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(いや本当に……ーーエドガーがイルメラを庇って階段から落ちて、怪我をしたエドガーはトーナメント戦欠場……? これって……ーーあの二人がギクシャクしちゃう決定的なことだったりしない……⁇ ーーゲームの流れとしてはら階段から落ちそうになったサンドラを助けるてケガをしてしまう。 そのせいで大切なトーナメント戦に出れなくなってしまう。 そのことを気に病み、自分を責めるサンドラ、エドガーも最初はそんな彼女を気づかっていたが、そのケガが治ってからも成績が思うように上がらず、次第にサンドラの存在が煩わしくなっていってしまう……ーーそして、二年になりクラスも落ち、くすぶっていたところに入学してきた主人公と出会いーー……エドガーのエピソード、サンドラ主軸にして思い返すとけっこうなパンチ力あるな……? しかも主人公、最後の最後にサンドラに向かって「貴女の想いは恋心でも罪悪感でも無いわっ! 許されたいって自己愛よっ‼︎」とか……よく言えたもんだよ……ーーいや、その選択肢を選んだのは私なのですが……)

「やっぱりそうでしたのね……ーーけれど、先生も問題ないとおっしゃっていましたし……大事おおごとにならなくて良かったわね?」

 ホッとしたように胸を撫で下ろしながら言ったビアンカの言葉に、リアーヌは同意することが欠片も出来なかった。

(……大事おおごとなんですー。 ゲームシナリオ的にはとんでもない大事件になってるんですぅ……ーーあの二人がこの事件をきっかけにすれ違わないことが決定してしまいましたー! ……あの二人にとっては良いことだと思うんだよ? ケガなんかしないに越したことないし、すれ違いだってしないほうが良いーー……そもそも主人公がエドガールート行くとは決まってないから……ーーフィリップたちに引き続いて、2組目だけど……ーーいや、大体どいつもこいつも揃いも揃って「真実の愛に気がついてしまったんだ!」とか言って堂々と浮気してるわけだから、それでも見事に結ばれて見せろって話なわけで……ーーまぁ、私はこのゲームが箱推しで大好きだったわけなんですけど……立場が変わると見方も変わるよねぇー……)

「ーー大丈夫だよ。 もう一度ちゃんと口止めはしておくから……」

 黙り込んでしまったリアーヌをどう思ったのか、ゼクスが気遣わしげに語りかける。

「ぇ……? あー……はい……⁇」

(ーーあ、ギフトの話ですか? 回復バレちゃいましたよねー、的な⁇)

「ーー私どもにお任せいただければ、と……」

 二人の会話に、オリバーが恭しく頭を下げながら、口を挟む。
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