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魔王軍
復讐の炎
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「わわっどうしますかミズキさん!」
「逃げるしかないよぉー!!!」
敵の戦い方うざすぎる。こっちは空飛ぶだけで大変なのに、そっちは土を操って魔法をガードって不利すぎるでしょ。正々堂々たたかえっ!
「ミズキさん! 砦が見えてきましたよ!」
良かった。あそこまで逃げれば一旦は助かるはず。ドーラもそろそろ疲れが限界みたいだし……。レッドに追いつけなくなってきてる。
「ドーラ。おいで」
ドーラにはいったん座って休んでもらう。砦までの時間くらい私が稼いでやる!
「貧弱なテイマーが自ら戦うとは……ユニークな人ですねあなたは」
敵がバカにしたように笑ってくる。そう思うんなら今は見逃してくださいお願いします。
今の私は大金かけて作った装備で固めてるんだからね。目にもの見せてやる!
「マッドショット」
「マジックシールド!」
敵が撃ってきた泥魔法をはじく。この魔法はスクロールで無理やり覚えたもので、手のひらの前に巨大な魔法の盾ができるやつだ。
「いたっ……!」
盾なんか普段使い慣れてないからもろに衝撃をくらってしまった。魔法自体は防げても反動が痛すぎる。もっと練習しときゃ良かった。
「大丈夫ですかミズキさん!」
「大丈夫。私の事は気にしないで」
リリアちゃんは他の魔物に集中してもらおう。劣勢の私達を見て敵が楽しそうに笑ってる。
「まったく。魔物を盾にすれば十分助かるのでは? そのような合理的ではない人間、私嫌いです」
「私もお前の事がきらいよ!」
こんな事言ってるやつに負けるわけにはいかない。いつか絶対に復讐してやる。
「そんな甘っちょろい事をいってるやつが他にもいましたね……えーと……そうだった。メイとかいうやつですね」
は……? メイちゃんに何をした?
「あの人も結構強かったんですけどねぇ……使い魔をかばうなんてしなければ良かったものを」
許さない。何をしたかはしらないけど絶対に殺す。最悪、宝玉だけくれれば別にいっかなって思ってたけど絶対に許さない。
でも今は……出来ない。悔しいよ。それでも後で必ず……!
「おや? おやおやおや? その龍どこか神龍に似てますね」
まずい! なんでバレた?
「なるほど。これは消しておかねば魔王様の身が危ないかもしれません。私の秘術、お見せいたしましょう」
そういうと敵の手のひらに金色に光る球のようなものが出てきた。魔力を吸ってどんどん大きくなっていく。
なるほど。どんな魔法かはしらないけど、とても不味い状況ってことだけは分かった。こんな時にサンドでもいれば……。
球から光線が発射される。私は別の魔法を撃つことで抑えているけど……こめられた魔力が違いすぎる。
魔法がどんどん私の方に近づいてくる。
あと5メートル……3メートル……1メートル……。
「危ない! ホーリーショット!」
もう少しのところで誰かが地上から放った魔法が敵にぶつかる。
「いったぁあぁい! 誰ですか今のは!」
下を見ると……アベルさんだ!
「よそ見をしていたせいで結構なダメージが入りましたか……ここは見逃してあげましょう」
逃がすかって思ったけど、さっきの魔法の爆発で見失ってしまった。でも敵はレッドとグリーンを狙ってまた来るでしょ。その時がおまえの最期だ。
「2人とも大丈夫かい?」
「は、はい! ありがとうございます!」
「本当に助かりました。ありがとうございます」
私達が特に怪我もないという事を確認したアベルさんは険しい表情を戻して、いつもの爽やかスマイルでウインクした。罪な男よ……。
「前に会ったのはダンジョンの説明の時が最後だったかな?」
「そうですね。お久しぶりです」
そうだ。メイちゃんの事なにか知ってたりしないかな。
「そういえばメイちゃんは大丈夫なんですか!? さっきの敵が変な事を言ってたんですけど……」
「あーそうだね。まだ手紙が届いてなかったのか。まぁ無事といえば無事だ」
なんですかその曖昧な言い方は! はっきり言ってください!
「あの子はまぁまぁの怪我をしちゃってね。それは治ったんだけど……もう冒険者は続けられないらしい」
そんな……。
「まぁメイちゃんはそれでも明るかったけど……。後は本人から聞いてくれ。まずは砦に戻ろう」
「はい」
無事で少し安心したよ。それはそれとしてやっぱりあいつは殺す。メイちゃんの仇は絶対に取る。
「逃げるしかないよぉー!!!」
敵の戦い方うざすぎる。こっちは空飛ぶだけで大変なのに、そっちは土を操って魔法をガードって不利すぎるでしょ。正々堂々たたかえっ!
