21 / 58
新世界
ランクアップ試験
しおりを挟む
私はリリアちゃんとメイちゃんの三人でテイマー協会の売店にお買い物に来ていた。ここの品揃えが良いって教えてもらったからね。
色々と見ているとメイちゃんが声をかけてきた。
「あ、もうそろそろ時間じゃない?」
メイちゃんが時計を見せてくれた。今は……17時!?
まずい。後三十分で試験じゃん。うわっ、ダッシュしないと。
「全く……今日は特別にブルーで送ってあげるわ。巨大化すれば二人くらいなら乗れるから」
神様! ありがとうございます!
「全く。都合のいい時だけそんな顔するんじゃないわよ」
えへへ。そんな事言わないでよメイえもん。
飛んできたから十五分で着いた。間に合って良かった。
「ありがとうブルー」
お菓子をあげると喜んでメイちゃんの方に帰っていった。よし。メイちゃんの応援を無駄にしないように絶対に合格するぞ!
大都市だからギルドも大きい。当然試験をする場所も広かった。
それどころか結構ちゃんと整備された直径三十メートルはあるグラウンドだった。
前回の試験の時の小さな広場が懐かしいね。でも今回は観客がいないみたい。
というか聞いた感じだと本当は試験で部外者は入っちゃだめみたい。田舎のギルドだったからその辺が緩かっただけみたい。
私は準備を終えてグラウンドに入った。緊張するなぁ……深呼吸深呼吸。
使い魔は収納してるけどこの子達も緊張してるのが伝わってくる。一緒に頑張ろうね!
さーて、試験官はどんな人だろう。出来るだけ相性が良い人が良いけど……。
あっ入ってきた。って……え?
「やぁ。ミズキちゃん。突然ごめんね。メイがあれだけ言う君の実力が気になって、試験官になれるようにギルドにお願いしてみたんだ。……期待してるよ?」
入ってきたのはイカヅチさんだった。いや、「期待してるよ?」じゃないよ。
イカヅチさんSSランクだよね? 試験だから手加減はしてくれるだろうけど怖い怖い!
「いやぁ……私は普通の冒険者ですよ?」
「そんな弱気じゃSSSランクにはなれないよ? そうだねぇ……僕に勝ったら大会への推薦状をあげよう。やる気出た?」
うっ……推薦状は欲しいなぁ。これがあれば予選を受けなくても良かったはず。
それに弱気じゃだめだよね。よし! SSランクがなんだ!
いけるぞミズキ!
「ありがとうございます。それなら負けるわけにはいきませんね。私の使い魔達には頑張って貰います」
ドーラ、サンド。頼んだよ!
「その意気だ。それじゃあ始めるよ!」
イカヅチさんは魔術師だったはず。その中でも雷属性とかの、威力が弱い代わりに素早い魔法が得意な人だったよね。
それじゃあこっちも素早さ勝負だよ。
「頑張ってドーラ!」
私は相棒のドーラを出した。いつもはおふざけが好きなドーラだけど、こういう時はいつも真剣だ。そこが好きな所なんだけどね。
「可愛いドラゴンだね。さっきの様子からして早そうだ。僕と同じような戦い方かな?」
もうバレてる!? 流石SSランク……でもうちのドーラは火力も高いよ!
「ドーラ。ウォータージェット!」
水が勢い良くイカヅチさんに向かって飛んでいく。イカヅチさんは足を強化して避けようとしたけど、逃げてもしっかり追いかける。
「なかなか早いね。これでもついて来れるかな?」
そう言った途端、イカヅチさんが急加速した。水が当たらな……まずい!
「避けて、ドーラ!」
いつの間にかドーラの目の前まで来ていた。でもドーラは避けれたみたい。危なかった……。
「僕の狙いは君だよ!」
次の瞬間イカヅチさんが私の目の前にいた。急いで防御魔法を使ったけど、即席の魔法はあまり守ってくれなくて攻撃を食らってしまった。
イタタ……。いつもは動きやすいように軽装にしてたけど、それが仇になっちゃった。
「縮地は知らなかったかな? テイマーは弱いんだから、もっと使い魔から離れた方がいいよ」
そんなアドバイスまで貰ってしまった。イカヅチさんはまだまだ余裕だね……。
一回くらいなら良いけど、あまり攻撃を食らっちゃうと負けちゃう。言われた通り、もっと後ろに下がらなきゃ……。
「この間も勝負は続いているよ! 使い魔の事を忘れちゃだめじゃないか!」
あっ……私が考え事をしていたせいでドーラが! なんとか避けれたけど……気を抜いちゃだめだミズキ!
