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最強へ
盗賊
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私たちはそれからも旅を続けた。魔王と軍との大戦争が終わった直後だったからか、魔王側として戦った魔物たちも減っているみたいだ。おかげでゆっくり旅が出来た。
山を越え谷を越え、厳しい道のりだと思ったら草原になって。と思ったら次は海を越えて。そしたらまた山を越え……。
あの船には2度と乗りたくないよ……高い、ご飯が美味しくない、揺れるの3重苦。うっトラウマが……。
そんなこんなで27日目。ラ・ヴェンナから出航した後、地獄の航海を経て私たちはヴェネテアに着いた。
あ、交易商さんもちゃんといる。良かった~27日後とか謎に長かったから少し不安だったんだよね。
「お2人ともお久しぶりです。こんな所まで呼んでしまって申し訳ございません」
「いえいえ~ちょうど王都まで行く予定だったのでむしろ助かります」
「それは良かった。ここからの護衛をしてくれるはずだった冒険者たちが……ね」
あっ……気の毒に……まぁ命がかかってる仕事だし……。
「冒険者たちが急にパーティー内結婚と解散しちゃってね……」
いや幸せだった! とってもおめでたかった。良かった。
「アハハ……それは災難でしたね」
私達はそんなこんなで王都に向かっていった。馬車にゆられて1日後。朝になって私達はキャンプ地から出発した。
今のところ普通の魔物が出てきたりするくらいで盗賊も出ないし、今回は結構楽な依頼でラッキー。そもそも王都とヴェネテアの街道は警備も厳しいし別に護衛なんていらな……。
「ヒャッハー! 金は置いてけぇ~!」
「あとあれもだ! 男……女だっけ?」
なんか5人組のキャラの濃い盗賊が来た~! なにこのふざけた連中は。でも刃物向けてきてるし仕事はしなきゃ。
「ドーラ。岩石弾」
「ドルちゃん。ダークボールです」
小石と魔力のつまった黒い球が高速で飛んでいく。装備からして冒険者崩れっぽいし、盗賊に堕ちるようなのはこれで……。
すると後ろにいた魔術師っぽい感じの人が張った結界に全部防がれた。
「やばっ。ドーラ、ファイアアローと直後に魔光線」
「ドルちゃん。念力であたりの物を全部ぶつけて!」
さぁどうだ! これならそこそこ強い兵士でも……。また防がれた!?
まずい。今度は向こうが魔法を撃ってきたり、剣士もこっちに向かってきてる! あぁもう負担大きいけど全部の使い魔を使ってやる! 相手の数が多すぎるよ~!
5分戦っても未だに相手の結界は破れてない。こっちに切り込んできた剣士と槍使いは、結界の範囲から抜けて攻撃できても後ろの魔術師が邪魔すぎる。
こっちもドルちゃんとサンドが頑張って防いでくれてるけど、回復薬も切れちゃった。こんなになるならもう少し買っておくんだったよ。
交易商さんはどこに……良かった。だいぶ離れてくれてる。仕方ない。もう一度レッドとグリーンに魔道具を使う。
魔王戦で最後だと思ったのにまさかこんな所で魔道具を使うことになるなんて。再び一体化した2匹にすかさず巨大化。目の前に10メートルを超える巨体が出現した。
「こんなんあまり人間にはしたくないけど……そのまま踏みつぶして!」
体が大きな魔物はとにかく、どんな魔術師でも人間は小さいからね。多分結界を割るだけで殺しちゃう事はないと思うけど少し不安。でもこっちだって余裕はないんだよ。自分たちや交易商さんの命が最優先だからごめんなさい!
グリーン達の体重で結界にどんどんヒビが入って……割れた! 盗賊たちはなんとか足の下から脱出して魔法を撃つけどグリーン達以外の使い魔総出でこれを防いだ。
「ミズキさん。使い魔全員はそろそろ無理です。私の魔力が切れそうです」
「私も……。リリアちゃんここで決めるよ!」
「はい! グリーン、ドラゴンブレス!」
半径30cmはある光線が盗賊たちを襲う。全員で魔力を集めて防御するつもりらしいけど、これなら防ぎきれないでしょ? グリーンの魔法をくらえ!
私達の魔力も体力も尽きて使い魔も全員モンスター収納されちゃった。あと頼れるのといえば料理用の包丁とかになったんだけど盗賊たちを倒せてるかな。
おそるおそる確認すると……なんかみんな座り込んで笑ってる! 元気じゃんやばい! 武器を構えようとしたところで聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「2人ともそこまでー! あの人達は敵じゃないよ!」
この声は……アイちゃん! すごい懐かしい。会いたかったよ。で、どこにいるの?
そう思ってあたりをキョロキョロしてみると後ろに交易商の格好をしたアイちゃんが立っていた。どゆこと?
「お父さんの友達に頼んで変化魔法をかけてもらったんだ。分かんなかったでしょ」
だってそりゃ髭もじゃのダンディなおじさんが女の子になるって思わないじゃん!
しばらく話をして私は気になってる事を聞くことにした。
「なんでアイちゃんがわざわざ変化魔法まで使ってこんな事を? あとこの盗賊の人たちもアイちゃんのしわざでしょ。並みの強さじゃ無かったよ」
全員合わせたら、それこそ魔王の四天王くらい強かった。しかも人間だからやっかい極まりない。
「それはカーラさんが説明してっくれるんじゃないかな?」
カーラさん? なんで知って……お父さんの仕事の関係か。でも今どう関係してくれるの?