「ミズキさん! 砦が見えてきましたよ!」
良かった。あそこまで逃げれば一旦は助かるはず。ドーラもそろそろ疲れが限界みたいだし……。レッドに追いつけなくなってきてる。
「ドーラ。おいで」
ドーラにはいったん座って休んでもらう。砦までの時間くらい私が稼いでやる!
「貧弱なテイマーが自ら戦うとは……ユニークな人ですねあなたは」
敵がバカにしたように笑ってくる。そう思うんなら今は見逃してくださいお願いします。
今の私は大金かけて作った装備で固めてるんだからね。目にもの見せてやる!
「マッドショット」
「マジックシールド!」
敵が撃ってきた泥魔法をはじく。この魔法はスクロールで無理やり覚えたもので、手のひらの前に巨大な魔法の盾ができるやつだ。
「いたっ……!」
盾なんか普段使い慣れてないからもろに衝撃をくらってしまった。魔法自体は防げても反動が痛すぎる。もっと練習しときゃ良かった。
「大丈夫ですかミズキさん!」
「大丈夫。私の事は気にしないで」
リリアちゃんは他の魔物に集中してもらおう。劣勢の私達を見て敵が楽しそうに笑ってる。
「まったく。魔物を盾にすれば十分助かるのでは? そのような合理的ではない人間、私嫌いです」
「私もお前の事がきらいよ!」
こんな事言ってるやつに負けるわけにはいかない。いつか絶対に復讐してやる。
「そんな甘っちょろい事をいってるやつが他にもいましたね……えーと……そうだった。メイとかいうやつですね」
は……? メイちゃんに何をした?
「あの人も結構強かったんですけどねぇ……使い魔をかばうなんてしなければ良かったものを」
許さない。何をしたかはしらないけど絶対に殺す。最悪、宝玉だけくれれば別にいっかなって思ってたけど絶対に許さない。
でも今は……出来ない。悔しいよ。それでも後で必ず……!
「おや? おやおやおや? その龍どこか神龍に似てますね」
まずい! なんでバレた?
「なるほど。これは消しておかねば魔王様の身が危ないかもしれません。私の秘術、お見せいたしましょう」
そういうと敵の手のひらに金色に光る球のようなものが出てきた。魔力を吸ってどんどん大きくなっていく。
なるほど。どんな魔法かはしらないけど、とても不味い状況ってことだけは分かった。こんな時にサンドでもいれば……。
球から光線が発射される。私は別の魔法を撃つことで抑えているけど……こめられた魔力が違いすぎる。
魔法がどんどん私の方に近づいてくる。
あと5メートル……3メートル……1メートル……。
「危ない! ホーリーショット!」
もう少しのところで誰かが地上から放った魔法が敵にぶつかる。
「いったぁあぁい! 誰ですか今のは!」
下を見ると……アベルさんだ!
「よそ見をしていたせいで結構なダメージが入りましたか……ここは見逃してあげましょう」
逃がすかって思ったけど、さっきの魔法の爆発で見失ってしまった。でも敵はレッドとグリーンを狙ってまた来るでしょ。その時がおまえの最期だ。
「2人とも大丈夫かい?」
「は、はい! ありがとうございます!」
「本当に助かりました。ありがとうございます」
私達が特に怪我もないという事を確認したアベルさんは険しい表情を戻して、いつもの爽やかスマイルでウインクした。罪な男よ……。
「前に会ったのはダンジョンの説明の時が最後だったかな?」
「そうですね。お久しぶりです」
そうだ。メイちゃんの事なにか知ってたりしないかな。
「そういえばメイちゃんは大丈夫なんですか!? さっきの敵が変な事を言ってたんですけど……」
「あーそうだね。まだ手紙が届いてなかったのか。まぁ無事といえば無事だ」
なんですかその曖昧な言い方は! はっきり言ってください!
「あの子はまぁまぁの怪我をしちゃってね。それは治ったんだけど……もう冒険者は続けられないらしい」
そんな……。
「まぁメイちゃんはそれでも明るかったけど……。後は本人から聞いてくれ。まずは砦に戻ろう」
「はい」
無事で少し安心したよ。それはそれとしてやっぱりあいつは殺す。メイちゃんの仇は絶対に取る。
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