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(ゲームの主人公! とは答えられないし……ーーそもそもなんで、レジアンナはすでに主人公を嫌っているのかと……ーー目立つから……?)

「……一部の方々には人気がある?」
「あんなの! 皆様ギフトのちからに群がってるだけですわ!」

 リアーヌの答えにパシリッと手に持っていたセンスを自分の手のひらに打ち付ける。
 憤ってはいるが、その答えが正解だったようで、参加者がレジアンナの怒りに同調するように、こぞって声をかけ始める。

「いくら入学する歳だったとはいえ……ーー今年の入学は……ねぇ?」
「見合わせるべきだったと……」
「皆様もそう思いまして⁉︎」

 同意を得られたことに気をよくしたのか、レジアンナは前のめりになり、その様子に周りは何度も大きく頷くのだった。

 その様子からウソをついているようには見えないが、やはりレジアンナの機嫌を損ねたく無いという思いが強いように見受けられた。

「ーーまぁ……あの態度は少々……」
「そうですわね……ーーツテを作りたいのでしょうけれど……」
「あのやりようは……ねぇ?」

 クラリーチェの周りの人々も苦々しく笑いながら肩をすくめ合っている。

(え、主人公なにしたの⁉︎ 入学式から一ヶ月程度しか経って無いのにここまでヘイト貯める⁉︎ ……ーー派閥入りか? 『そういうの興味ないんで……』とでも答えたのか⁉︎)

 いまいち事情を把握できないリアーヌは助けを求めるようにビアンカを見つめた。

「ーー品はよろしくありませんわ」

 ビアンカは紅茶を飲みながら肩をすくめる。
 その姿はレジアンナに気を遣っているというより、心底呆れているもので……
 そんな態度にリアーヌは「ええ……?」と戸惑いの声を上げ、ほかの参加者たちはクスリと笑いを漏らしながら仕草で同意して見せた。
 
「ーーあら? リアーヌはそう思わないの?」

 面白くなさそうにレジアンナはリアーヌを軽く睨みつけながらたずねた。

「え、えぇと……」

(……いや、正直関わり合いにはなりたくないんだけど……ーーただ、誰のルート選ぶにしたってレジアンナやクラリーチェ、その周りがあの子に嫌がらせするのは絶対ダメなんだよなぁ⁉︎)

 なんと答えるべきか迷うリアーヌに、焦れたレジアンナの視線がスッと細められーーフォローを入れるようにビアンカが間に入った。

「……この方、最近ゼクス様とデート三昧で、校内のことなんか目に入ってないわよ?」
「デ、デートじゃ……お手伝いですぅー!」
「はいはい。 そうでしたねー?」

 その気やすいやりとりに、毒気を抜かれるレジアンナたち。
 呆れたように……しかし、からかいを含んだ視線でリアーヌたちの会話を聞いている。
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