「まぁEランクだったらこんな物かな……。メイには及ばないけど使い魔は強いし、まぁ合格にしてあげても良いだろう」
イカヅチさんが小さく呟いた。本人は独り言のつもりだろうけど、私は結構耳がいいからね。言ってる事が正しいから耳が痛いよ。
でも、こう言われちゃ私も言われたままじゃいられない。ドーラが強いだけじゃ嫌。私も一緒に強くなりたい。それに……メイちゃんにも負けたくない!
「お疲れ様。戻ってドーラ。任せるよ、サンド!」
素早さの代わりに耐久と火力で勝負! 本気で行くよ! サンド、巨大化!
私は腕に着けた巨大化の魔道具に魔力を注ぎ込む。それによって私のに対応したサンドの魔道具も起動した。
サンドがどんどん大きくなる。三メートル、五メートル……まだまだサンドはこんな物じゃない。もっと魔力を注ぎ込んでいく。
「これは大きいね。でも僕の速さについてこれるかな?」
もちろんサンドはイカヅチさんに追いつけない。でも私がイカヅチさんの動きを予測すれば当てられる!
必死に頭を働かせる。今までのイカヅチさんの動き……メイちゃんの言ってた動きから予測するんだ。
「サンド、右に避けて! 次は左に攻撃! そしたら魔法で範囲攻撃をしてイカヅチさんを遠ざけて!」
サンドは体が大きいし魔力はたくさんある。少しでも攻撃が当たれば大ダメージ。
またイカヅチさんが近づいてきてる。気づかれずにさり気なく近寄って来るのすごいね。
でもさっきの失敗は繰り返さないよ!
私はしっかり距離をとる。そしてサンドに私に防御魔法をかけて貰った。
「しっかり今までの事を活かしてるね。でも……これで終わりだ!」
イカヅチさんが更に速くなった!? ていうかもう見えないよ!
サンドが攻撃されてる!
「上……次は右から来る!」
だめだ。早すぎて考えてる暇が無い。
それにポーションでサンドを回復しとかないと。
でも投げたポーションはあっさり魔法で割られてしまった。
次の一手は……何を……。
色々と見ているとメイちゃんが声をかけてきた。
「あ、もうそろそろ時間じゃない?」
メイちゃんが時計を見せてくれた。今は……17時!?
まずい。後三十分で試験じゃん。うわっ、ダッシュしないと。
「全く……今日は特別にブルーで送ってあげるわ。巨大化すれば二人くらいなら乗れるから」
神様! ありがとうございます!
「全く。都合のいい時だけそんな顔するんじゃないわよ」
えへへ。そんな事言わないでよメイえもん。
飛んできたから十五分で着いた。間に合って良かった。
「ありがとうブルー」
お菓子をあげると喜んでメイちゃんの方に帰っていった。よし。メイちゃんの応援を無駄にしないように絶対に合格するぞ!
大都市だからギルドも大きい。当然試験をする場所も広かった。
それどころか結構ちゃんと整備された直径三十メートルはあるグラウンドだった。
前回の試験の時の小さな広場が懐かしいね。でも今回は観客がいないみたい。
というか聞いた感じだと本当は試験で部外者は入っちゃだめみたい。田舎のギルドだったからその辺が緩かっただけみたい。
私は準備を終えてグラウンドに入った。緊張するなぁ……深呼吸深呼吸。
使い魔は収納してるけどこの子達も緊張してるのが伝わってくる。一緒に頑張ろうね!
さーて、試験官はどんな人だろう。出来るだけ相性が良い人が良いけど……。
あっ入ってきた。って……え?
「やぁ。ミズキちゃん。突然ごめんね。メイがあれだけ言う君の実力が気になって、試験官になれるようにギルドにお願いしてみたんだ。……期待してるよ?」
入ってきたのはイカヅチさんだった。いや、「期待してるよ?」じゃないよ。
イカヅチさんSSランクだよね? 試験だから手加減はしてくれるだろうけど怖い怖い!
「いやぁ……私は普通の冒険者ですよ?」
「そんな弱気じゃSSSランクにはなれないよ? そうだねぇ……僕に勝ったら大会への推薦状をあげよう。やる気出た?」
うっ……推薦状は欲しいなぁ。これがあれば予選を受けなくても良かったはず。
それに弱気じゃだめだよね。よし! SSランクがなんだ!
いけるぞミズキ!
「ありがとうございます。それなら負けるわけにはいきませんね。私の使い魔達には頑張って貰います」
ドーラ、サンド。頼んだよ!
「その意気だ。それじゃあ始めるよ!」
イカヅチさんは魔術師だったはず。その中でも雷属性とかの、威力が弱い代わりに素早い魔法が得意な人だったよね。
それじゃあこっちも素早さ勝負だよ。
「頑張ってドーラ!」
私は相棒のドーラを出した。いつもはおふざけが好きなドーラだけど、こういう時はいつも真剣だ。そこが好きな所なんだけどね。
「可愛いドラゴンだね。さっきの様子からして早そうだ。僕と同じような戦い方かな?」
もうバレてる!? 流石SSランク……でもうちのドーラは火力も高いよ!
「ドーラ。ウォータージェット!」
水が勢い良くイカヅチさんに向かって飛んでいく。イカヅチさんは足を強化して避けようとしたけど、逃げてもしっかり追いかける。
「なかなか早いね。これでもついて来れるかな?」
そう言った途端、イカヅチさんが急加速した。水が当たらな……まずい!
「避けて、ドーラ!」
いつの間にかドーラの目の前まで来ていた。でもドーラは避けれたみたい。危なかった……。
「僕の狙いは君だよ!」
次の瞬間イカヅチさんが私の目の前にいた。急いで防御魔法を使ったけど、即席の魔法はあまり守ってくれなくて攻撃を食らってしまった。
イタタ……。いつもは動きやすいように軽装にしてたけど、それが仇になっちゃった。
「縮地は知らなかったかな? テイマーは弱いんだから、もっと使い魔から離れた方がいいよ」
そんなアドバイスまで貰ってしまった。イカヅチさんはまだまだ余裕だね……。
一回くらいなら良いけど、あまり攻撃を食らっちゃうと負けちゃう。言われた通り、もっと後ろに下がらなきゃ……。
「この間も勝負は続いているよ! 使い魔の事を忘れちゃだめじゃないか!」
あっ……私が考え事をしていたせいでドーラが! なんとか避けれたけど……気を抜いちゃだめだミズキ!
「まぁEランクだったらこんな物かな……。メイには及ばないけど使い魔は強いし、まぁ合格にしてあげても良いだろう」
イカヅチさんが小さく呟いた。本人は独り言のつもりだろうけど、私は結構耳がいいからね。言ってる事が正しいから耳が痛いよ。
でも、こう言われちゃ私も言われたままじゃいられない。ドーラが強いだけじゃ嫌。私も一緒に強くなりたい。それに……メイちゃんにも負けたくない!
「お疲れ様。戻ってドーラ。任せるよ、サンド!」
素早さの代わりに耐久と火力で勝負! 本気で行くよ! サンド、巨大化!
私は腕に着けた巨大化の魔道具に魔力を注ぎ込む。それによって私のに対応したサンドの魔道具も起動した。
サンドがどんどん大きくなる。三メートル、五メートル……まだまだサンドはこんな物じゃない。もっと魔力を注ぎ込んでいく。
「これは大きいね。でも僕の速さについてこれるかな?」
もちろんサンドはイカヅチさんに追いつけない。でも私がイカヅチさんの動きを予測すれば当てられる!
必死に頭を働かせる。今までのイカヅチさんの動き……メイちゃんの言ってた動きから予測するんだ。
「サンド、右に避けて! 次は左に攻撃! そしたら魔法で範囲攻撃をしてイカヅチさんを遠ざけて!」
サンドは体が大きいし魔力はたくさんある。少しでも攻撃が当たれば大ダメージ。
またイカヅチさんが近づいてきてる。気づかれずにさり気なく近寄って来るのすごいね。
でもさっきの失敗は繰り返さないよ!
私はしっかり距離をとる。そしてサンドに私に防御魔法をかけて貰った。
「しっかり今までの事を活かしてるね。でも……これで終わりだ!」
イカヅチさんが更に速くなった!? ていうかもう見えないよ!
サンドが攻撃されてる!
「上……次は右から来る!」
だめだ。早すぎて考えてる暇が無い。
それにポーションでサンドを回復しとかないと。
でも投げたポーションはあっさり魔法で割られてしまった。
次の一手は……何を……。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説

スローライフとは何なのか? のんびり建国記
久遠 れんり
ファンタジー
突然の異世界転移。
ちょっとした事故により、もう世界の命運は、一緒に来た勇者くんに任せることにして、いきなり告白された彼女と、日本へ帰る事を少し思いながら、どこでもキャンプのできる異世界で、のんびり暮らそうと密かに心に決める。
だけどまあ、そんな事は夢の夢。
現実は、そんな考えを許してくれなかった。
三日と置かず、騒動は降ってくる。
基本は、いちゃこらファンタジーの予定。
そんな感じで、進みます。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる