52 / 58
最強へ
旅路
しおりを挟む
レッドとドーラに乗ってのんびりゆっくり北へ5時間。森を越え、森を越えて森を……この辺ずっと森だなぁ。
いつまでも飛んでると2匹も疲れてくるはずだし、巨大化の魔力は持たないし。あとお腹空いた……。
「ミズキさん。あっちの方に丘が山がありますよ! あそこなら休憩できそうですね」
「ほんとだ! リリアちゃんナイス! 行こ行こー!」
とたんにテンションが上がる私を見て苦笑いするリリアちゃん。なんだよう。
ゆーっくり近づいて……着陸。ドーラにお礼を言って顔をあげる。
うわー! 少し高めの山に降りたから周りが全部見えるよここ。今まで来た後ろの方は森が延々と広がっているけど、前の方はひらけた感じになってる。
前の方の山のふもとには草原が広がっていて、その真ん中に大きな湖がどーんと構えている。
あっ草原にビッグボアの群れがいる! 冒険者として会うと大きくて怖いだけだけど、上から見ると平和だな~。
「それじゃあお昼ご飯にしましょうかミズキさん。今日は途中に寄った村で買ったパンと具材でサンドイッチです」
「やった~。じゃあ私は紅茶でも入れるね」
パンに火魔法で温めたバターを塗ってレタスとトマトを乗せる。最後にハムをと追加キャベツで完成のシンプルサンドイッチ。でもこれが一番美味しいんだよね。
「はいこれドーラの分。私のお手製サンドイッチは美味しい?」
「美味しいよ~もう1個ちょうだい」
「はいはい待っててね。あ、もう1回火魔法お願い。紅茶もおかわり欲しくなってきちゃった」
今は暖かい時期だけど飛んでると風は吹くし気温も低い。そこに熱々の紅茶を流し込むとパンで乾いた喉とあいまってゴクゴク飲めちゃう。まぁ紅茶はそんな風に飲むものじゃないらしいけど、今はリリアちゃんと2人きりだし許されるでしょ。
「久しぶりに心が安らぎますね」
「だね~風は心地いいし昼寝でもしたい気分だよ」
こんな事を話してたら本当に寝ちゃいそうになってきた……いけないいけない。今寝たら夜まで寝て野宿になる自信がある。
よしっ行こっか。またお願いねドーラ。巨大化してモフモフの背中に飛び乗る。気持ちいい~。
さらに2時間も飛んでいくと村が出てきた。そろそろ夕方だしあそこに宿屋があるといいけど。結構立派な村で柵も張り巡らせられてるから大丈夫そうだね。今日はあったかいベッドで寝れそうで良かった。
「おいお前ら。何者だ」
「私たちは冒険者です。ほらこれ冒険者カードです」
「おぉ! 君たちその年齢なのにこんなにランクが高いのか! すごいなぁ」
「ありがとうございます。嬉しい~」
「はっはっは今後も頑張れよ。そうだった通っていいぞ」
気さくで優しい門番の人に通してもらって村に入ると目の前でちょうど交易商が村の人たち相手に商売をしてるとこだった。こういう村だと交易商が運んでくる物が全てだからね。大繁盛だよ。
「商人さん。この包丁はいくらだい?」
「あぁ奥さんいつもありがとう。そいつは銀貨12枚だな。少し高いが切れ味は抜群だぞ」
「どれどれ……あらこれはいいわね。今年はうちの畑も豊作だったから買わせてもらうわ」
「毎度あり! この砥石もサービスでどうぞ」
昨日までいた街は都会だったから、こういうのんびりした雰囲気が懐かしくていいなぁ。
村の中心にある、店が4つくらいの市場で買ったホーンラビットの串焼きを食べながらリリアちゃんと散歩してると、さっきの交易商が話しかけてきた。
「さっきの門番との話が耳に入ってきちゃったんだけど君たち強いんだって? 私は27日後にヴェネテアの町から王都に発つんだけど護衛を頼めないかな? 報酬はこれくらいで」
そう言うと交易商は指で金額を示す。指のサインを使うと何か悪い取引してる気分になるね……。えぇ報酬多いくない!?
しかも27日後に王都行きだったらちょうどカーラさんの言ってた期日にも間に合うし……何よりお金がいいし。受けよっか。
「大丈夫ですよ。それじゃあ当日、時間になったら向かいますね」
「あぁよろしく頼むよ。ヴェネテアのギルド前で待ってるぞ。じゃあ報酬分を稼いでくるとするかな」
そう言って交易商は馬車の方へと戻っていった。さ、お仕事も決まったし今日は休憩。宿屋でゆっくりして夜ご飯。んふふ、これが私の理想のプランだよ。
村を散歩してるうちに日が沈んできた。この村は盆地だから日が沈むの早いな~。
「リリアちゃん。宿に帰ろっか。今日の宿はどんな部屋かな~」
「洞窟に比べればどんな部屋でも天国ですよ。ミズキさんもいますし」
「それもそっか。えへへ」
さっそく宿屋に入って荷物を置いたらまずは夜ご飯。宿屋の下にある酒場に降りて窓際の席につく。窓から外見るとと村の近くを流れる川に夕日が映ってる。明日もここに泊まってこの席でご飯食べたいな~。
「ミズキさん何食べます? この宿結構メニュー多いですよ!」
「ほんとだ。大都市に近いから食べ物が色々入ってくるのかな。この特製ソースカルボナーラとローマァ風マルゲリータピザで迷ってるんだよねぇ」
「ちょうど私もこの2つで迷ってたんですよ。それじゃあ両方頼んで2人で食べませんか?」
「天才じゃん。すみませーん、カルボナーラとピザくださーい」
「ギャァァオ」
「コボッ」
あっドーラとワンコロが出てきた。さっき使い魔用のご飯あげたばかりじゃん。
しょうがないな~。追加でミートボールもお願いしまーす!
ん~。カルボナーラのソース美味しい。村にいる牛から最近絞られたばかりの牛乳を使った生クリームと今朝採れた卵を使った1品なんだって。こういうのは食料を自分たちで作ってる村ならではだね~。
「こっちのピザもパリパリですよ! 南にあった故郷だとモチモチ重視でしたけど、こっちだと生地が焼きたてパンみちです」
「ほんとだ。チーズもどこまでも伸びる。東にあるターキー帝国のアイスみたいで面白いねっ」
あっという間に食べきっておかわりしそうになるけど鋼の心で我慢。この辺にいたらすぐに太っちゃいそう。
お腹もいっぱいになったし部屋に戻ってランプを付ける。ベッドもモフモフ、宿にはろうそくも多い中でランプ付きってここ当たりじゃんやったぁ!
今日は楽しかった。
のんびりが好きなんて冒険者に向いてないって思われるかもだけど、私はのんびりも冒険もどっちも好き。明日はどっちにしようかな~。
「それではおやすみなさいミズキさん」
「うん。おやすみリリアちゃん」
いつまでも飛んでると2匹も疲れてくるはずだし、巨大化の魔力は持たないし。あとお腹空いた……。
「ミズキさん。あっちの方に丘が山がありますよ! あそこなら休憩できそうですね」
「ほんとだ! リリアちゃんナイス! 行こ行こー!」
とたんにテンションが上がる私を見て苦笑いするリリアちゃん。なんだよう。
ゆーっくり近づいて……着陸。ドーラにお礼を言って顔をあげる。
うわー! 少し高めの山に降りたから周りが全部見えるよここ。今まで来た後ろの方は森が延々と広がっているけど、前の方はひらけた感じになってる。
前の方の山のふもとには草原が広がっていて、その真ん中に大きな湖がどーんと構えている。
あっ草原にビッグボアの群れがいる! 冒険者として会うと大きくて怖いだけだけど、上から見ると平和だな~。
「それじゃあお昼ご飯にしましょうかミズキさん。今日は途中に寄った村で買ったパンと具材でサンドイッチです」
「やった~。じゃあ私は紅茶でも入れるね」
パンに火魔法で温めたバターを塗ってレタスとトマトを乗せる。最後にハムをと追加キャベツで完成のシンプルサンドイッチ。でもこれが一番美味しいんだよね。
「はいこれドーラの分。私のお手製サンドイッチは美味しい?」
「美味しいよ~もう1個ちょうだい」
「はいはい待っててね。あ、もう1回火魔法お願い。紅茶もおかわり欲しくなってきちゃった」
今は暖かい時期だけど飛んでると風は吹くし気温も低い。そこに熱々の紅茶を流し込むとパンで乾いた喉とあいまってゴクゴク飲めちゃう。まぁ紅茶はそんな風に飲むものじゃないらしいけど、今はリリアちゃんと2人きりだし許されるでしょ。
「久しぶりに心が安らぎますね」
「だね~風は心地いいし昼寝でもしたい気分だよ」
こんな事を話してたら本当に寝ちゃいそうになってきた……いけないいけない。今寝たら夜まで寝て野宿になる自信がある。
よしっ行こっか。またお願いねドーラ。巨大化してモフモフの背中に飛び乗る。気持ちいい~。
さらに2時間も飛んでいくと村が出てきた。そろそろ夕方だしあそこに宿屋があるといいけど。結構立派な村で柵も張り巡らせられてるから大丈夫そうだね。今日はあったかいベッドで寝れそうで良かった。
「おいお前ら。何者だ」
「私たちは冒険者です。ほらこれ冒険者カードです」
「おぉ! 君たちその年齢なのにこんなにランクが高いのか! すごいなぁ」
「ありがとうございます。嬉しい~」
「はっはっは今後も頑張れよ。そうだった通っていいぞ」
気さくで優しい門番の人に通してもらって村に入ると目の前でちょうど交易商が村の人たち相手に商売をしてるとこだった。こういう村だと交易商が運んでくる物が全てだからね。大繁盛だよ。
「商人さん。この包丁はいくらだい?」
「あぁ奥さんいつもありがとう。そいつは銀貨12枚だな。少し高いが切れ味は抜群だぞ」
「どれどれ……あらこれはいいわね。今年はうちの畑も豊作だったから買わせてもらうわ」
「毎度あり! この砥石もサービスでどうぞ」
昨日までいた街は都会だったから、こういうのんびりした雰囲気が懐かしくていいなぁ。
村の中心にある、店が4つくらいの市場で買ったホーンラビットの串焼きを食べながらリリアちゃんと散歩してると、さっきの交易商が話しかけてきた。
「さっきの門番との話が耳に入ってきちゃったんだけど君たち強いんだって? 私は27日後にヴェネテアの町から王都に発つんだけど護衛を頼めないかな? 報酬はこれくらいで」
そう言うと交易商は指で金額を示す。指のサインを使うと何か悪い取引してる気分になるね……。えぇ報酬多いくない!?
