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魔王軍
ガルシーア
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「まずは……そうだな。なんでこれを残したか。それは未来のためだ。ここにいたという記録くらいは残したくてな。
静かに暮らしたくてここに引っ越したのに何言ってるんだって感じだけどね。この動画が終われば魔法陣を地上に届けて欲しい。
きっと博物館とかが買ってくれるだろ」
そう言ってケンジさんが笑う。いやいや世紀の大発見なんだけど。消えたんじゃなくてこんな所に引っ越してたの?
「そうだ。紹介するよ。俺の妻だ」
顔が右を向くと若い女の人が立っていた。すごい美人だ。
「若いと思うだろ? これでも40代なんだぞ?」
うそやん。いや、え? え? うそでしょ。
ていうかケンジさんの妻ってことは……。
「もう! 余計なこと言わないでよ!
見えてるかしら。ケンジの妻のユリアでーす。これでも魔法は得意よ」
やっぱり。ユリアさんは伝説の勇者パーティーの一員。無限の魔力を持つ大賢者だったって子供の頃に読んだ絵本に書いてあった。
結局はケンジさんと一緒に消えたって書いてあったけど、ここに居たんだね。
すると場面が変わった。大きな部屋の中に龍がいる。まさか。
「こいつは神龍先輩だ。何度も助けてくれた俺の相棒だ」
「私にはガルシーアという名前があると何度言えば覚えるんだ。よろしく、人の子よ」
やっぱり。この神龍もパーティーの一員。山の上の神殿で眠っていた太古から生きてる伝説の龍だったらしい。
絵本だと勇者と戦って負けたから部下になったみたいに書かれてたけど、思ったよりも仲は良さそう。
また場面が変わった。
時間が経ったのか2人の顔が少し老けたような気がする。
「見てくれ神龍先輩に子供が出来たんだ」
「子供じゃない。私の体の一部から作り出したのだ」
「一緒だろ? かわいいやつらだ」
2匹の魔物が神龍にじゃれついている。神龍と見た目が全然違うんだけど。
片方は空飛ぶこれぞドラゴンって感じの見た目のやつ。
もう片方は大きな亀みたいなやつ。君達ほんとうに兄弟なの?
それからも記憶は続いた。毎日が幸せそうな日々。
夫婦で地上の街に行ったり、神龍達と遊んだり。
面白い話もいっぱい聞けた。倒したドラゴンの秘宝を回収できなかった話とか、古代文明の遺跡でゴーレムを倒した話とか。
一時的に勇者パーティーにいた吸血鬼の話はびっくりしたよ。あと秘宝はくれるらしいから、いつか取りに行こう。
また場面が変わった。でもさっきまでとは違う。なんだか暗い雰囲気を感じる。いつも笑ってたケンジに表情がない。
「これが最後の記憶だ。1ヶ月前に先輩が……ガルシーアが狂った。なんでかは分からねぇ。
分かるのはそれを止めるためにユリアが死んだって事だけだ。本当になんでこんな事になったんだろうな。なんで……」
そういいながらお酒を飲み始めた。椅子を蹴り飛ばして壊してしまった。これで終わりって、そんなの無いよ。
と思ったらまだ続くみたい。もう完全におじいちゃんになっていて寿命が迫ってるのが分かる。
「あれが最後だと思ったけど死ぬ前にもう一つお願いを聞いてくれないか? 死んだと思ってた神龍先輩の子供達は先輩に封印されてたみたいだ。
俺には……先輩を殺すなんてやっぱり出来ない。神龍先輩は俺の残った寿命全部使って弱体化させておくから……出来たらあいつらを助けてやってくれ。そして神龍先輩を楽にしてやってくれないか。頼む」
記憶は今度こそ終わったみたい。まさかこんな感じで終わるなんて。悲しすぎるよ。
私は最初の幸せそうな感じが好きだったのに。
「ミズキさんも見ましたか?」
「リリアちゃんも見たんだ。じゃあ……行こっか」
リリアちゃんもうなずいてくれた。せめて最後の頼みは聞きたい。あっ、まずはケンジさんの骨を埋めてあげよう。ユリアさんの隣にね。
「これがガルシーア……」
大きい……そしてケンジさんの記憶の中にいたガルシーアから変わり果てていた。
目は真っ赤に光って口からは瘴気を出している。ケンジさんの弱体化のせいか体中がボロボロのドラゴンゾンビになっていた。
「今から眠らせてあげる。サンド!」
この部屋は大きいからサンドの巨大化だって使えるね。これなら勝てるはず。ガルシーアもこんな状態じゃ辛いだろうし。
こうして神龍ガルシーアとの戦いが始まった。
静かに暮らしたくてここに引っ越したのに何言ってるんだって感じだけどね。この動画が終われば魔法陣を地上に届けて欲しい。
きっと博物館とかが買ってくれるだろ」
そう言ってケンジさんが笑う。いやいや世紀の大発見なんだけど。消えたんじゃなくてこんな所に引っ越してたの?
