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(えっ真珠パック凄すぎない⁉︎ とぅるっとぅるなんですけど⁉︎ ーーだった一回で? 効果速攻で効果てきめん⁇ ーーもはや魔法じゃん⁉︎)

 次の日の朝、洗顔で触った自分の肌があり得ないほどなめらかになっていることに気がついたリアーヌは、鏡に映る自分の顔を確認しながら、もちもちと自分の頬を何度も揉み込み、なめらかな手触りと弾力感を楽しんでいる。
 心なしか、いつもより肌に透明感が増してい流ように見え、しかし頬と唇は赤みが増しているように見えた。

(ーー血色感までアップしている気がする……これ絶対買い漁って帰ろ。 母さんやビアンカのお土産はこれに決まりだ……!)

 そう考えたのはリアーヌだけではなかったらしく、約束通り朝市へ繰り出したリアーヌに付き添うはずだったアンナは、リアーヌをだいぶ疎かにしながらさまざまな店でさまざまな真珠の粉を買い漁り始めたのだったーー

(アンナさんグッジョブです! その調子で大奥様や屋敷のみんなの分の確保もお願いしますっ!)

 ただ一人、蔑ろにされているはずのリアーヌだけが上機嫌でそんなアンナの背中を見つめていた。

 そして、アンナの注意がリアーヌから逸れたことにより、リアーヌにとっては嬉しい誤算が生じることになったーー



「おっちゃん、そっちのエビも食べたい!」
「あいよー!」

 リアーヌの熱視線に折れたゼクスが、休憩がてらにと選んだのは、朝市の通りにある、持ち込み可能な海鮮焼き屋だった。
 簡素なテーブルと椅子がずらりと並び、テーブルの上にはコンロが置かれていて、客自身が食材を好きに焼けるようになっていた。
 店の奥には大きなグリルで焼かれたさまざまな海産物が所狭しと並んでいて、パチパチじゅわじゅわと焼けるいい音と香ばしい匂いが食欲をそそる。
 野菜やチーズ、さらには肉まで売っているあたり、ここの店主もだいぶ商売人のようだった。

「あとねぇー……」

 店の奥の大きなグリルの前に陣取ったリアーヌは腕を組みながらギラギラと瞳を輝かせて食材を選んでいく。

「ーーリアーヌそのくらいにしたら? 朝ご飯食べられなくなっちゃうよ⁇」

 アンナがいない今、リアーヌを止められる者はゼクスしかいない。
 なぜ自分が……と内心でグチりながらも、アンナがいれば言っていたであろう注意の言葉を口にする。

「……もうここで朝ご飯でよくありません?」
「ーーよく……は、無いかもよー?」

 ゼクスは援護射撃を求めるようにチラリと後ろに視線を送った。
 そこに立っていたのは、アンナが完全に別行動で真珠の粉を買い漁りに行っている今、一人でリアーヌを守っている護衛のオリバーだった。
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