡フラグですからね⁉︎)
と、口にできないリアーヌは紅茶でクッキーを流し込みながら素早く言い訳の言葉を考える。
「……いやだってーー“末端も末端の王族に嫁ぐ”……のところが間違いだったら、レジアンナとクラリーチェ様以外は確実にヤバくない?」
「そ、れは……」
リアーヌの指摘に口ごもるレジアンナ。
その言葉によそから援護射撃が入る前に、ビアンカがフォローを装い、リアーヌに対する援護射撃を行う。
「けれど主だった王族の皆様は、すでに年齢が合わないか、正式な婚約者様がいらっしゃるわよ?」
「……噂は噂じゃん?」
(少なくとも主人公が名前も知らない王族に嫁いだーーなんてエンド無いんだって!)
レジアンナと友好な関係を築いているいま、レジアンナがユリアにイタズラした場合、自分にまで被害が及ぶのを恐れているリアーヌはさらに言葉を重ね、レジアンナの考えを変えさせようとした。
「しかも側妃や妾の可能性だってあるんでしょ? その相手が陛下だったらどうするの⁇ 流石に「陛下の側妃にイタズラしてましたー⭐︎」は、ヤバくない?」
「そ、れは……」
「さっきビアンカが言ってたじゃん。 今は良くても十年後、二十年後はどうなってるか分からない、って……」
その言葉にレジアンナは、ぐぬぅ……と、口ごもり悔しげにリアーヌを睨みつけた。
0
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
婚約者の浮気現場に踏み込んでみたら、大変なことになった。
和泉鷹央
恋愛
アイリスは国母候補として長年にわたる教育を受けてきた、王太子アズライルの許嫁。
自分を正室として考えてくれるなら、十歳年上の殿下の浮気にも目を瞑ろう。
だって、殿下にはすでに非公式ながら側妃ダイアナがいるのだし。
しかし、素知らぬふりをして見逃せるのも、結婚式前夜までだった。
結婚式前夜には互いに床を共にするという習慣があるのに――彼は深夜になっても戻ってこない。
炎の女神の司祭という側面を持つアイリスの怒りが、静かに爆発する‥‥‥
2021年9月2日。
完結しました。
応援、ありがとうございます。
他の投稿サイトにも掲載しています。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる