32 / 58
新世界
ダンジョン攻略!
しおりを挟む
ボス部屋にあったのは村だった。もちろん人間のじゃない。ゴブリンの村。
お祭りでもしてるのか、中央の広場の椅子に座ってるゴブリンキングを中心にたくさんの剣を持ったゴブリン達が踊ってる。
「へ!? イカヅチさん、こんな事ってあるんですか?」
「うーん。あんまり聞かないけど、ダンジョンマスターの好み次第だからね。どんなボスが出てきてもおかしくないし、何匹いてもおかしくない。油断しないようにね」
「はい!」
へー。ダンジョンって面白いね。人を襲わないダンジョンとかもあればいいのに……。
今はそんな事考えてる暇はなさそうだけどね。ゴブリン達がこっちに気づいた。
「グエグエッ!」
ゴブリンキングの指示で踊っていたゴブリン達がいっせいに襲いかかってきた。ざっと40匹くらいかな?
「サンド。頑張って!」
ゴブリンだったら巨大化したサンドの方が戦いやすいかな。私が魔道具に魔力を送り込むと、反応したサンドの魔道具もサンドから魔力を吸い取り始める。
「オオオオオォォォォン!!」
サンドの持っている大量の魔力で、あっという間にサンドは5メートルくらいまで大きくなる。
「サンドの魔力量すごいいわね。私達も負けてられないわ! いくわよブルー!」
うわっ。ブルーもすごく大きくなった。これはサンドをもっと大きく……。
「ミズキさん! 対抗しようなんて考えちゃだめですよ! サンドちゃんはそのくらいが一番いいんですから」
なんでバレたの!? リリアちゃんに怒られちゃった。まさかドルちゃんの影響でリリアちゃんまでエスパーになったんじゃ……。
そんなやり取りをしているうちに、ゴブリンはほとんどいなくなっていた。死体は……そういえばダンジョンだと消えるんだっけ。
「あれ? ゴブリンキングも倒したのに扉が開かないわね」
ほんとだ。どこにいるんだろ?
建物の中を調べようとしてゴブリンの家のドアを開けると、短剣を持ったゴブリンが飛び出してきた。
うわっ! 刺される!
と思った次の瞬間。私はイカヅチさんの腕の中にいた。
「怪我はないかい?」
「はい……」
本当に危なかった。後少し遅かったら多分、刺されていたと思う。
「どんな相手でも油断しちゃいけないよ。それで死んでいった若い冒険者は多い。それを忘れちゃいけないよ」
「分かりました。ありがとうございます……」
そうだった。毎日ギルドの張り紙で見てるのに。冒険者の心得一番、油断大敵。いつでも誰かが守ってくれるとは限らない。ちゃんと覚えておかないとね。
その後は特に危ない場面は無かった。強い魔物はイカヅチさんがなんとかしてくれるしね。
それでもさっきの事は一生忘れないようにしよう。
「ドーラ。ヒール!」
この階層のボス、ジャイアントスケルトンが浄化されて消えた。結構手強かった~。お疲れ様。ドーラ。
「これで第五階層も終わりですね。もう疲れました……」
リリアちゃんとメイちゃんも疲れちゃったみたい。私も足が棒になりそうだよ。ダンジョンの廊下とか階段ってなんでこんな長いんだろ。
「3人ともよく頑張ったね。それじゃあ休憩にしようか」
イカヅチさんがカバンから椅子とテントと鍋と食材と……どう考えても入らないでしょ!
「大きいだろ? これは行きつけの魔道具店で買ったカバンだよ。金貨6枚だったかな?」
金貨6枚……このダンジョンの報酬が金貨3枚でしょ? そして貯金を合わせればギリギリ……でも何かあった時の備えも大事だし……。
「このカバンには他にも入ってる物の時間を遅らせる魔法とかかかってるよ。泊りがけの冒険でも、いろんな料理が作れて便利なんだ」
買ったぁ! 外での楽しみはご飯くらい。そしてモチベーションは冒険者にとって大事なもの。
だからこれは仕事のための仕方ない出費。必要経費なんだよ。うんうん。だからセーフ……なんと言おうとセーフなんだよっ!
