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仕事らしい仕事といえば、母リエンヌから頼まれている寒さに強い植物ーーできれば冬に花を咲かせるものーーを探して欲しいと依頼を出した程度だろうか?
(あとは……みんなの相談にはわりと乗ったかな? ーーこんなお菓子食べたい! 程度だけどー)
今回の話し合いで決まった大きな事柄といえば、どの店舗も各家々も現金収入が増えたため、来年からの税金の支払い方が現金に変更になったこと、そして木材の販売が条件付きではあるが、可能になったことぐらいだろうか。
プラスして、この集会場を正式に村のものとして扱いたい旨が村長のディーターから申し入れられゼクスがそれを了承したこと。
プラスしていつでも滞在できるよう、ラッフィナート男爵邸をこの村に建築されることが決まった。
(この集会場も、前任の代官の居住スペースリフォームして倉庫に変えるって話だったよねー。 ーー……クズだってことは知ってたけどさぁ……)
前任の代官は労働奉仕はさせても、それに必要な備品などのほとんどを出し渋っていた実績がある。
そのため、ラッフィナート男爵領となり、必要な備品が備えられつつある今、これまで使っていた備品倉庫ではとても収まりきらないのだ。
(……前の領主の関係者なんか、全員ろくなヤツじゃないって知ってたけどーー本当正真正銘のろくでなしだったんだなって……)
明るい顔で未来についての話し合いを重ねる村人たちを眺めながら、リアーヌは苦々しいため息を噛み殺すのだった。
◇
「わぁ! かわいい花!」
ゼクスが視察や話し合いに忙しくしているのとは対照的に、リアーヌはゆったりとサンドバルの村を村の子供達と共に自主視察して回っている真っ最中だ。
デリアちゃん11歳、ハイデちゃん9歳の姉妹に案内され、やってきたのは村人たちが適度に出入りしている山の入り口付近。
歩きやすいように雑草が刈り取られ、木々の枝も払われているので、森の中まで日の光が程よく差し込んでいる。
王都より南側にあり、温かな気候ではあるが、山の上だからなのか雪がうっすらと積もっていて、子供たちの話す「私お花見たよ!」「あっちに咲いてた!」という言葉だけを頼りにここまでやって来たリアーヌは(少しとはいえ、雪が降ったのに本当に花が咲いているの……?)と、多少の不安を抱えていたのだがその視線の先には、ちゃんと可憐な花が存在していた。
大きな木々の根本で雪を避けながら、長い茎をくにゃりとお辞儀をさせて花を咲かせている真っ白な花。
その小さな花は筒状になっていて、共にやってきた子供たちは、その花に群がり指に嵌めたりして遊んでいる。
(あっ……それうちの花園に置く可能性高いから、あんまり遊ばないで……⁉︎)
(あとは……みんなの相談にはわりと乗ったかな? ーーこんなお菓子食べたい! 程度だけどー)
今回の話し合いで決まった大きな事柄といえば、どの店舗も各家々も現金収入が増えたため、来年からの税金の支払い方が現金に変更になったこと、そして木材の販売が条件付きではあるが、可能になったことぐらいだろうか。
プラスして、この集会場を正式に村のものとして扱いたい旨が村長のディーターから申し入れられゼクスがそれを了承したこと。
プラスしていつでも滞在できるよう、ラッフィナート男爵邸をこの村に建築されることが決まった。
(この集会場も、前任の代官の居住スペースリフォームして倉庫に変えるって話だったよねー。 ーー……クズだってことは知ってたけどさぁ……)
前任の代官は労働奉仕はさせても、それに必要な備品などのほとんどを出し渋っていた実績がある。
そのため、ラッフィナート男爵領となり、必要な備品が備えられつつある今、これまで使っていた備品倉庫ではとても収まりきらないのだ。
(……前の領主の関係者なんか、全員ろくなヤツじゃないって知ってたけどーー本当正真正銘のろくでなしだったんだなって……)
明るい顔で未来についての話し合いを重ねる村人たちを眺めながら、リアーヌは苦々しいため息を噛み殺すのだった。
◇
「わぁ! かわいい花!」
ゼクスが視察や話し合いに忙しくしているのとは対照的に、リアーヌはゆったりとサンドバルの村を村の子供達と共に自主視察して回っている真っ最中だ。
デリアちゃん11歳、ハイデちゃん9歳の姉妹に案内され、やってきたのは村人たちが適度に出入りしている山の入り口付近。
歩きやすいように雑草が刈り取られ、木々の枝も払われているので、森の中まで日の光が程よく差し込んでいる。
王都より南側にあり、温かな気候ではあるが、山の上だからなのか雪がうっすらと積もっていて、子供たちの話す「私お花見たよ!」「あっちに咲いてた!」という言葉だけを頼りにここまでやって来たリアーヌは(少しとはいえ、雪が降ったのに本当に花が咲いているの……?)と、多少の不安を抱えていたのだがその視線の先には、ちゃんと可憐な花が存在していた。
大きな木々の根本で雪を避けながら、長い茎をくにゃりとお辞儀をさせて花を咲かせている真っ白な花。
その小さな花は筒状になっていて、共にやってきた子供たちは、その花に群がり指に嵌めたりして遊んでいる。
(あっ……それうちの花園に置く可能性高いから、あんまり遊ばないで……⁉︎)
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