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魔王軍
憧れ
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何この魔物の数は! 無限に魔物が押し寄せて来て全然近づけない……。何なら少し離されてる気もするんだけど。
魔王が暴れ出すかと思ったけど急いで駆けつけて来たSSSランクが今は1人で相手してる。
急に来たかと思ったら空を飛んで魔物の壁を全部通り越して行った。私じゃ空の魔物も下からの魔法もある中を飛ぶなんて出来ないから憧れちゃうな。
ああなりたいなぁ……って今は目の前に集中!
「どうしましょうミズキさん。こんなに魔物が多くちゃ魔王を倒す前にこっちが負けちゃいますよ」
「うーん本当にどうしよう。今は魔王を抑えられてるけど……グリーンによると近づかないと魔王は倒せないらしいし」
「何とかなるぞご主人。あっちを見てくれ」
グリーンが見ている方向は大きな川のほとりの港だった。
要塞化された港はちょっと前までたくさんの兵士に守られてたけど、今は放棄されて前線は少し後ろに下がっちゃっていた。
守備隊がほぼ全滅して増援も足りてない。どこも同じだからしょうがないけどね。
「ん……? なんかあそこだけ魔物少なくない?」
でもよく見たら魔物も減ってる。魔王の命令は魔物達から理性を奪っちゃったみたいで、誰も穴埋めに入らないから層が薄くなっていた。
「あそこはそこそこの強さの人間達が集まっている。今の所負けているが」
人類の精鋭が集まってたんだけど……あそこでレッドとグリーンが味方になってくれて本当に良かった……。
「でも彼らの死が無駄になったわけじゃない。あれだけ敵が少なければ突破出来るだろう?」
「ドルちゃん! バリアしてくださいバリア!」
というわけで私達はまたもレッドの上に乗って全速力で飛行中。ここ戦争はよく飛ぶなぁ……。
下から魔法も弓も飛んでくるけどバリアで……待って一部防げてないよ! レッドあの矢を撃ち落として!
思ったより数が多いよ。このままじゃ撃ち落とされちゃう。
下を見ると魔物がいっぱい集まっていた。えっあいつらまだ集団行動するの?
「ミズキさん。こんなにいたら流石に危ないですよ。きゃっ!」
「大丈夫!?」
リリアちゃんを攻撃した魔物をすぐにレッドに焼き払ってもらった。ざまぁみろ。
先の方を見ると魔王とSSSランクの人が1人で戦っている。さすが人類最強。1対1で抑えられている。
とは言っても少しずつ押されているみたいなんだよねぇ。だから行かなきゃいけないんだけど……でも危なすぎる。さっきは大丈夫だったけど、もしリリアちゃんに魔法でも当たったら……。仕方ない……かな。
「司令部から連絡だ。上を飛んでる2人が魔王を倒す秘訣である。全力で援護せよ!」
諦めようとした時に下の人類側が動き出した。防衛に徹していた今までと違って激しい攻撃を加えていく。おかげで被害がすごい事になってるけど、代わりに魔物に攻撃してる余裕はなくなったみたい。
「こっちは俺たちに任せろー!」
「このまま負けるなんて嫌だしな。あのクソッタレなデカブツ魔王は頼んだぞ!」
みんなが応援してくれてる。それなら私たちもそれに応えなきゃね。文字通り命をかけて倒してみせるよ!
「ありがとうございます! 行くよリリアちゃん」
「もちろんです。レッド、上の私たちは気にしなくていいから全速力で突っ切ってください!」
レッドはうなづくと一気に加速する。魔法が飛んできたらドーラに撃ち落としてもらお。少しくらい矢が飛んできたってもう気にしない。たかーい装備を買ったんだし防具職人さんの腕を信じよう。
とても長く感じる10分を耐えて……魔物の海の上を抜けた。途端になんかすっごい大きなアイスボールが横を通り過ぎた。
「ひゃっ! これは……魔物がいますよミズキさん。なんかすっごく強そうなやつが!」
左に大きなドラゴンが飛んでる。えっあんなやつ、さっきまでいたっけ?
「うーん分からないけど魔物なら倒すしか……」
「待ていアルファ。そいつらは敵じゃないぞ。戻れ」
急にドラゴンが……消えた? いやこの感じは違う。テイマーが魔物を収納する時に使う魔法じゃん。
「やっと味方が来たか。全く数日なのに人が久しぶりな気がするのう? こっちじゃこっち」
ドラゴンが消えた方向を見ると1人の女の子が手を振っていた。
なんか絵とかに描かれるのが嫌だったらしいし、最近はアベルさん達が強すぎて挑戦できる人がいなかったせいで隠されていた彼女の姿がついに見えた。
えっと……どう見えても子供なんですけど。私たちより。
とりあえず降りなきゃ。このまま飛んでたんじゃ魔王の魔法が飛んで来ちゃう。レッドはともかく私たちは一瞬で蒸発だよ。
手招きされて洞窟の入り口に降りて、彼女をもう一度しっかりみてみる。
サラリとした金髪に大きな青い目。すごく可愛い8歳児。多分そんくらい。
「何か失礼なことを考えておらぬか? これでも私は20歳を超えているんじゃぞ」
ええー! 絶対嘘でしょ。嘘……だよね?
「まぁ若くみられるのは良い事じゃ。あんまり関係ない話で盛り上がれる状況でもあるまい。私はカーラじゃ」
そうだった。今は隠れてるけど魔王の目の前。降りた時に場所もバレてそうだし、とりあえず移動しなきゃ。
「私はミズキです。こっちはリリアです」
「うむうむ元気なのはいいことじゃ。それじゃ魔王と戦う覚悟できてるおるか?」
「「もちろんです!」」
「よし。それじゃあ2人ともよろしくの」
差し出された手をしっかり握る。あっすべすべで気持ちいい……。
「よろしくお願いします!」
魔王が暴れ出すかと思ったけど急いで駆けつけて来たSSSランクが今は1人で相手してる。
急に来たかと思ったら空を飛んで魔物の壁を全部通り越して行った。私じゃ空の魔物も下からの魔法もある中を飛ぶなんて出来ないから憧れちゃうな。
ああなりたいなぁ……って今は目の前に集中!
「どうしましょうミズキさん。こんなに魔物が多くちゃ魔王を倒す前にこっちが負けちゃいますよ」
「うーん本当にどうしよう。今は魔王を抑えられてるけど……グリーンによると近づかないと魔王は倒せないらしいし」
「何とかなるぞご主人。あっちを見てくれ」
グリーンが見ている方向は大きな川のほとりの港だった。
要塞化された港はちょっと前までたくさんの兵士に守られてたけど、今は放棄されて前線は少し後ろに下がっちゃっていた。
守備隊がほぼ全滅して増援も足りてない。どこも同じだからしょうがないけどね。
「ん……? なんかあそこだけ魔物少なくない?」
でもよく見たら魔物も減ってる。魔王の命令は魔物達から理性を奪っちゃったみたいで、誰も穴埋めに入らないから層が薄くなっていた。
「あそこはそこそこの強さの人間達が集まっている。今の所負けているが」
人類の精鋭が集まってたんだけど……あそこでレッドとグリーンが味方になってくれて本当に良かった……。
「でも彼らの死が無駄になったわけじゃない。あれだけ敵が少なければ突破出来るだろう?」
「ドルちゃん! バリアしてくださいバリア!」
というわけで私達はまたもレッドの上に乗って全速力で飛行中。ここ戦争はよく飛ぶなぁ……。
下から魔法も弓も飛んでくるけどバリアで……待って一部防げてないよ! レッドあの矢を撃ち落として!
思ったより数が多いよ。このままじゃ撃ち落とされちゃう。
下を見ると魔物がいっぱい集まっていた。えっあいつらまだ集団行動するの?
「ミズキさん。こんなにいたら流石に危ないですよ。きゃっ!」
「大丈夫!?」
リリアちゃんを攻撃した魔物をすぐにレッドに焼き払ってもらった。ざまぁみろ。
先の方を見ると魔王とSSSランクの人が1人で戦っている。さすが人類最強。1対1で抑えられている。
とは言っても少しずつ押されているみたいなんだよねぇ。だから行かなきゃいけないんだけど……でも危なすぎる。さっきは大丈夫だったけど、もしリリアちゃんに魔法でも当たったら……。仕方ない……かな。
「司令部から連絡だ。上を飛んでる2人が魔王を倒す秘訣である。全力で援護せよ!」
諦めようとした時に下の人類側が動き出した。防衛に徹していた今までと違って激しい攻撃を加えていく。おかげで被害がすごい事になってるけど、代わりに魔物に攻撃してる余裕はなくなったみたい。
「こっちは俺たちに任せろー!」
「このまま負けるなんて嫌だしな。あのクソッタレなデカブツ魔王は頼んだぞ!」
みんなが応援してくれてる。それなら私たちもそれに応えなきゃね。文字通り命をかけて倒してみせるよ!
「ありがとうございます! 行くよリリアちゃん」
「もちろんです。レッド、上の私たちは気にしなくていいから全速力で突っ切ってください!」
レッドはうなづくと一気に加速する。魔法が飛んできたらドーラに撃ち落としてもらお。少しくらい矢が飛んできたってもう気にしない。たかーい装備を買ったんだし防具職人さんの腕を信じよう。
とても長く感じる10分を耐えて……魔物の海の上を抜けた。途端になんかすっごい大きなアイスボールが横を通り過ぎた。
「ひゃっ! これは……魔物がいますよミズキさん。なんかすっごく強そうなやつが!」
左に大きなドラゴンが飛んでる。えっあんなやつ、さっきまでいたっけ?
「うーん分からないけど魔物なら倒すしか……」
「待ていアルファ。そいつらは敵じゃないぞ。戻れ」
急にドラゴンが……消えた? いやこの感じは違う。テイマーが魔物を収納する時に使う魔法じゃん。
「やっと味方が来たか。全く数日なのに人が久しぶりな気がするのう? こっちじゃこっち」
ドラゴンが消えた方向を見ると1人の女の子が手を振っていた。
なんか絵とかに描かれるのが嫌だったらしいし、最近はアベルさん達が強すぎて挑戦できる人がいなかったせいで隠されていた彼女の姿がついに見えた。
えっと……どう見えても子供なんですけど。私たちより。
とりあえず降りなきゃ。このまま飛んでたんじゃ魔王の魔法が飛んで来ちゃう。レッドはともかく私たちは一瞬で蒸発だよ。
手招きされて洞窟の入り口に降りて、彼女をもう一度しっかりみてみる。
サラリとした金髪に大きな青い目。すごく可愛い8歳児。多分そんくらい。
「何か失礼なことを考えておらぬか? これでも私は20歳を超えているんじゃぞ」
ええー! 絶対嘘でしょ。嘘……だよね?
「まぁ若くみられるのは良い事じゃ。あんまり関係ない話で盛り上がれる状況でもあるまい。私はカーラじゃ」
そうだった。今は隠れてるけど魔王の目の前。降りた時に場所もバレてそうだし、とりあえず移動しなきゃ。
「私はミズキです。こっちはリリアです」
「うむうむ元気なのはいいことじゃ。それじゃ魔王と戦う覚悟できてるおるか?」
「「もちろんです!」」
「よし。それじゃあ2人ともよろしくの」
差し出された手をしっかり握る。あっすべすべで気持ちいい……。
「よろしくお願いします!」
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