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「そもそもとして……そんなことって可能なの? 大体、分っちゃわない⁇」
(自分のところの護衛をそんな風に見たことはないけど、たまに外で見かけるお嬢様方の近くには、確実に護衛っぽい人がいる気がするけど……?)
「……あの人は出来るんですよ。 俺はまだまだなんっスけど……」
「え、オリバーさんスゴ……」
エドガーの答えに、リアーヌは驚いたように目を見張った。
「ーーあの人、国王陛下の侍従だった人だからねぇ……そりゃ、その辺の護衛なんかよりもずっと凄腕だよ」
「あ、やっぱり本当なんだその話……ーーでもそうなると、愛の力って偉大なんですねぇ……?」
感心したように息を吐きながら呟いたリアーヌに、隣に座るゼクスだけではなく、向かいに座るサンドラも首をかしげていた。
「……どういうこと?」
「だってどう考えたって、そんな凄い職場捨てた理由って、アンナさんしか無いじゃないですか? 正直、きっとお給料なんか駄々下がりになってますよ⁇」
「……リアーヌは一回、ボスハウト家の財産についてご両親や執事とよく話し合った方がいいんじゃ無いのかな……?」
リアーヌよりはボスハウト家の懐事情に詳しいゼクスは、頑なに自分の家が貧乏のままだと信じて疑わない婚約者にアドバイスを飛ばしてみるが「えぇー?」と呑気に自分を見つめ返してくるリアーヌに、自分の想いは届かないのだろうな……と自重気味に唇を引き結んだのだった。
「……でもボスハウト家って王家に連なる家ですよね……? だったら別にそこまでおかしく無いんじゃ……⁇」
サンドラがエドガーをチラチラと確認するように見ながら、おずおずとたずねる。
しかし、その質問をリアーヌはケラケラと笑いながら否定する。
「いやいや……建前上はそう言われてるけど、実際そんなふうに扱ってくれる人なんて、そうそういないからー」
(大体、王家に連なるーーって言ったって、家が王家から別れたのって、百年以上も前の話だし、みんなそこまで気なんかつかって無いって……)
「……そうーーなんですか?」
説明されていた話と食い違っているのか、サンドラはエドガーのほうに視線を飛ばしながら確認する。
しかしその言葉にエドガーやリアーヌが反応するよりも早く否定の言葉を口にしたのはゼクスだった。
「ーー謙遜にしたって言い過ぎだよ? ボスハウト家が王家に連なる家だったからこそ、オリバーは王城勤務を辞められたんだからね⁇」
「……えっ?」
ゼクスの言葉に、リアーヌは本気で理解が追いつかないのか、キョトンと目を丸めるのだった。
(自分のところの護衛をそんな風に見たことはないけど、たまに外で見かけるお嬢様方の近くには、確実に護衛っぽい人がいる気がするけど……?)
「……あの人は出来るんですよ。 俺はまだまだなんっスけど……」
「え、オリバーさんスゴ……」
エドガーの答えに、リアーヌは驚いたように目を見張った。
「ーーあの人、国王陛下の侍従だった人だからねぇ……そりゃ、その辺の護衛なんかよりもずっと凄腕だよ」
「あ、やっぱり本当なんだその話……ーーでもそうなると、愛の力って偉大なんですねぇ……?」
感心したように息を吐きながら呟いたリアーヌに、隣に座るゼクスだけではなく、向かいに座るサンドラも首をかしげていた。
「……どういうこと?」
「だってどう考えたって、そんな凄い職場捨てた理由って、アンナさんしか無いじゃないですか? 正直、きっとお給料なんか駄々下がりになってますよ⁇」
「……リアーヌは一回、ボスハウト家の財産についてご両親や執事とよく話し合った方がいいんじゃ無いのかな……?」
リアーヌよりはボスハウト家の懐事情に詳しいゼクスは、頑なに自分の家が貧乏のままだと信じて疑わない婚約者にアドバイスを飛ばしてみるが「えぇー?」と呑気に自分を見つめ返してくるリアーヌに、自分の想いは届かないのだろうな……と自重気味に唇を引き結んだのだった。
「……でもボスハウト家って王家に連なる家ですよね……? だったら別にそこまでおかしく無いんじゃ……⁇」
サンドラがエドガーをチラチラと確認するように見ながら、おずおずとたずねる。
しかし、その質問をリアーヌはケラケラと笑いながら否定する。
「いやいや……建前上はそう言われてるけど、実際そんなふうに扱ってくれる人なんて、そうそういないからー」
(大体、王家に連なるーーって言ったって、家が王家から別れたのって、百年以上も前の話だし、みんなそこまで気なんかつかって無いって……)
「……そうーーなんですか?」
説明されていた話と食い違っているのか、サンドラはエドガーのほうに視線を飛ばしながら確認する。
しかしその言葉にエドガーやリアーヌが反応するよりも早く否定の言葉を口にしたのはゼクスだった。
「ーー謙遜にしたって言い過ぎだよ? ボスハウト家が王家に連なる家だったからこそ、オリバーは王城勤務を辞められたんだからね⁇」
「……えっ?」
ゼクスの言葉に、リアーヌは本気で理解が追いつかないのか、キョトンと目を丸めるのだった。
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