と思うと今度は盗賊たちの方から声がした。あちこちクルクルと忙しいなぁ。
「やぁ久しぶりじゃな2人とも。とりあえずドッキリ大成功とでも言っておこうかの」
ほんとにカーラさんだ! いや盗賊ドッキリとか悪質すぎるでしょ。
山を越え谷を越え、厳しい道のりだと思ったら草原になって。と思ったら次は海を越えて。そしたらまた山を越え……。
あの船には2度と乗りたくないよ……高い、ご飯が美味しくない、揺れるの3重苦。うっトラウマが……。
そんなこんなで27日目。ラ・ヴェンナから出航した後、地獄の航海を経て私たちはヴェネテアに着いた。
あ、交易商さんもちゃんといる。良かった~27日後とか謎に長かったから少し不安だったんだよね。
「お2人ともお久しぶりです。こんな所まで呼んでしまって申し訳ございません」
「いえいえ~ちょうど王都まで行く予定だったのでむしろ助かります」
「それは良かった。ここからの護衛をしてくれるはずだった冒険者たちが……ね」
あっ……気の毒に……まぁ命がかかってる仕事だし……。
「冒険者たちが急にパーティー内結婚と解散しちゃってね……」
いや幸せだった! とってもおめでたかった。良かった。
「アハハ……それは災難でしたね」
私達はそんなこんなで王都に向かっていった。馬車にゆられて1日後。朝になって私達はキャンプ地から出発した。
今のところ普通の魔物が出てきたりするくらいで盗賊も出ないし、今回は結構楽な依頼でラッキー。そもそも王都とヴェネテアの街道は警備も厳しいし別に護衛なんていらな……。
「ヒャッハー! 金は置いてけぇ~!」
「あとあれもだ! 男……女だっけ?」
なんか5人組のキャラの濃い盗賊が来た~! なにこのふざけた連中は。でも刃物向けてきてるし仕事はしなきゃ。
「ドーラ。岩石弾」
「ドルちゃん。ダークボールです」
小石と魔力のつまった黒い球が高速で飛んでいく。装備からして冒険者崩れっぽいし、盗賊に堕ちるようなのはこれで……。
すると後ろにいた魔術師っぽい感じの人が張った結界に全部防がれた。
「やばっ。ドーラ、ファイアアローと直後に魔光線」
「ドルちゃん。念力であたりの物を全部ぶつけて!」
さぁどうだ! これならそこそこ強い兵士でも……。また防がれた!?
まずい。今度は向こうが魔法を撃ってきたり、剣士もこっちに向かってきてる! あぁもう負担大きいけど全部の使い魔を使ってやる! 相手の数が多すぎるよ~!
5分戦っても未だに相手の結界は破れてない。こっちに切り込んできた剣士と槍使いは、結界の範囲から抜けて攻撃できても後ろの魔術師が邪魔すぎる。
こっちもドルちゃんとサンドが頑張って防いでくれてるけど、回復薬も切れちゃった。こんなになるならもう少し買っておくんだったよ。
交易商さんはどこに……良かった。だいぶ離れてくれてる。仕方ない。もう一度レッドとグリーンに魔道具を使う。
魔王戦で最後だと思ったのにまさかこんな所で魔道具を使うことになるなんて。再び一体化した2匹にすかさず巨大化。目の前に10メートルを超える巨体が出現した。
「こんなんあまり人間にはしたくないけど……そのまま踏みつぶして!」
体が大きな魔物はとにかく、どんな魔術師でも人間は小さいからね。多分結界を割るだけで殺しちゃう事はないと思うけど少し不安。でもこっちだって余裕はないんだよ。自分たちや交易商さんの命が最優先だからごめんなさい!
グリーン達の体重で結界にどんどんヒビが入って……割れた! 盗賊たちはなんとか足の下から脱出して魔法を撃つけどグリーン達以外の使い魔総出でこれを防いだ。
「ミズキさん。使い魔全員はそろそろ無理です。私の魔力が切れそうです」
「私も……。リリアちゃんここで決めるよ!」
「はい! グリーン、ドラゴンブレス!」
半径30cmはある光線が盗賊たちを襲う。全員で魔力を集めて防御するつもりらしいけど、これなら防ぎきれないでしょ? グリーンの魔法をくらえ!
私達の魔力も体力も尽きて使い魔も全員モンスター収納されちゃった。あと頼れるのといえば料理用の包丁とかになったんだけど盗賊たちを倒せてるかな。
おそるおそる確認すると……なんかみんな座り込んで笑ってる! 元気じゃんやばい! 武器を構えようとしたところで聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「2人ともそこまでー! あの人達は敵じゃないよ!」
この声は……アイちゃん! すごい懐かしい。会いたかったよ。で、どこにいるの?
そう思ってあたりをキョロキョロしてみると後ろに交易商の格好をしたアイちゃんが立っていた。どゆこと?
「お父さんの友達に頼んで変化魔法をかけてもらったんだ。分かんなかったでしょ」
だってそりゃ髭もじゃのダンディなおじさんが女の子になるって思わないじゃん!
しばらく話をして私は気になってる事を聞くことにした。
「なんでアイちゃんがわざわざ変化魔法まで使ってこんな事を? あとこの盗賊の人たちもアイちゃんのしわざでしょ。並みの強さじゃ無かったよ」
全員合わせたら、それこそ魔王の四天王くらい強かった。しかも人間だからやっかい極まりない。
「それはカーラさんが説明してっくれるんじゃないかな?」
カーラさん? なんで知って……お父さんの仕事の関係か。でも今どう関係してくれるの?
と思うと今度は盗賊たちの方から声がした。あちこちクルクルと忙しいなぁ。
「やぁ久しぶりじゃな2人とも。とりあえずドッキリ大成功とでも言っておこうかの」
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