成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

文字の大きさ
上 下
399 / 1,038

399

しおりを挟む
「まあ、楽しそうなお話ですこと! 私たちも参加してよろしいかしら?」
「ーーもちろんですわ?」
「私たちもよろしくて⁇ ーー流行を作る一端になれるなんて、なんて幸運なことなのかしら!」
「ええ、ええ! 憧れですわよね⁉︎」
「あら、貴女様も⁉︎ 実は私もなんですよ!」
「あらぁ‼︎」

 一人の少女が声をかけたことをきっかけに、お茶会に参加していたほとんどの少女たちがマーリオンたちを取り囲み、キャッキャと楽しそうにはしゃぎ出す。

 その姿は、決して淑女とは言えない、年頃の女の子たちーーといったものであったが、それほど興奮してしまうほどには、流行を発信する側というのは、大きなステータスだったのだ。

 そして、マーリオンたちがその流行の一端に自分達の派閥以外の者たちを引き入れたのは、この案を授けてくれたリアーヌ、引いてはラッフィナート男爵家への感謝の気持ちの表れだったのだが、リアーヌがそれに気がつくことは無なった……ーーだが、ビアンカやゼクスには的確に伝わるであろう事実だったので、それでいいのだろうーー



「ねぇ、リアーヌはどちらがいいと思いまして?」
「え、私⁇」
「だってビアンカは、フィリップ様に内緒にして小部数作るのが良いって言って、でもダニエラはフィリップ様やパラディール家の許可をもらって、大々的に発表するのか良いって……ーー残ってるのはリアーヌだけじゃない」

 流行作りに参加しなかった例外の四人は、一つのテーブルに座りながら『スカーレット物語』の発行部数について話し合っていた。
 ダニエラと呼ばれた少女は、リアーヌたちよりも少し年上で、きびきびとした動きが特徴的なご令嬢だった。

 ーー今回のような少女たちだけが招かれるお茶会には、基本的に護衛は立ち入れない。
 会場の周りから見守るのが精一杯だ。
 しかし、それでも自分の娘に護衛をつけたいと思うならば、ダニエラのような訓練を受けた少女を付けるーーといったやり方もあるのだ。
 ーーもちろん護衛といえども参加者であり、少女であるならば恋の話で盛り上がることもあるようだった。

「絶対に大々的に刷るべきですよ! そしてゆくゆくは劇場で演じていただくんです!」
「……少なくとも結婚するまでは難しいと思われますが……?」

 瞳をキラキラと輝かせながら力説するダニエラに、ビアンカは頬を引きつらせながら「どうなのかしら……?」と言いたげに首を大きく捻った。

 例え名前や階級を濁したとしても“スカーレット”その単語だけで、誰を指しているのか、分かる者には分かってしまう。
 ーー節度ある距離感を保っていないと、すぐに不名誉な噂につながってしまう社交界では、婚約者同士であるからこそ、気を使うことが多いのだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

メイドを目指したお嬢様はいきなりのモテ期に困惑する

Hkei
恋愛
落ちぶれ子爵家の長女クレア・ブランドンはもう貴族と名乗れない程苦しくなった家計を助けるため、まだ小さい弟の為出稼ぎに行くことにする。 母の知り合いの公爵夫人の力を借りて住み込みのメイドになるクレア。 実家である程度家事もやっていたり、子爵令嬢としての教育も受けてるクレアはメイドとしては有能であった。 順調に第2の人生を送っていたのに招かざる来訪者が来てからクレアの周りは忙しくなる。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

【完結】教会で暮らす事になった伯爵令嬢は思いのほか長く滞在するが、幸せを掴みました。

まりぃべる
恋愛
ルクレツィア=コラユータは、伯爵家の一人娘。七歳の時に母にお使いを頼まれて王都の町はずれの教会を訪れ、そのままそこで育った。 理由は、お家騒動のための避難措置である。 八年が経ち、まもなく成人するルクレツィアは運命の岐路に立たされる。 ★違う作品「手の届かない桃色の果実と言われた少女は、廃れた場所を住処とさせられました」での登場人物が出てきます。が、それを読んでいなくても分かる話となっています。 ☆まりぃべるの世界観です。現実世界とは似ていても、違うところが多々あります。 ☆現実世界にも似たような名前や地域名がありますが、全く関係ありません。 ☆植物の効能など、現実世界とは近いけれども異なる場合がありますがまりぃべるの世界観ですので、そこのところご理解いただいた上で読んでいただけると幸いです。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

悪役令嬢は執事見習いに宣戦布告される

仲室日月奈
恋愛
乙女ゲームのイベント分岐の鐘が鳴った。ルート確定フラグのシーンを間近に見たせいで、イザベルは前世の記憶を思い出す。このままだと、悪役令嬢としてのバッドエンドまっしぐら。 イザベルは、その他大勢の脇役に紛れることで、自滅エンド回避を決意する。ところが距離を置きたいヒロインには好意を寄せられ、味方だと思っていた専属執事からは宣戦布告され、あれ、なんだか雲行きが怪しい……? 平和的に婚約破棄したい悪役令嬢のラブコメ。

【完結】転生白豚令嬢☆前世を思い出したので、ブラコンではいられません!

白雨 音
恋愛
エリザ=デュランド伯爵令嬢は、学院入学時に転倒し、頭を打った事で前世を思い出し、 《ここ》が嘗て好きだった小説の世界と似ている事に気付いた。 しかも自分は、義兄への恋を拗らせ、ヒロインを貶める為に悪役令嬢に加担した挙句、 義兄と無理心中バッドエンドを迎えるモブ令嬢だった! バッドエンドを回避する為、義兄への恋心は捨て去る事にし、 前世の推しである悪役令嬢の弟エミリアンに狙いを定めるも、義兄は気に入らない様で…??  異世界転生:恋愛 ※魔法無し  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

処理中です...