愛する使い魔達と楽しく最強に!〜スキルのせいで実家を追放されたけど、森で可愛いドラゴンに会いました。今度はスキルを活かして幸せになります!〜

くずは

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最強へ

旅路

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 レッドとドーラに乗ってのんびりゆっくり北へ5時間。森を越え、森を越えて森を……この辺ずっと森だなぁ。
 いつまでも飛んでると2匹も疲れてくるはずだし、巨大化の魔力は持たないし。あとお腹空いた……。

 「ミズキさん。あっちの方に丘が山がありますよ! あそこなら休憩できそうですね」
 「ほんとだ! リリアちゃんナイス! 行こ行こー!」

 とたんにテンションが上がる私を見て苦笑いするリリアちゃん。なんだよう。
 ゆーっくり近づいて……着陸。ドーラにお礼を言って顔をあげる。
 
 うわー! 少し高めの山に降りたから周りが全部見えるよここ。今まで来た後ろの方は森が延々と広がっているけど、前の方はひらけた感じになってる。

 前の方の山のふもとには草原が広がっていて、その真ん中に大きな湖がどーんと構えている。
 あっ草原にビッグボアの群れがいる! 冒険者として会うと大きくて怖いだけだけど、上から見ると平和だな~。

 「それじゃあお昼ご飯にしましょうかミズキさん。今日は途中に寄った村で買ったパンと具材でサンドイッチです」
 「やった~。じゃあ私は紅茶でも入れるね」

 パンに火魔法で温めたバターを塗ってレタスとトマトを乗せる。最後にハムをと追加キャベツで完成のシンプルサンドイッチ。でもこれが一番美味しいんだよね。

 「はいこれドーラの分。私のお手製サンドイッチは美味しい?」
 「美味しいよ~もう1個ちょうだい」
 「はいはい待っててね。あ、もう1回火魔法お願い。紅茶もおかわり欲しくなってきちゃった」

 今は暖かい時期だけど飛んでると風は吹くし気温も低い。そこに熱々の紅茶を流し込むとパンで乾いた喉とあいまってゴクゴク飲めちゃう。まぁ紅茶はそんな風に飲むものじゃないらしいけど、今はリリアちゃんと2人きりだし許されるでしょ。

 「久しぶりに心が安らぎますね」
 「だね~風は心地いいし昼寝でもしたい気分だよ」

 こんな事を話してたら本当に寝ちゃいそうになってきた……いけないいけない。今寝たら夜まで寝て野宿になる自信がある。
 よしっ行こっか。またお願いねドーラ。巨大化してモフモフの背中に飛び乗る。気持ちいい~。

 さらに2時間も飛んでいくと村が出てきた。そろそろ夕方だしあそこに宿屋があるといいけど。結構立派な村で柵も張り巡らせられてるから大丈夫そうだね。今日はあったかいベッドで寝れそうで良かった。

 「おいお前ら。何者だ」
 「私たちは冒険者です。ほらこれ冒険者カードです」

 「おぉ! 君たちその年齢なのにこんなにランクが高いのか! すごいなぁ」
 「ありがとうございます。嬉しい~」
 「はっはっは今後も頑張れよ。そうだった通っていいぞ」

 気さくで優しい門番の人に通してもらって村に入ると目の前でちょうど交易商が村の人たち相手に商売をしてるとこだった。こういう村だと交易商が運んでくる物が全てだからね。大繁盛だよ。

 「商人さん。この包丁はいくらだい?」
 「あぁ奥さんいつもありがとう。そいつは銀貨12枚だな。少し高いが切れ味は抜群だぞ」

 「どれどれ……あらこれはいいわね。今年はうちの畑も豊作だったから買わせてもらうわ」
 「毎度あり! この砥石もサービスでどうぞ」

 昨日までいた街は都会だったから、こういうのんびりした雰囲気が懐かしくていいなぁ。
 村の中心にある、店が4つくらいの市場で買ったホーンラビットの串焼きを食べながらリリアちゃんと散歩してると、さっきの交易商が話しかけてきた。

 「さっきの門番との話が耳に入ってきちゃったんだけど君たち強いんだって? 私は27日後にヴェネテアの町から王都に発つんだけど護衛を頼めないかな? 報酬はこれくらいで」

 そう言うと交易商は指で金額を示す。指のサインを使うと何か悪い取引してる気分になるね……。えぇ報酬多いくない!?
 
 しかも27日後に王都行きだったらちょうどカーラさんの言ってた期日にも間に合うし……何よりお金がいいし。受けよっか。

 「大丈夫ですよ。それじゃあ当日、時間になったら向かいますね」
 「あぁよろしく頼むよ。ヴェネテアのギルド前で待ってるぞ。じゃあ報酬分を稼いでくるとするかな」
 
 そう言って交易商は馬車の方へと戻っていった。さ、お仕事も決まったし今日は休憩。宿屋でゆっくりして夜ご飯。んふふ、これが私の理想のプランだよ。

 村を散歩してるうちに日が沈んできた。この村は盆地だから日が沈むの早いな~。

 「リリアちゃん。宿に帰ろっか。今日の宿はどんな部屋かな~」
 「洞窟に比べればどんな部屋でも天国ですよ。ミズキさんもいますし」
 「それもそっか。えへへ」

 さっそく宿屋に入って荷物を置いたらまずは夜ご飯。宿屋の下にある酒場に降りて窓際の席につく。窓から外見るとと村の近くを流れる川に夕日が映ってる。明日もここに泊まってこの席でご飯食べたいな~。

 「ミズキさん何食べます? この宿結構メニュー多いですよ!」
 「ほんとだ。大都市に近いから食べ物が色々入ってくるのかな。この特製ソースカルボナーラとローマァ風マルゲリータピザで迷ってるんだよねぇ」

 「ちょうど私もこの2つで迷ってたんですよ。それじゃあ両方頼んで2人で食べませんか?」
 「天才じゃん。すみませーん、カルボナーラとピザくださーい」

 「ギャァァオ」
 「コボッ」

 あっドーラとワンコロが出てきた。さっき使い魔用のご飯あげたばかりじゃん。
 しょうがないな~。追加でミートボールもお願いしまーす!

 ん~。カルボナーラのソース美味しい。村にいる牛から最近絞られたばかりの牛乳を使った生クリームと今朝採れた卵を使った1品なんだって。こういうのは食料を自分たちで作ってる村ならではだね~。

 「こっちのピザもパリパリですよ! 南にあった故郷だとモチモチ重視でしたけど、こっちだと生地が焼きたてパンみちです」
 「ほんとだ。チーズもどこまでも伸びる。東にあるターキー帝国のアイスみたいで面白いねっ」

 あっという間に食べきっておかわりしそうになるけど鋼の心で我慢。この辺にいたらすぐに太っちゃいそう。
 
 お腹もいっぱいになったし部屋に戻ってランプを付ける。ベッドもモフモフ、宿にはろうそくも多い中でランプ付きってここ当たりじゃんやったぁ!
 今日は楽しかった。

 のんびりが好きなんて冒険者に向いてないって思われるかもだけど、私はのんびりも冒険もどっちも好き。明日はどっちにしようかな~。

 「それではおやすみなさいミズキさん」
 「うん。おやすみリリアちゃん」
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