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最強へ
これからも
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「ん~風が気持ちいい。なんだかんだ最近は忙しかったから、ここののんびり感が落ち着くね」
私たちは最初に冒険者になった町まで戻ってきた。最初に門から見た時と同じく、少し開けて無限に広がるここからの景色は私の中で1番だ。
でもあの頃と違って今は仲間がいっぱいいる。逆にドーラは最初から居てくれてるけどね。
とりあえず宿に重い荷物を預けて森に向かう。
魔王が倒されたからか全然魔物は出てこなかった。仕事うばっちゃった感じがして少し申し訳ないかも……。ま、平和になったなら良い事だよね。うん。
お日様に照らされながら歩いてると、すぐに森が見えてくる。
「あっ何か分かりませんが魔物が近くにいますね」
「今日の初魔物だ。ここら辺に強い魔物はいないはずだけど気を付けないと」
「ですね。おいでワンコロ」
リリアちゃんが使い魔を召喚すると同時に敵の姿が見えてくる。ってゴブリンじゃん。緊張が解けて腕がダラットなる。
当然ワンコロに全滅させられて、魔石を残して体は消えていった。
「そういえばリリアちゃんゴブリンから逃げてた時に最初に会ったんだよね~」
「む。その話は恥ずかしいので思い出さなくていいですよ!」
あはは。怒らせちゃった。かわいい思い出なんだからそんなに怒らなくてもいいのに。
「ってそうじゃありません。せっかくここに呼んだのはミズキさんに勝負を挑むためです。たのもー!」
「えっ、じゃあギルドの試験場でも借りたら良かったのに」
「あんな所でやると人が集まって集中できないじゃないですか。ま、普通に懐かしみに来たってのもありますけどね」
あ~確かに。それなら断る理由はない。もちろん受けて立つよ。
お互いに少し離れるように立ってコインを上に投げる。
「私はずっとミズキさんの後を追いかけるばかりでした。でも今日、私はあなたに追いつき……いえ、あなたを追い越します!」
「ただの子供だった私はリリアちゃんがいてくれたから強くなれたの。君と育てた私の力、君に見せてあげる!」
チャリン。
音が聞こえた瞬間に自分の使い魔を出した。
「魔法の力を見せつけて! お願いドルちゃん!」
「無限の体力で押しきっちゃえ! 行くよサンド!」
念力を使った相手の投石を左手で押さえつつ、サンドの大きくて太い右手でドルちゃんを薙ぎ払おうとする。
ドルちゃんなら……右に避けるはず!
「追撃だよサンド! 左手でさらに右に攻撃!」
「ミズキさんなら追撃してくるはずです! 一度後ろに引いて!」
その後も一進一退でどっちも有効な一撃を決められない。
リリアちゃんの考え方は私が全部知り尽くしてる。
ミズキさんの行動なんて私には丸わかりです。
や、やりにくい! 今までで1番強い相手になるかも。
魔道具を使うのは卑怯な気がするから封印してたけど……。
「サンド! 圧倒的な力で攻めるよ。巨大化!」
これで勝てるはず! と思ったらリリアちゃんがカバンから何かを取り出した。まさか……。
「ミズキさんが使うなら私も一緒にさせてもらいます! ドルちゃん」
リリアちゃんが投げた腕輪をドルちゃんは器用にキャッチ。あれは……魔力量を一時的に爆増させるやつか。
お互い考える事は同じ。今までの思い出を懸命に思い出して、相手の思考を読もうとする。
さっきよりも巨大な体で、さっきよりも強い魔術で。
そして……なんとか私が勝った。とはいってもサンドの体は削れてるし魔力は空っぽ。もう戦わせる事は出来ないからおあいこかな。
まさかの兄弟対決。この子達はよくケンカしてたから、この勝負に張り切ってるみたい。
火が燃え、木の葉が舞う。
「いたっ」
グリーンの光線にほこりが巻き上げられて目に入った。リリアちゃんは目をつぶった一瞬の隙を見逃してはくれなかった。
大きく開いたレッドの口から太陽のような火球が放たれる。でもリリアちゃんも少し焦っちゃったのかな。これなら私は負けない!
「グリーン。大きくジャンプしてレッドに抱き着いて!」
いつも拳でしか語った事のないレッドという事でグリーンが少し嫌そうな表情で飛んでいく。ごめんね。
火球がグリーンに当たって爆発がレッドまでをも飲み込む。向こうには目を見開いたリリアちゃん。
「やりますね……。この子を最後に残しておいて良かったです。おいで私の相棒、ワンコロ!」
「こんな所も考える所は一緒か。私の親友の君なら勝てるでしょ? ドーラ、最後を任せるね!」
私が冒険者になる前から隣にいてくれたドーラ。今までおあいこだったけど、この子なら勝てるって信じられる。
ふさふさの毛に小さな体。でもその中には誰よりも強い力がある。ドーラの全力を見せて?