しかも27日後に王都行きだったらちょうどカーラさんの言ってた期日にも間に合うし……何よりお金がいいし。受けよっか。
「大丈夫ですよ。それじゃあ当日、時間になったら向かいますね」
「あぁよろしく頼むよ。ヴェネテアのギルド前で待ってるぞ。じゃあ報酬分を稼いでくるとするかな」
そう言って交易商は馬車の方へと戻っていった。さ、お仕事も決まったし今日は休憩。宿屋でゆっくりして夜ご飯。んふふ、これが私の理想のプランだよ。
村を散歩してるうちに日が沈んできた。この村は盆地だから日が沈むの早いな~。
「リリアちゃん。宿に帰ろっか。今日の宿はどんな部屋かな~」
「洞窟に比べればどんな部屋でも天国ですよ。ミズキさんもいますし」
「それもそっか。えへへ」
さっそく宿屋に入って荷物を置いたらまずは夜ご飯。宿屋の下にある酒場に降りて窓際の席につく。窓から外見るとと村の近くを流れる川に夕日が映ってる。明日もここに泊まってこの席でご飯食べたいな~。
「ミズキさん何食べます? この宿結構メニュー多いですよ!」
「ほんとだ。大都市に近いから食べ物が色々入ってくるのかな。この特製ソースカルボナーラとローマァ風マルゲリータピザで迷ってるんだよねぇ」
「ちょうど私もこの2つで迷ってたんですよ。それじゃあ両方頼んで2人で食べませんか?」
「天才じゃん。すみませーん、カルボナーラとピザくださーい」
「ギャァァオ」
「コボッ」
あっドーラとワンコロが出てきた。さっき使い魔用のご飯あげたばかりじゃん。
しょうがないな~。追加でミートボールもお願いしまーす!
ん~。カルボナーラのソース美味しい。村にいる牛から最近絞られたばかりの牛乳を使った生クリームと今朝採れた卵を使った1品なんだって。こういうのは食料を自分たちで作ってる村ならではだね~。
「こっちのピザもパリパリですよ! 南にあった故郷だとモチモチ重視でしたけど、こっちだと生地が焼きたてパンみちです」
「ほんとだ。チーズもどこまでも伸びる。東にあるターキー帝国のアイスみたいで面白いねっ」
あっという間に食べきっておかわりしそうになるけど鋼の心で我慢。この辺にいたらすぐに太っちゃいそう。
お腹もいっぱいになったし部屋に戻ってランプを付ける。ベッドもモフモフ、宿にはろうそくも多い中でランプ付きってここ当たりじゃんやったぁ!
今日は楽しかった。
のんびりが好きなんて冒険者に向いてないって思われるかもだけど、私はのんびりも冒険もどっちも好き。明日はどっちにしようかな~。
「それではおやすみなさいミズキさん」
「うん。おやすみリリアちゃん」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。

伝説の霊獣達が住まう【生存率0%】の無人島に捨てられた少年はサバイバルを経ていかにして最強に至ったか
藤原みけ@雑魚将軍2巻発売中
ファンタジー
小さな村で平凡な日々を過ごしていた少年リオル。11歳の誕生日を迎え、両親に祝われながら幸せに眠りに着いた翌日、目を覚ますと全く知らないジャングルに居た。
そこは人類が滅ぼされ、伝説の霊獣達の住まう地獄のような無人島だった。
次々の襲い来る霊獣達にリオルは絶望しどん底に突き落とされるが、生き残るため戦うことを決意する。だが、現実は最弱のネズミの霊獣にすら敗北して……。
サバイバル生活の中、霊獣によって殺されかけたリオルは理解する。
弱ければ、何も得ることはできないと。
生きるためリオルはやがて力を求め始める。
堅実に努力を重ね少しずつ成長していくなか、やがて仲間(もふもふ?)に出会っていく。
地獄のような島でただの少年はいかにして最強へと至ったのか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる