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「えっ⁉︎ 私いつ見捨てられるような状況になったんです⁉︎」
(えっ、だって確かにフィリップに妹だと思ってんだろ⁉︎ って突きつけちゃったけど、主人公が現れなきゃ婚約破棄まではいかない気がしない⁉︎ だったら私のやらかしって割とセーフな部類だと思ってるんですけど! ーー二人の間の愛情は時間が育んでくれるって信じてる……っ‼︎)
驚いて目を見開いているリアーヌにビアンカは呆れたような視線を向け、大きくため息を吐ながら言った。
「どなたに向かって、なにをして、どんなことを言ったのか、よくよく思い出して見たらいかがかしら?」
ビアンカの言葉にリアーヌは「どこのどなたに……」と呟きながら、先ほどのお茶会を思い返していた。
(だから私はフィリップに対してーー……フィリップに対して結構な暴言を吐いたような……? 確実にコイツって言ったし、指も突きつけたし……ーー割と煽った気もするなぁ……⁇ ーはっはーん? さては私の問題発言は、妹云々だけじゃ無いんだな……?)
自分の言動が問題だらけであったと、ようやく認識したリアーヌはヘラリ……と笑顔を貼り付けると首を傾げながら提案するように口を開いた。
「……次期公爵様の恋愛相談に乗っていたってことに……」
「おだまり」
「すみませんでしたぁ……」
そう言いながら、ぺしょりと肩を落としたリアーヌを呆れたように見つめ、ゼクスとビアンカは肩をすくめ合うのだった。
◇
お茶会から数日だった放課後。
ゼクスの思惑通り、ボスハウト家にもラッフィナート男爵家にもパラティール家からの抗議も苦情も届いてはいなかった。
そのことに大きく胸を撫で下ろしていたリアーヌだったが、今現在、それとは全くの別件でヨロヨロとよろめきながら帰路に着くために廊下を歩き続けていた。
「実技テストがこんなに長時間だなんて聞いてない……ーーついでに言うなら年2回だとも聞いてない……年末だけで良かったんじゃ無いですかねぇ……?」
「貴女にとっては朗報なのではなくて?」
ヨロヨロと歩くリアーヌの少し後ろから揶揄うようにビアンカは声をかけた。
ーー隣に並び立たないのは、こんなはしたない歩き方をしているリアーヌの連れであると認識されたくないという、ビアンカの強い意志の現れだった。
「はぁ⁉︎ どこが⁉︎ なんなら悲報ですけどっ!」
「貴女、失敗しなきゃ学習しないじゃない。 ここでしっかりと学んでおかないと本番の社交で恥をかく羽目になりますわよ」
リアーヌはビアンカの言う正論に返す言葉を失うと、喉の奥から捻り出すように「それはそうなんですけど……」と情けない声を出した。
(えっ、だって確かにフィリップに妹だと思ってんだろ⁉︎ って突きつけちゃったけど、主人公が現れなきゃ婚約破棄まではいかない気がしない⁉︎ だったら私のやらかしって割とセーフな部類だと思ってるんですけど! ーー二人の間の愛情は時間が育んでくれるって信じてる……っ‼︎)
驚いて目を見開いているリアーヌにビアンカは呆れたような視線を向け、大きくため息を吐ながら言った。
「どなたに向かって、なにをして、どんなことを言ったのか、よくよく思い出して見たらいかがかしら?」
ビアンカの言葉にリアーヌは「どこのどなたに……」と呟きながら、先ほどのお茶会を思い返していた。
(だから私はフィリップに対してーー……フィリップに対して結構な暴言を吐いたような……? 確実にコイツって言ったし、指も突きつけたし……ーー割と煽った気もするなぁ……⁇ ーはっはーん? さては私の問題発言は、妹云々だけじゃ無いんだな……?)
自分の言動が問題だらけであったと、ようやく認識したリアーヌはヘラリ……と笑顔を貼り付けると首を傾げながら提案するように口を開いた。
「……次期公爵様の恋愛相談に乗っていたってことに……」
「おだまり」
「すみませんでしたぁ……」
そう言いながら、ぺしょりと肩を落としたリアーヌを呆れたように見つめ、ゼクスとビアンカは肩をすくめ合うのだった。
◇
お茶会から数日だった放課後。
ゼクスの思惑通り、ボスハウト家にもラッフィナート男爵家にもパラティール家からの抗議も苦情も届いてはいなかった。
そのことに大きく胸を撫で下ろしていたリアーヌだったが、今現在、それとは全くの別件でヨロヨロとよろめきながら帰路に着くために廊下を歩き続けていた。
「実技テストがこんなに長時間だなんて聞いてない……ーーついでに言うなら年2回だとも聞いてない……年末だけで良かったんじゃ無いですかねぇ……?」
「貴女にとっては朗報なのではなくて?」
ヨロヨロと歩くリアーヌの少し後ろから揶揄うようにビアンカは声をかけた。
ーー隣に並び立たないのは、こんなはしたない歩き方をしているリアーヌの連れであると認識されたくないという、ビアンカの強い意志の現れだった。
「はぁ⁉︎ どこが⁉︎ なんなら悲報ですけどっ!」
「貴女、失敗しなきゃ学習しないじゃない。 ここでしっかりと学んでおかないと本番の社交で恥をかく羽目になりますわよ」
リアーヌはビアンカの言う正論に返す言葉を失うと、喉の奥から捻り出すように「それはそうなんですけど……」と情けない声を出した。
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