今の私の心の声は聞こえてないはずだけど、ドーラは少しだけ後ろを向いて小さくうなずく。
「空に飛んで攻撃を回避するよ!」
「魔剣の力を使えば届きます。ワンコロの剣さばきは強いですよ!」
ドーラの魔法をワンコロは剣を使ってはじき返す。あわてて避けたところにワンコロがさらに追撃をしてくる。さっきと攻守が逆になっちゃった。
長い攻防の末、ついにドーラの魔力が尽きる。体力でも限界そうで動きにキレがない。ワンコロは剣で、魔力は関係ないから無くなっちゃったらおしまいだ。
まさか……負ける? ドーラが? そんな……。
ワンコロが高く飛んで剣をふりかぶる。1秒が何時間にも感じられる。そして……ドーラは最後の力をふりしぼって剣に噛みついた。
そして身を捻ると剣がひっぱられワンコロごと下に落ちていく。同時にドーラも空を飛ぶ力すら無くなり落ちていった。
先に落ちたのは……ワンコロだった。
「勝負あり……ですね。遠いなぁミズキさんの壁は」
「私もギリギリだったよ。でも絶対に負けないよ」
「そんな事いってられるのも今のうちです。次は私が勝ちますからね」
いつの間にか夕暮れになっていた。
「さ、帰ろっかリリアちゃん」
「はい。すーーっごく疲れたので、ゆっくり寝て休みましょう」
「ねぇねぇミズキ。今日のボク頑張ったでしょ? ご褒美は?」
チラリと少し大きくなってきた気がするドーラのお腹を見る。心配だけど……今日ぐらいはいっか。
「分かったよ。今日はケーキを買ってあげる」
「ほんと!? 最近ミズキ厳しいからダメ元だったのに! やったー!!!」
あれから数年。今日は昔カーラさんと戦った王都のコロシアムにいる。
SSSランク。夢を達成した私は今度は挑戦者に挑まれる側だ。
控え室で着替えていると、SSランクとなったリリアちゃんが話しかけてきた。先に今日の挑戦者と戦った時の事を教えに来てくれたみたい。
「ミズキさん今回の相手は気を付けた方がいいですよ。すっごく強いです」
「リリアちゃんがそんな事言ってきたの初めてだから緊張するなぁ……。ありがと。応援しててね」
階段を上ってコロシアムの中央に入る。沸き立つ観客、盛り上がる司会。でもそんなのは入ってこない。見えてるのは目の前の相手だけ。
入ってきたのは私と同じ年くらいの子だった。
ホイッスルが鳴る音が響き渡る。試合開始だ。
相手の武器は……うーん少し相性悪いかも。
でも今日も絶対に勝つよ。だって私は最強のテイマーなんだから!
「最初は君だよ! お願いねドーラ!」
私たちは最初に冒険者になった町まで戻ってきた。最初に門から見た時と同じく、少し開けて無限に広がるここからの景色は私の中で1番だ。
でもあの頃と違って今は仲間がいっぱいいる。逆にドーラは最初から居てくれてるけどね。
とりあえず宿に重い荷物を預けて森に向かう。
魔王が倒されたからか全然魔物は出てこなかった。仕事うばっちゃった感じがして少し申し訳ないかも……。ま、平和になったなら良い事だよね。うん。
お日様に照らされながら歩いてると、すぐに森が見えてくる。
「あっ何か分かりませんが魔物が近くにいますね」
「今日の初魔物だ。ここら辺に強い魔物はいないはずだけど気を付けないと」
「ですね。おいでワンコロ」
リリアちゃんが使い魔を召喚すると同時に敵の姿が見えてくる。ってゴブリンじゃん。緊張が解けて腕がダラットなる。
当然ワンコロに全滅させられて、魔石を残して体は消えていった。
「そういえばリリアちゃんゴブリンから逃げてた時に最初に会ったんだよね~」
「む。その話は恥ずかしいので思い出さなくていいですよ!」
あはは。怒らせちゃった。かわいい思い出なんだからそんなに怒らなくてもいいのに。
「ってそうじゃありません。せっかくここに呼んだのはミズキさんに勝負を挑むためです。たのもー!」
「えっ、じゃあギルドの試験場でも借りたら良かったのに」
「あんな所でやると人が集まって集中できないじゃないですか。ま、普通に懐かしみに来たってのもありますけどね」
あ~確かに。それなら断る理由はない。もちろん受けて立つよ。
お互いに少し離れるように立ってコインを上に投げる。
「私はずっとミズキさんの後を追いかけるばかりでした。でも今日、私はあなたに追いつき……いえ、あなたを追い越します!」
「ただの子供だった私はリリアちゃんがいてくれたから強くなれたの。君と育てた私の力、君に見せてあげる!」
チャリン。
音が聞こえた瞬間に自分の使い魔を出した。
「魔法の力を見せつけて! お願いドルちゃん!」
「無限の体力で押しきっちゃえ! 行くよサンド!」
念力を使った相手の投石を左手で押さえつつ、サンドの大きくて太い右手でドルちゃんを薙ぎ払おうとする。
ドルちゃんなら……右に避けるはず!