あつあつの卵スープとチャーハンのお昼ご飯を食べた私達はダンジョン攻略に戻ることにした。まさかイカヅチさんが、あんな料理上手だったなんて……今度おしえてもらお。
もう見慣れてきた長い階段を降りる。でも、そこは今までの階層と明らかに違った。
「なんでこんなに魔物が……スタンピードで使いきったはずじゃ……」
メイちゃんがつぶやく。目の前には何百という魔物。しかもオークジャネラルとかスケルトンナイトみたいな、そこそこ強い魔物ばかり。
こんなたくさんの魔物を集めて何がしたいんだろ。
「3人とも見てくれ。あれがダンジョンマスターの部屋だ」
イカヅチさんが指を指した先には金ピカの豪華な扉があった。
あれがこのダンジョンの心臓部。ダンジョンマスターのいる部屋なんだ。成金趣味で嫌だなぁ。
「このダンジョンは明らかにおかしい。ここから先は僕がやる。3人はここでじっとしといてくれ」
そう言うとイカヅチさんは魔物の群れの中に飛び込んでいった。
たくさんの魔物が侵入者にむかって襲いかかる。しかし、次の瞬間には魔物は死体になって消えていった。
強すぎる……。これがSSランク。私が目指しているSSSランクになるにはどれだけ強くなれば良いんだろ。遠いなぁ。
それでもドーラとなら、いつかはなれるはず。今はサンドもリリアちゃんもいるんだから。イカヅチさんにも勝てるようにならなくちゃ!
すると全部の魔物を倒したイカヅチさんが戻ってきた。
「さぁあの部屋に入ろうか。あのスタンピードの原因を聞くために」
お祭りでもしてるのか、中央の広場の椅子に座ってるゴブリンキングを中心にたくさんの剣を持ったゴブリン達が踊ってる。
「へ!? イカヅチさん、こんな事ってあるんですか?」
「うーん。あんまり聞かないけど、ダンジョンマスターの好み次第だからね。どんなボスが出てきてもおかしくないし、何匹いてもおかしくない。油断しないようにね」
「はい!」
へー。ダンジョンって面白いね。人を襲わないダンジョンとかもあればいいのに……。
今はそんな事考えてる暇はなさそうだけどね。ゴブリン達がこっちに気づいた。
「グエグエッ!」
ゴブリンキングの指示で踊っていたゴブリン達がいっせいに襲いかかってきた。ざっと40匹くらいかな?
「サンド。頑張って!」
ゴブリンだったら巨大化したサンドの方が戦いやすいかな。私が魔道具に魔力を送り込むと、反応したサンドの魔道具もサンドから魔力を吸い取り始める。
「オオオオオォォォォン!!」
サンドの持っている大量の魔力で、あっという間にサンドは5メートルくらいまで大きくなる。
「サンドの魔力量すごいいわね。私達も負けてられないわ! いくわよブルー!」
うわっ。ブルーもすごく大きくなった。これはサンドをもっと大きく……。
「ミズキさん! 対抗しようなんて考えちゃだめですよ! サンドちゃんはそのくらいが一番いいんですから」
なんでバレたの!? リリアちゃんに怒られちゃった。まさかドルちゃんの影響でリリアちゃんまでエスパーになったんじゃ……。
そんなやり取りをしているうちに、ゴブリンはほとんどいなくなっていた。死体は……そういえばダンジョンだと消えるんだっけ。
「あれ? ゴブリンキングも倒したのに扉が開かないわね」
ほんとだ。どこにいるんだろ?
建物の中を調べようとしてゴブリンの家のドアを開けると、短剣を持ったゴブリンが飛び出してきた。
うわっ! 刺される!
と思った次の瞬間。私はイカヅチさんの腕の中にいた。
「怪我はないかい?」
「はい……」
本当に危なかった。後少し遅かったら多分、刺されていたと思う。
「どんな相手でも油断しちゃいけないよ。それで死んでいった若い冒険者は多い。それを忘れちゃいけないよ」
「分かりました。ありがとうございます……」
そうだった。毎日ギルドの張り紙で見てるのに。冒険者の心得一番、油断大敵。いつでも誰かが守ってくれるとは限らない。ちゃんと覚えておかないとね。
その後は特に危ない場面は無かった。強い魔物はイカヅチさんがなんとかしてくれるしね。
それでもさっきの事は一生忘れないようにしよう。
「ドーラ。ヒール!」
この階層のボス、ジャイアントスケルトンが浄化されて消えた。結構手強かった~。お疲れ様。ドーラ。
「これで第五階層も終わりですね。もう疲れました……」
リリアちゃんとメイちゃんも疲れちゃったみたい。私も足が棒になりそうだよ。ダンジョンの廊下とか階段ってなんでこんな長いんだろ。
「3人ともよく頑張ったね。それじゃあ休憩にしようか」
イカヅチさんがカバンから椅子とテントと鍋と食材と……どう考えても入らないでしょ!
