545 / 1,038
545
しおりを挟む
(ゲームの主人公! とは答えられないし……ーーそもそもなんで、レジアンナはすでに主人公を嫌っているのかと……ーー目立つから……?)
「……一部の方々には人気がある?」
「あんなの! 皆様ギフトの力に群がってるだけですわ!」
リアーヌの答えにパシリッと手に持っていたセンスを自分の手のひらに打ち付ける。
憤ってはいるが、その答えが正解だったようで、参加者がレジアンナの怒りに同調するように、こぞって声をかけ始める。
「いくら入学する歳だったとはいえ……ーー今年の入学は……ねぇ?」
「見合わせるべきだったと……」
「皆様もそう思いまして⁉︎」
同意を得られたことに気をよくしたのか、レジアンナは前のめりになり、その様子に周りは何度も大きく頷くのだった。
その様子からウソをついているようには見えないが、やはりレジアンナの機嫌を損ねたく無いという思いが強いように見受けられた。
「ーーまぁ……あの態度は少々……」
「そうですわね……ーーツテを作りたいのでしょうけれど……」
「あのやりようは……ねぇ?」
クラリーチェの周りの人々も苦々しく笑いながら肩をすくめ合っている。
(え、主人公なにしたの⁉︎ 入学式から一ヶ月程度しか経って無いのにここまでヘイト貯める⁉︎ ……ーー派閥入りか? 『そういうの興味ないんで……』とでも答えたのか⁉︎)
いまいち事情を把握できないリアーヌは助けを求めるようにビアンカを見つめた。
「ーー品はよろしくありませんわ」
ビアンカは紅茶を飲みながら肩をすくめる。
その姿はレジアンナに気を遣っているというより、心底呆れているもので……
そんな態度にリアーヌは「ええ……?」と戸惑いの声を上げ、ほかの参加者たちはクスリと笑いを漏らしながら仕草で同意して見せた。
「ーーあら? リアーヌはそう思わないの?」
面白くなさそうにレジアンナはリアーヌを軽く睨みつけながらたずねた。
「え、えぇと……」
(……いや、正直関わり合いにはなりたくないんだけど……ーーただ、誰のルート選ぶにしたってレジアンナやクラリーチェ、その周りがあの子に嫌がらせするのは絶対ダメなんだよなぁ⁉︎)
なんと答えるべきか迷うリアーヌに、焦れたレジアンナの視線がスッと細められーーフォローを入れるようにビアンカが間に入った。
「……この方、最近ゼクス様とデート三昧で、校内のことなんか目に入ってないわよ?」
「デ、デートじゃ……お手伝いですぅー!」
「はいはい。 そうでしたねー?」
その気やすいやりとりに、毒気を抜かれるレジアンナたち。
呆れたように……しかし、からかいを含んだ視線でリアーヌたちの会話を聞いている。
「……一部の方々には人気がある?」
「あんなの! 皆様ギフトの力に群がってるだけですわ!」
リアーヌの答えにパシリッと手に持っていたセンスを自分の手のひらに打ち付ける。
憤ってはいるが、その答えが正解だったようで、参加者がレジアンナの怒りに同調するように、こぞって声をかけ始める。
「いくら入学する歳だったとはいえ……ーー今年の入学は……ねぇ?」
「見合わせるべきだったと……」
「皆様もそう思いまして⁉︎」
同意を得られたことに気をよくしたのか、レジアンナは前のめりになり、その様子に周りは何度も大きく頷くのだった。
その様子からウソをついているようには見えないが、やはりレジアンナの機嫌を損ねたく無いという思いが強いように見受けられた。
「ーーまぁ……あの態度は少々……」
「そうですわね……ーーツテを作りたいのでしょうけれど……」
「あのやりようは……ねぇ?」
クラリーチェの周りの人々も苦々しく笑いながら肩をすくめ合っている。
(え、主人公なにしたの⁉︎ 入学式から一ヶ月程度しか経って無いのにここまでヘイト貯める⁉︎ ……ーー派閥入りか? 『そういうの興味ないんで……』とでも答えたのか⁉︎)
いまいち事情を把握できないリアーヌは助けを求めるようにビアンカを見つめた。
「ーー品はよろしくありませんわ」
ビアンカは紅茶を飲みながら肩をすくめる。
その姿はレジアンナに気を遣っているというより、心底呆れているもので……
そんな態度にリアーヌは「ええ……?」と戸惑いの声を上げ、ほかの参加者たちはクスリと笑いを漏らしながら仕草で同意して見せた。
「ーーあら? リアーヌはそう思わないの?」
面白くなさそうにレジアンナはリアーヌを軽く睨みつけながらたずねた。
「え、えぇと……」
(……いや、正直関わり合いにはなりたくないんだけど……ーーただ、誰のルート選ぶにしたってレジアンナやクラリーチェ、その周りがあの子に嫌がらせするのは絶対ダメなんだよなぁ⁉︎)
なんと答えるべきか迷うリアーヌに、焦れたレジアンナの視線がスッと細められーーフォローを入れるようにビアンカが間に入った。
「……この方、最近ゼクス様とデート三昧で、校内のことなんか目に入ってないわよ?」
「デ、デートじゃ……お手伝いですぅー!」
「はいはい。 そうでしたねー?」
その気やすいやりとりに、毒気を抜かれるレジアンナたち。
呆れたように……しかし、からかいを含んだ視線でリアーヌたちの会話を聞いている。
0
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
もしもし、王子様が困ってますけど?〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる