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ファンタジーパロ
■淫紋のご利用は計画的に_02
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「あー…………いや、俺ッて超我慢強いほうだし? ココで我慢できなかッたら色々と無駄になるだろ? そーそー、ヘーキヘーキ。チョオーへーキィ」
早口で捲し立て、自分を宥める。
ナオに使用している淫紋は他者が触れば触るほど感度が増すのだからむしろ好都合だろうと、この後のお遊びを考えて堪える。
自然と目線がナオより離れたが、お揃いで髪飾りにしている白花から音声だけは拾い上げられていた。
淫紋同様に使用時間や一定距離までと制限はつくものの、術の込められた白花は特定範囲内にある同じ花の付近で発生する音を拾うことができる。先程からこれでロキは離れた位置のナオの声を聞いていた。
「ッ――――ん、っ……っ」
くぐもった吐息が花から洩れる。
衣擦れの音は騒がしく、香りでも嗅いでいるだろう荒い息遣い。音だけでも二十分に豚の盛り具合が窺えた。
ナオはロキのお願いを聞き続けその場から動くと言う選択肢を選ばないため、なにをされても豚の膝にいるしかないようだ。
「なに? どうしてッ……ふ、はぁっだめ、だよ……」
上擦った拒絶はどうせ豚を煽るだけで、実際に次の瞬間聞こえてきた声は豚が調子に乗っている証拠だった。
「ッ! え、っ……待って。本当に、駄目なんだよ? 君は僕の弟じゃ――ッ!」
「大丈夫大丈夫。手退かして」
「――――っ、っ……や、だ。ロキじゃないから、んっ! っ!」
「愛人契約? なら私に変えない? 可愛いからいまの額の倍出しますよ」
「っ、愛人? 違うよ、僕とロキは、兄弟で……っう」
「そういうのが好き? いいよいいよ、ならお父様と呼んで」
「えっ、僕の家族はロキだけだよ……?」
「弟も一緒に買いますから。きみの弟ならきみに似て可愛いだろうし。いやー、すごい色白だね」
「ッ――……!」
「はー……反応もいいなあ」
でれでれとした気持ち悪い猫撫で声と精力的な鼻息にロキは頭痛を感じた。ナオの声が混ざっていなければ即座に花を握り潰しただろう。
「今のご主人さまにどんな風に躾けられてる? 話聞かせてくれたらお金増やすよ? 心配しなくて大丈夫。こっちで交渉するから」
「ァ、っ……! ん、っん」
「きみも好きだからここにいるんでしょ? それともご主人さまに言われてる?」
「ひあッ、っ――っ、だめ……ロキ以外、触ったらっ――――っ……」
「兄弟で相手してるの? いいね、ご主人さま羨ましいなあ」
「っ、ロキを、待ってるから……もう離してっ、っん、あッ……!」
下品な水音が混ざり、豚の声がくぐもる。咀嚼しながら喋る時と同じ発音になり、ナオの反応も強まった。
淫紋は性的な目的で使う紋なのだから、性的な接触が深まれば効果も強まる。他者との僅かな触れ合いですら感度が上がるならああも欲望剥き出しの露骨な接触となれば効果は十分だろう。
「やだ……っ、帰って、っ僕はロキを待ってるから……」
「処女じゃないでしょう? え? 泣いちゃった? うわー反応いいね。いいなあ」
「っ、なに……っ、ぁ」
衣擦れの音が大きくなり、雑音が増える。
「な、んで、っ……やだ……悪い子になるから、だめだよ、っ……」
「兄弟で買うから交渉させてくれません?」
「僕も、っロキも売り物じゃないよ……買うなら、ロキと話して……はあ、っ、売り物はあるから」
ナオはロキの扱う奴隷のことを言ってるつもりなのだろうが豚は勘違いをしたらしい。
明らかに声を明るくさせた。早口でナオへと喋り出し、一人で悦に浸る。
「あの、だから僕じゃなくて、僕は売ってな――――んぅ、っぐ……ん!」
興奮気味の豚にナオが再度説明し直そうとして、言葉が切れた。
脊髄反射でロキが振り返れば豚の脂ぎった唇がナオに噛み付いていた。ブヒブヒとまさに鳴き声でも聞こえてきそうな食らいつき方だが、豚のほうがまだ上品な食事をする気もした。
都合良く、時間切れか花から音が途切れた。粘着質な音は聞こえなくなったが、ナオの顔を太い手で押さえて唾液を貪る豚の姿を見ると下卑た音がロキの脳裏に再生された。
ロキはグラスの中身を一気に仰ぐ。そこまで度数は高くないものの、酒とは異なる風味が舌を微かに痺れさせた。
舌根に滲む違和感を無視してグラスを放り、ロキは大股に卑猥な空気を裂く。
大股に席へと近付き、豚の真横に蹴りを入れた。靴底が、固い背もたれを削る。
「にーいさまッ。お待たせ」
乱入者に茫然とする豚を無視してロキはナオの腕を引っ張った。
「ッう゛、げほ、っ……っごほ、っ」
「超きッたねーな。ほら、拭いて兄様」
「んむ、っう、っ……」
自分のではなく、ナオの服の長い袖でロキは兄のべたついた口元を拭う。ふと、そこでナオの服が思った以上に乱れているのに気付いた。前の釦ほぼ外され、ズボンがない。見れば、床にぞんざいに落ちており、靴も片足転がっていた。ナオの足元を見れば一足しか履いていない。
つまりは下もある程度触れられたのだろう。
「どーも、弟です。俺の兄様のお留守相手してくださったみたいで……」
ロキは眼を細めて相手を見下した。
隠す気もなく、殺気を込めて見下した。
「俺の兄様、超可愛いから勘違いするかもだけど、売りモンじゃねーのよ」
裾を捲り、ナオの服の中にするすると右腕を忍ばせロキは笑顔を作る。
「コレ弟専用。超すみませんねー」
「はっロキ、っ――……!」
白い内腿を撫でて、豚に見せ付けて女とは違う柔さを持つ臀部を揉んだ。柔らかく撫でたり、強めに鷲掴んだりと尻肉を揉みしだけばナオの肩が跳ね、足に力がこもる。
乱れた息を間近で感じつつ、ロキは目を丸くする豚の前で兄弟仲を主張した。
「兄様。寂しかッた?」
「はっ、っうん……寂しかったよ、っはあ……」
「俺もお仕事忙しかッたの。許してくれる?」
「お疲れ様ロキ……んっ、大変、だったねっ……っ、ぁッ――っ、!」
既にある程度解してある内側に中指を滑り込ませれば、ナオの足先が突っ張った。
「ふあっ、っん……ロキ、怒ってる?」
「にーさま。なんであんな奴に触らせたの?」
「んっ、ぁ、違うよ。触らせたんじゃなくて、ロキが動いちゃ駄目って言ったから……はあ、っ僕、待ってただけで」
「待ッてただけならいやッて断ればよかッただろ」
「ごめんなさい。っ、ん……断ったけど、はあ……やめて、くれなくて……」
「兄様が喜んだからじゃねーの?」
「っ! ん、ぅッ――……!」
内側を湿らせる催淫剤を含んだ軟膏を利用して浅い部分を指の腹で擦る。
愛撫ではなくただ音が響くようにぞんざいに弄り回すが、淫紋の効果もあり雑なそれにも兄は色を誘う反応を示した。
「ふ、っん、ッ、んっ……」
躾の賜物か、ナオは反射的に閉じないよう震える足に力を込める。そのせいで余計にロキの指の形を感じ、吐息を深めた。
「ほら、喜んでんじゃん」
「はっ……はあ、っご、めんなさい……っん、っでも」
「なーに?」
「ロキに触られるのが、っはあ、っ……一番気持ちいいから……」
「そんなの超当たり前だろ兄様。兄様のことは俺が一番知ッてんだから」
「ひあっ――――ぁ! っ、んん!」
指を増やして奥を引っ掻けばナオの背が反った。感度の上げられた身体はいつもよりも敏感で、少しの意地悪で面白いほど反応する。
唇を噛み締めて悶えるナオの姿に豚が生唾を飲むが、それを完全に無視してロキは続けた。
「にーさま。実は俺もお薬飲んじゃッた」