「大きいだろ? これは行きつけの魔道具店で買ったカバンだよ。金貨6枚だったかな?」
金貨6枚……このダンジョンの報酬が金貨3枚でしょ? そして貯金を合わせればギリギリ……でも何かあった時の備えも大事だし……。
「このカバンには他にも入ってる物の時間を遅らせる魔法とかかかってるよ。泊りがけの冒険でも、いろんな料理が作れて便利なんだ」
買ったぁ! 外での楽しみはご飯くらい。そしてモチベーションは冒険者にとって大事なもの。
だからこれは仕事のための仕方ない出費。必要経費なんだよ。うんうん。だからセーフ……なんと言おうとセーフなんだよっ!
あつあつの卵スープとチャーハンのお昼ご飯を食べた私達はダンジョン攻略に戻ることにした。まさかイカヅチさんが、あんな料理上手だったなんて……今度おしえてもらお。
もう見慣れてきた長い階段を降りる。でも、そこは今までの階層と明らかに違った。
「なんでこんなに魔物が……スタンピードで使いきったはずじゃ……」
メイちゃんがつぶやく。目の前には何百という魔物。しかもオークジャネラルとかスケルトンナイトみたいな、そこそこ強い魔物ばかり。
こんなたくさんの魔物を集めて何がしたいんだろ。
「3人とも見てくれ。あれがダンジョンマスターの部屋だ」
イカヅチさんが指を指した先には金ピカの豪華な扉があった。
あれがこのダンジョンの心臓部。ダンジョンマスターのいる部屋なんだ。成金趣味で嫌だなぁ。
「このダンジョンは明らかにおかしい。ここから先は僕がやる。3人はここでじっとしといてくれ」
そう言うとイカヅチさんは魔物の群れの中に飛び込んでいった。
たくさんの魔物が侵入者にむかって襲いかかる。しかし、次の瞬間には魔物は死体になって消えていった。
強すぎる……。これがSSランク。私が目指しているSSSランクになるにはどれだけ強くなれば良いんだろ。遠いなぁ。
それでもドーラとなら、いつかはなれるはず。今はサンドもリリアちゃんもいるんだから。イカヅチさんにも勝てるようにならなくちゃ!
すると全部の魔物を倒したイカヅチさんが戻ってきた。
「さぁあの部屋に入ろうか。あのスタンピードの原因を聞くために」
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
サイキック・ガール!
スズキアカネ
恋愛
『──あなたは、超能力者なんです』
そこは、不思議な能力を持つ人間が集う不思議な研究都市。ユニークな能力者に囲まれた、ハチャメチャな私の学園ライフがはじまる。
どんな場所に置かれようと、私はなにものにも縛られない!
車を再起不能にする程度の超能力を持つ少女・藤が織りなすサイキックラブコメディ!
※
無断転載転用禁止
Do not repost.
攻撃特化と守備特化、無敵の双子は矛と盾!
天眼鏡
ファンタジー
とある辺境の地で母とともに暮らす双子の姉妹。
一見、普通の女の子としか思えない二人だが……?
「どこの世界に単なる貧乏ゆすりで地震を起こす餓鬼がいるんだよ!!」
「何で崩落に巻き込まれておいて身体どころか髪や服にすら傷一つ無いのよ!!」
そう、残念ながら彼女たちは普通ではなかった。
これは、攻撃に特化しすぎている為に異常なほど魔法が効きすぎてしまう脳筋な姉と。
守備に特化しすぎている為にナイフやフォークより重い物は全く持てない馬鹿真面目な妹の。
ほんのり姉妹百合風味なドタバタ冒険譚である。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる