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「ーーえっ最初から派閥に入るって話だったの⁉︎」
パンを齧ろうとあんぐりと口を開けたまま、驚愕に目を見開くリアーヌ。
ゼクスと別れ、売店で手軽に食べられるパンやフルーツを買った二人は、いつものベンチに座って、ようやく少し遅めの昼食をとっていた。
「そうよ」
ビアンカもパンを食べてはいたが、こちらはお行儀よく、一口大にちぎったものをゆっくりと口に運んでいた。
「ちょっと力貸してー、くらいの話なのかと……」
「だからあんなにあっさり断ってたのね……ーー貴女、腹も立てずに何度も誘って下さったラッフィナート殿に感謝しなさい……?」
「何度も……? ーーでも怒らせなくってよかったぁ……ーーあれ? まさか明日からパラディール様からも嫌がらせを……?」
(すでにミストラル家とシャルトル家だけで手一杯だっていうのに、ここにさらにパラディール家が……⁉︎)
サァ……と顔を青ざめさせるリアーヌにビアンカは呆れたように息を吐くと「するわけないでしょ」と投げやりに言った。
「あれだけ明確にラッフィナート家に付いたんだからいやが……ーー可愛らしい悪戯の対象にはならないわ」
肩をすくめて話していたビアンカだったが、ベンチのそばを人が通りかかったったのを見て慌てて悪戯だと言い繕った。
「そうなんだ……ーーでもラッフィナート家って、ものすごいお金持ちだけど身分は平民じゃん? ……派閥のトップとかなり得るの⁇」
(……ゲームでそんな描写無かった気がするけど……ーーまぁ、そこそこ貴族じゃ相手にもならないほどのお金持ちなわけだから、守る力もそれなりに持ってる……のかなぁ?)
「表向きはなり得ないわね……」
「表向き……」
リアーヌはそう呟き、持っていたパンにかぶりつく。
「けれど、パラディール公爵家とやり合えるだけの財力を持ってるの。 それも爵位もなしに……これで派閥が作れなかったら、うちの国の派閥は五本の指に収まってしまうわね」
「ーー確かに……」
自分の話に素直に納得するリアーヌに、少し目を細めたビアンカは、呆れたように少し肩をすくめながらさらに続けた。
「……でもあくまでも本格的にやりあったらパラディール家には勝てないのよ?」
「ーーえっそうなの⁉︎ でもめっちゃ自信満々だったよ⁉︎」
「そりゃ、ラッフィナート家と本気でやりあったらパラディール家だって無傷じゃいられないもの。 その選択をパラディール家が選ばない、そんなギリギリの所でやりあってるのよ」
「商人というより、ギャンブラーよ……」とため息混じり続け、ビアンカはブドウを一粒口に入れた。
「パラディール公爵家だもんねぇ……そりゃ人脈も凄いのか……」
「ーー人脈だけでいうならラッフィナート家も凄いとは思いますけどね……」
「そうなの?」
「そりゃ我々貴族とはまた違った人脈よ? でも国で一番の商家ですからね……文字通り、国中に支店を持つあの家の情報網はとてつもないですし……それに加えて貴族や王族とも繋がりがあるーー」
「……で、とんでもない財力……ーー十分、派閥作れちゃうね?」
(さすがは長年貴族になれと圧をかけられ続けてる大商家様やで……ーーそんな所に就職できるかもしれない私ってば超ラッキーガールなのでは⁉︎)
パンを齧ろうとあんぐりと口を開けたまま、驚愕に目を見開くリアーヌ。
ゼクスと別れ、売店で手軽に食べられるパンやフルーツを買った二人は、いつものベンチに座って、ようやく少し遅めの昼食をとっていた。
「そうよ」
ビアンカもパンを食べてはいたが、こちらはお行儀よく、一口大にちぎったものをゆっくりと口に運んでいた。
「ちょっと力貸してー、くらいの話なのかと……」
「だからあんなにあっさり断ってたのね……ーー貴女、腹も立てずに何度も誘って下さったラッフィナート殿に感謝しなさい……?」
「何度も……? ーーでも怒らせなくってよかったぁ……ーーあれ? まさか明日からパラディール様からも嫌がらせを……?」
(すでにミストラル家とシャルトル家だけで手一杯だっていうのに、ここにさらにパラディール家が……⁉︎)
サァ……と顔を青ざめさせるリアーヌにビアンカは呆れたように息を吐くと「するわけないでしょ」と投げやりに言った。
「あれだけ明確にラッフィナート家に付いたんだからいやが……ーー可愛らしい悪戯の対象にはならないわ」
肩をすくめて話していたビアンカだったが、ベンチのそばを人が通りかかったったのを見て慌てて悪戯だと言い繕った。
「そうなんだ……ーーでもラッフィナート家って、ものすごいお金持ちだけど身分は平民じゃん? ……派閥のトップとかなり得るの⁇」
(……ゲームでそんな描写無かった気がするけど……ーーまぁ、そこそこ貴族じゃ相手にもならないほどのお金持ちなわけだから、守る力もそれなりに持ってる……のかなぁ?)
「表向きはなり得ないわね……」
「表向き……」
リアーヌはそう呟き、持っていたパンにかぶりつく。
「けれど、パラディール公爵家とやり合えるだけの財力を持ってるの。 それも爵位もなしに……これで派閥が作れなかったら、うちの国の派閥は五本の指に収まってしまうわね」
「ーー確かに……」
自分の話に素直に納得するリアーヌに、少し目を細めたビアンカは、呆れたように少し肩をすくめながらさらに続けた。
「……でもあくまでも本格的にやりあったらパラディール家には勝てないのよ?」
「ーーえっそうなの⁉︎ でもめっちゃ自信満々だったよ⁉︎」
「そりゃ、ラッフィナート家と本気でやりあったらパラディール家だって無傷じゃいられないもの。 その選択をパラディール家が選ばない、そんなギリギリの所でやりあってるのよ」
「商人というより、ギャンブラーよ……」とため息混じり続け、ビアンカはブドウを一粒口に入れた。
「パラディール公爵家だもんねぇ……そりゃ人脈も凄いのか……」
「ーー人脈だけでいうならラッフィナート家も凄いとは思いますけどね……」
「そうなの?」
「そりゃ我々貴族とはまた違った人脈よ? でも国で一番の商家ですからね……文字通り、国中に支店を持つあの家の情報網はとてつもないですし……それに加えて貴族や王族とも繋がりがあるーー」
「……で、とんでもない財力……ーー十分、派閥作れちゃうね?」
(さすがは長年貴族になれと圧をかけられ続けてる大商家様やで……ーーそんな所に就職できるかもしれない私ってば超ラッキーガールなのでは⁉︎)
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