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リアーヌがそう考えると同時に、その背後から感嘆のため息と共に楽しげな声がかかる。
「まぁまぁ、こんなに濃い色のピンクダイヤ初めて見ましたわ!」
通常、このようなタイミングでメイドが勝手に発言をすることは許されない。
しかしそのメイドは、コレットの軽い咳払いで嗜められただけだった。
ーーそれもそのはずで、この発言は、リアーヌに『これがピンク色のダイヤモンドであり、とんでもなく高価である』と伝える意味合いがとても大きかった。
「ダッ⁉︎」
メイドがもたらしたその情報に、言葉を詰まらせつつギョッと目を見開いて、テーブルの上のアクセサリーたちを凝視するリアーヌ。
(ーーえっこの大きさでダイヤモンド……? あれ⁇ 色付きのダイヤモンドってめっちゃ高かったような……)
「ーーえっ……こんなの怖くてつけてられない……」
アクセサリーを見つめながら、少し顔色を悪くしたリアーヌはポソリと呟く。
(万が一盗まれたり、無くしたらどうするの⁉︎ これこそ家から出しちゃいけないヤツじゃん⁉︎)
「えーつけてよー。 ……気に入らないわけじゃないだろ?」
ゼクスはリアーヌの顔を覗き込みながら、冗談めかしてたずねる。
しかしその瞳には(本当に気に入らなかったのだろうか……?)と、少しの不安が入り混じっていた。
「そりゃそうなんですけど……でも落としたら大変だし……ーーこのダイヤ、本番はガラスに変えちゃいます⁉︎」
それなら安心できる! と、顔を輝かせるリアーヌに、口の中に砂利を詰め込まれたような顔を向けるゼクス。
「それはうちの評判にも関わっちゃうからさ……?」
「ーー確かに?」
(ラッフィナート家が婚約者に贈ったアクセサリーがガラス製でしたー。 とか、わりと大きめのスキャンダルになりそう……)
「……そのワンピースもよく似合ってる。 だから、あのドレスもこのアクセサリーもきっと似合うと思うんだ」
そっとリアーヌの指先に自分の指先を重ねて、照れ臭そうに、しかし優しく微笑むゼクス。
「ゼクス様……」
「ーーなんたってこの俺が選んだし!」
そう言いながらパッと手を離し、意味もなく首の後ろを撫で付ける。
そんなゼクスを隣で見ていたリアーヌは気がついてしまった。
その耳が赤く染まっていることに。
(ーー……は? ーー……はぁ⁉︎ なにこのゼクス⁉︎ ギャンカワなんだけど⁉︎ ーーえっ実はゲームの中でも、主人公にチャラいこと言いながらも照れて耳赤くしてたってこと……⁉︎ ーーはぁ……? ーー好きっ‼︎)
「……それにさ? プレゼントって、大喜びしてもらうのが一番のお返しだと思うんだよね……?」
頬を染めたリアーヌにジッと見つめられていることに気がついたゼクスは、気恥ずかしそうに、しかしどこか満足気に、口元をによによと動かしながら声をひそめた。
「まぁまぁ、こんなに濃い色のピンクダイヤ初めて見ましたわ!」
通常、このようなタイミングでメイドが勝手に発言をすることは許されない。
しかしそのメイドは、コレットの軽い咳払いで嗜められただけだった。
ーーそれもそのはずで、この発言は、リアーヌに『これがピンク色のダイヤモンドであり、とんでもなく高価である』と伝える意味合いがとても大きかった。
「ダッ⁉︎」
メイドがもたらしたその情報に、言葉を詰まらせつつギョッと目を見開いて、テーブルの上のアクセサリーたちを凝視するリアーヌ。
(ーーえっこの大きさでダイヤモンド……? あれ⁇ 色付きのダイヤモンドってめっちゃ高かったような……)
「ーーえっ……こんなの怖くてつけてられない……」
アクセサリーを見つめながら、少し顔色を悪くしたリアーヌはポソリと呟く。
(万が一盗まれたり、無くしたらどうするの⁉︎ これこそ家から出しちゃいけないヤツじゃん⁉︎)
「えーつけてよー。 ……気に入らないわけじゃないだろ?」
ゼクスはリアーヌの顔を覗き込みながら、冗談めかしてたずねる。
しかしその瞳には(本当に気に入らなかったのだろうか……?)と、少しの不安が入り混じっていた。
「そりゃそうなんですけど……でも落としたら大変だし……ーーこのダイヤ、本番はガラスに変えちゃいます⁉︎」
それなら安心できる! と、顔を輝かせるリアーヌに、口の中に砂利を詰め込まれたような顔を向けるゼクス。
「それはうちの評判にも関わっちゃうからさ……?」
「ーー確かに?」
(ラッフィナート家が婚約者に贈ったアクセサリーがガラス製でしたー。 とか、わりと大きめのスキャンダルになりそう……)
「……そのワンピースもよく似合ってる。 だから、あのドレスもこのアクセサリーもきっと似合うと思うんだ」
そっとリアーヌの指先に自分の指先を重ねて、照れ臭そうに、しかし優しく微笑むゼクス。
「ゼクス様……」
「ーーなんたってこの俺が選んだし!」
そう言いながらパッと手を離し、意味もなく首の後ろを撫で付ける。
そんなゼクスを隣で見ていたリアーヌは気がついてしまった。
その耳が赤く染まっていることに。
(ーー……は? ーー……はぁ⁉︎ なにこのゼクス⁉︎ ギャンカワなんだけど⁉︎ ーーえっ実はゲームの中でも、主人公にチャラいこと言いながらも照れて耳赤くしてたってこと……⁉︎ ーーはぁ……? ーー好きっ‼︎)
「……それにさ? プレゼントって、大喜びしてもらうのが一番のお返しだと思うんだよね……?」
頬を染めたリアーヌにジッと見つめられていることに気がついたゼクスは、気恥ずかしそうに、しかしどこか満足気に、口元をによによと動かしながら声をひそめた。
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