「ふ、っはあ……お酒と、っはあ、混ざってるの?」
「そッ。思ッたよりキツくてさ」
「はあっ可哀想だね。大丈夫……?」
ナオの手が降りてきて、布地の上から熱に触れる。
早口で捲し立て、自分を宥める。
ナオに使用している淫紋は他者が触れば触るほど感度が増すのだからむしろ好都合だろうと、この後のお遊びを考えて堪える。
自然と目線がナオより離れたが、お揃いで髪飾りにしている白花から音声だけは拾い上げられていた。
淫紋同様に使用時間や一定距離までと制限はつくものの、術の込められた白花は特定範囲内にある同じ花の付近で発生する音を拾うことができる。先程からこれでロキは離れた位置のナオの声を聞いていた。
「ッ――――ん、っ……っ」
くぐもった吐息が花から洩れる。
衣擦れの音は騒がしく、香りでも嗅いでいるだろう荒い息遣い。音だけでも二十分に豚の盛り具合が窺えた。
ナオはロキのお願いを聞き続けその場から動くと言う選択肢を選ばないため、なにをされても豚の膝にいるしかないようだ。
「なに? どうしてッ……ふ、はぁっだめ、だよ……」
上擦った拒絶はどうせ豚を煽るだけで、実際に次の瞬間聞こえてきた声は豚が調子に乗っている証拠だった。
「ッ! え、っ……待って。本当に、駄目なんだよ? 君は僕の弟じゃ――ッ!」
「大丈夫大丈夫。手退かして」
「――――っ、っ……や、だ。ロキじゃないから、んっ! っ!」
「愛人契約? なら私に変えない? 可愛いからいまの額の倍出しますよ」
「っ、愛人? 違うよ、僕とロキは、兄弟で……っう」
「そういうのが好き? いいよいいよ、ならお父様と呼んで」
「えっ、僕の家族はロキだけだよ……?」
「弟も一緒に買いますから。きみの弟ならきみに似て可愛いだろうし。いやー、すごい色白だね」
「ッ――……!」
「はー……反応もいいなあ」
でれでれとした気持ち悪い猫撫で声と精力的な鼻息にロキは頭痛を感じた。ナオの声が混ざっていなければ即座に花を握り潰しただろう。
「今のご主人さまにどんな風に躾けられてる? 話聞かせてくれたらお金増やすよ? 心配しなくて大丈夫。こっちで交渉するから」
「ァ、っ……! ん、っん」
「きみも好きだからここにいるんでしょ? それともご主人さまに言われてる?」
「ひあッ、っ――っ、だめ……ロキ以外、触ったらっ――――っ……」
「兄弟で相手してるの? いいね、ご主人さま羨ましいなあ」
「っ、ロキを、待ってるから……もう離してっ、っん、あッ……!」
下品な水音が混ざり、豚の声がくぐもる。咀嚼しながら喋る時と同じ発音になり、ナオの反応も強まった。
淫紋は性的な目的で使う紋なのだから、性的な接触が深まれば効果も強まる。他者との僅かな触れ合いですら感度が上がるならああも欲望剥き出しの露骨な接触となれば効果は十分だろう。
「やだ……っ、帰って、っ僕はロキを待ってるから……」
「処女じゃないでしょう? え? 泣いちゃった? うわー反応いいね。いいなあ」
「っ、なに……っ、ぁ」
衣擦れの音が大きくなり、雑音が増える。
「な、んで、っ……やだ……悪い子になるから、だめだよ、っ……」
「兄弟で買うから交渉させてくれません?」
「僕も、っロキも売り物じゃないよ……買うなら、ロキと話して……はあ、っ、売り物はあるから」
ナオはロキの扱う奴隷のことを言ってるつもりなのだろうが豚は勘違いをしたらしい。
明らかに声を明るくさせた。早口でナオへと喋り出し、一人で悦に浸る。
「あの、だから僕じゃなくて、僕は売ってな――――んぅ、っぐ……ん!」
興奮気味の豚にナオが再度説明し直そうとして、言葉が切れた。
脊髄反射でロキが振り返れば豚の脂ぎった唇がナオに噛み付いていた。ブヒブヒとまさに鳴き声でも聞こえてきそうな食らいつき方だが、豚のほうがまだ上品な食事をする気もした。
都合良く、時間切れか花から音が途切れた。粘着質な音は聞こえなくなったが、ナオの顔を太い手で押さえて唾液を貪る豚の姿を見ると下卑た音がロキの脳裏に再生された。
ロキはグラスの中身を一気に仰ぐ。そこまで度数は高くないものの、酒とは異なる風味が舌を微かに痺れさせた。
舌根に滲む違和感を無視してグラスを放り、ロキは大股に卑猥な空気を裂く。
大股に席へと近付き、豚の真横に蹴りを入れた。靴底が、固い背もたれを削る。
「にーいさまッ。お待たせ」
乱入者に茫然とする豚を無視してロキはナオの腕を引っ張った。
「ッう゛、げほ、っ……っごほ、っ」
「超きッたねーな。ほら、拭いて兄様」
「んむ、っう、っ……」
自分のではなく、ナオの服の長い袖でロキは兄のべたついた口元を拭う。ふと、そこでナオの服が思った以上に乱れているのに気付いた。前の釦ほぼ外され、ズボンがない。見れば、床にぞんざいに落ちており、靴も片足転がっていた。ナオの足元を見れば一足しか履いていない。
つまりは下もある程度触れられたのだろう。
「どーも、弟です。俺の兄様のお留守相手してくださったみたいで……」
ロキは眼を細めて相手を見下した。
隠す気もなく、殺気を込めて見下した。
「俺の兄様、超可愛いから勘違いするかもだけど、売りモンじゃねーのよ」
裾を捲り、ナオの服の中にするすると右腕を忍ばせロキは笑顔を作る。
「コレ弟専用。超すみませんねー」
「はっロキ、っ――……!」
白い内腿を撫でて、豚に見せ付けて女とは違う柔さを持つ臀部を揉んだ。柔らかく撫でたり、強めに鷲掴んだりと尻肉を揉みしだけばナオの肩が跳ね、足に力がこもる。
乱れた息を間近で感じつつ、ロキは目を丸くする豚の前で兄弟仲を主張した。
「兄様。寂しかッた?」
「はっ、っうん……寂しかったよ、っはあ……」
「俺もお仕事忙しかッたの。許してくれる?」
「お疲れ様ロキ……んっ、大変、だったねっ……っ、ぁッ――っ、!」
既にある程度解してある内側に中指を滑り込ませれば、ナオの足先が突っ張った。
「ふあっ、っん……ロキ、怒ってる?」
「にーさま。なんであんな奴に触らせたの?」
「んっ、ぁ、違うよ。触らせたんじゃなくて、ロキが動いちゃ駄目って言ったから……はあ、っ僕、待ってただけで」
「待ッてただけならいやッて断ればよかッただろ」
「ごめんなさい。っ、ん……断ったけど、はあ……やめて、くれなくて……」
「兄様が喜んだからじゃねーの?」
「っ! ん、ぅッ――……!」
内側を湿らせる催淫剤を含んだ軟膏を利用して浅い部分を指の腹で擦る。
愛撫ではなくただ音が響くようにぞんざいに弄り回すが、淫紋の効果もあり雑なそれにも兄は色を誘う反応を示した。
「ふ、っん、ッ、んっ……」
躾の賜物か、ナオは反射的に閉じないよう震える足に力を込める。そのせいで余計にロキの指の形を感じ、吐息を深めた。
「ほら、喜んでんじゃん」
「はっ……はあ、っご、めんなさい……っん、っでも」
「なーに?」
「ロキに触られるのが、っはあ、っ……一番気持ちいいから……」
「そんなの超当たり前だろ兄様。兄様のことは俺が一番知ッてんだから」
「ひあっ――――ぁ! っ、んん!」
指を増やして奥を引っ掻けばナオの背が反った。感度の上げられた身体はいつもよりも敏感で、少しの意地悪で面白いほど反応する。
唇を噛み締めて悶えるナオの姿に豚が生唾を飲むが、それを完全に無視してロキは続けた。
「にーさま。実は俺もお薬飲んじゃッた」
「ふ、っはあ……お酒と、っはあ、混ざってるの?」
「そッ。思ッたよりキツくてさ」
「はあっ可哀想だね。大丈夫……?」
ナオの手が降りてきて、布地の上から熱に触れる。
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