「追撃だよサンド! 左手でさらに右に攻撃!」
「ミズキさんなら追撃してくるはずです! 一度後ろに引いて!」
その後も一進一退でどっちも有効な一撃を決められない。
リリアちゃんの考え方は私が全部知り尽くしてる。
ミズキさんの行動なんて私には丸わかりです。
や、やりにくい! 今までで1番強い相手になるかも。
魔道具を使うのは卑怯な気がするから封印してたけど……。
「サンド! 圧倒的な力で攻めるよ。巨大化!」
これで勝てるはず! と思ったらリリアちゃんがカバンから何かを取り出した。まさか……。
「ミズキさんが使うなら私も一緒にさせてもらいます! ドルちゃん」
リリアちゃんが投げた腕輪をドルちゃんは器用にキャッチ。あれは……魔力量を一時的に爆増させるやつか。
お互い考える事は同じ。今までの思い出を懸命に思い出して、相手の思考を読もうとする。
さっきよりも巨大な体で、さっきよりも強い魔術で。
そして……なんとか私が勝った。とはいってもサンドの体は削れてるし魔力は空っぽ。もう戦わせる事は出来ないからおあいこかな。
まさかの兄弟対決。この子達はよくケンカしてたから、この勝負に張り切ってるみたい。
火が燃え、木の葉が舞う。
「いたっ」
グリーンの光線にほこりが巻き上げられて目に入った。リリアちゃんは目をつぶった一瞬の隙を見逃してはくれなかった。
大きく開いたレッドの口から太陽のような火球が放たれる。でもリリアちゃんも少し焦っちゃったのかな。これなら私は負けない!
「グリーン。大きくジャンプしてレッドに抱き着いて!」
いつも拳でしか語った事のないレッドという事でグリーンが少し嫌そうな表情で飛んでいく。ごめんね。
火球がグリーンに当たって爆発がレッドまでをも飲み込む。向こうには目を見開いたリリアちゃん。
「やりますね……。この子を最後に残しておいて良かったです。おいで私の相棒、ワンコロ!」
「こんな所も考える所は一緒か。私の親友の君なら勝てるでしょ? ドーラ、最後を任せるね!」
私が冒険者になる前から隣にいてくれたドーラ。今までおあいこだったけど、この子なら勝てるって信じられる。
ふさふさの毛に小さな体。でもその中には誰よりも強い力がある。ドーラの全力を見せて?
今の私の心の声は聞こえてないはずだけど、ドーラは少しだけ後ろを向いて小さくうなずく。
「空に飛んで攻撃を回避するよ!」
「魔剣の力を使えば届きます。ワンコロの剣さばきは強いですよ!」
ドーラの魔法をワンコロは剣を使ってはじき返す。あわてて避けたところにワンコロがさらに追撃をしてくる。さっきと攻守が逆になっちゃった。
長い攻防の末、ついにドーラの魔力が尽きる。体力でも限界そうで動きにキレがない。ワンコロは剣で、魔力は関係ないから無くなっちゃったらおしまいだ。
まさか……負ける? ドーラが? そんな……。
ワンコロが高く飛んで剣をふりかぶる。1秒が何時間にも感じられる。そして……ドーラは最後の力をふりしぼって剣に噛みついた。
そして身を捻ると剣がひっぱられワンコロごと下に落ちていく。同時にドーラも空を飛ぶ力すら無くなり落ちていった。
先に落ちたのは……ワンコロだった。
「勝負あり……ですね。遠いなぁミズキさんの壁は」
「私もギリギリだったよ。でも絶対に負けないよ」
「そんな事いってられるのも今のうちです。次は私が勝ちますからね」
いつの間にか夕暮れになっていた。
「さ、帰ろっかリリアちゃん」
「はい。すーーっごく疲れたので、ゆっくり寝て休みましょう」
「ねぇねぇミズキ。今日のボク頑張ったでしょ? ご褒美は?」
チラリと少し大きくなってきた気がするドーラのお腹を見る。心配だけど……今日ぐらいはいっか。
「分かったよ。今日はケーキを買ってあげる」
「ほんと!? 最近ミズキ厳しいからダメ元だったのに! やったー!!!」
あれから数年。今日は昔カーラさんと戦った王都のコロシアムにいる。
SSSランク。夢を達成した私は今度は挑戦者に挑まれる側だ。
控え室で着替えていると、SSランクとなったリリアちゃんが話しかけてきた。先に今日の挑戦者と戦った時の事を教えに来てくれたみたい。
「ミズキさん今回の相手は気を付けた方がいいですよ。すっごく強いです」
「リリアちゃんがそんな事言ってきたの初めてだから緊張するなぁ……。ありがと。応援しててね」
階段を上ってコロシアムの中央に入る。沸き立つ観客、盛り上がる司会。でもそんなのは入ってこない。見えてるのは目の前の相手だけ。
入ってきたのは私と同じ年くらいの子だった。
ホイッスルが鳴る音が響き渡る。試合開始だ。
相手の武器は……うーん少し相性悪いかも。
でも今日も絶対に勝つよ。だって私は最強のテイマーなんだから!
「最初は君だよ! お願いねドーラ!」
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