「そうだ。紹介するよ。俺の妻だ」
顔が右を向くと若い女の人が立っていた。すごい美人だ。
「若いと思うだろ? これでも40代なんだぞ?」
うそやん。いや、え? え? うそでしょ。
ていうかケンジさんの妻ってことは……。
「もう! 余計なこと言わないでよ!
見えてるかしら。ケンジの妻のユリアでーす。これでも魔法は得意よ」
やっぱり。ユリアさんは伝説の勇者パーティーの一員。無限の魔力を持つ大賢者だったって子供の頃に読んだ絵本に書いてあった。
結局はケンジさんと一緒に消えたって書いてあったけど、ここに居たんだね。
すると場面が変わった。大きな部屋の中に龍がいる。まさか。
「こいつは神龍先輩だ。何度も助けてくれた俺の相棒だ」
「私にはガルシーアという名前があると何度言えば覚えるんだ。よろしく、人の子よ」
やっぱり。この神龍もパーティーの一員。山の上の神殿で眠っていた太古から生きてる伝説の龍だったらしい。
絵本だと勇者と戦って負けたから部下になったみたいに書かれてたけど、思ったよりも仲は良さそう。
また場面が変わった。
時間が経ったのか2人の顔が少し老けたような気がする。
「見てくれ神龍先輩に子供が出来たんだ」
「子供じゃない。私の体の一部から作り出したのだ」
「一緒だろ? かわいいやつらだ」
2匹の魔物が神龍にじゃれついている。神龍と見た目が全然違うんだけど。
片方は空飛ぶこれぞドラゴンって感じの見た目のやつ。
もう片方は大きな亀みたいなやつ。君達ほんとうに兄弟なの?
それからも記憶は続いた。毎日が幸せそうな日々。
夫婦で地上の街に行ったり、神龍達と遊んだり。
面白い話もいっぱい聞けた。倒したドラゴンの秘宝を回収できなかった話とか、古代文明の遺跡でゴーレムを倒した話とか。
一時的に勇者パーティーにいた吸血鬼の話はびっくりしたよ。あと秘宝はくれるらしいから、いつか取りに行こう。
また場面が変わった。でもさっきまでとは違う。なんだか暗い雰囲気を感じる。いつも笑ってたケンジに表情がない。
「これが最後の記憶だ。1ヶ月前に先輩が……ガルシーアが狂った。なんでかは分からねぇ。
分かるのはそれを止めるためにユリアが死んだって事だけだ。本当になんでこんな事になったんだろうな。なんで……」
そういいながらお酒を飲み始めた。椅子を蹴り飛ばして壊してしまった。これで終わりって、そんなの無いよ。
と思ったらまだ続くみたい。もう完全におじいちゃんになっていて寿命が迫ってるのが分かる。
「あれが最後だと思ったけど死ぬ前にもう一つお願いを聞いてくれないか? 死んだと思ってた神龍先輩の子供達は先輩に封印されてたみたいだ。
俺には……先輩を殺すなんてやっぱり出来ない。神龍先輩は俺の残った寿命全部使って弱体化させておくから……出来たらあいつらを助けてやってくれ。そして神龍先輩を楽にしてやってくれないか。頼む」
記憶は今度こそ終わったみたい。まさかこんな感じで終わるなんて。悲しすぎるよ。
私は最初の幸せそうな感じが好きだったのに。
「ミズキさんも見ましたか?」
「リリアちゃんも見たんだ。じゃあ……行こっか」
リリアちゃんもうなずいてくれた。せめて最後の頼みは聞きたい。あっ、まずはケンジさんの骨を埋めてあげよう。ユリアさんの隣にね。
「これがガルシーア……」
大きい……そしてケンジさんの記憶の中にいたガルシーアから変わり果てていた。
目は真っ赤に光って口からは瘴気を出している。ケンジさんの弱体化のせいか体中がボロボロのドラゴンゾンビになっていた。
「今から眠らせてあげる。サンド!」
この部屋は大きいからサンドの巨大化だって使えるね。これなら勝てるはず。ガルシーアもこんな状態じゃ辛いだろうし。
こうして神龍ガルシーアとの戦いが始まった。
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