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新世界
巨大ゴーレム
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扉の中は変な機械ばっかりの部屋だった。ボタンやらレバーやらがいっぱいある。
すごい! この椅子めっちゃふわふわだ。
部屋の向こう側には真っ黒な壁がある。
「ねぇねぇ! ボク変なボタンを見つけたよ」
ドーラの方を見ると赤いボタンに近づいていく所だった。絶対それやばいやつだって!
触っちゃだめ!
しかし私が止めるのも間に合わず、ボタンを押してしまった。
ビー! ビー!
サイレンが鳴って、向こう側の真っ黒な壁に古代文字が映った。
"サイシュウヘイキノキドウジュンビカンリョウ。マダオクナイニノコッテイルミナサンハタダチニタイヒシテクダサイ"
壁の字の意味は分からないけど、サイレンの意味は分かる。
「リリアちゃん! 逃げるよ! ドーラは後でお説教!」
ドーラとワンコロとドルちゃんを収納した私達は急いで外に向かった。魔物達が邪魔してくるかと思ったけど、もうみんなどこかに行っていた。察しのいい奴らめ。
やばい! 後ろの廊下がどんどん崩れてく! 間に合うかなこれ!?
うわぁぁぁ!! もう十メートルもないよ!
「そうでした! ドルちゃん!」
どうしたの!? と思ったらぬいぐるみ……ドルちゃんを出したリリアちゃんが消滅した。
どういう事!?
今度はドルちゃん一匹で私の前に現れた。すると視界が突然明るくなった。隣にはリリアちゃんもいる。
一体何があったのかは分からないけど、今は外にいる。
リリアちゃんとドルちゃんが助けてくれたみたい。
「ふぅ……間に合って良かったです。そういえばドルちゃんが短い範囲ならテレポート使えるのを思い出したんです。魔力は信じられないほど使いましたけどね」
「ありがとう! 怖かったよぉ……」
「大丈夫ですよ。もう安全です」
え……こんな所にかっこいいイケメンが? 違ったリリアちゃんだった。危うく惚れる所だったよ。
でもね、安全かどうかはまだ分からないよ。私はさっき……。
その時。地面が揺れて、後ろから轟音が聞こえてきた。
見ると、大きな柱が地面から上がってきた。いや、柱じゃない。
あれは指なんだ。
ほら、手が出てきて……腕が出てきて……とうとう体全体が出てきた。全長十五メートルは超えてそうな巨大ゴーレムだ……。
「ウオーーン!!」
嘘……大きすぎ。って、ああ! 腕に巨大化の魔道具がついてる!
魔力を断ち切れば小さくなるはず……。
「ドーラ。どこから魔力が供給されてるか分かる?」
「ちょっと待っててね……見つけた。ゴーレムの後ろだ」
後ろ? なんかいる! あれは……人の形をした人形?
あれを倒せば普通のゴーレムになるはず。
「ドーラ! アイスボール!」
でも氷の玉はゴーレムに止められてしまった。うーん、結局ゴーレムを倒すしか無いかな。
あぶな! ゴーレムが腕を振り下ろしてきた。こんな巨体だから体を動かすだけで武器だよ。一応、短剣を取り出してみたけど……。
そうだ! リリアちゃんと協力すれば!
「ドーラ! 水を出して!」
「分かった!」
ドーラが大量の水を出した。
「リリアちゃん! ドルちゃんを!」
リリアちゃんはそれだけで察してくれた。パーティー同士で心が通じ合っているようで嬉しい。
ドルちゃんが念力で水をゴーレムにぶつける。
ゴーレムの体の岩を繋げている土に染み込んで、ゴーレムにダメージを与えた。
ゴーレムの動きが遅くなる。ここで攻撃をしたいけど、魔力を練るのに時間がかかるらしい。
仕方ない。私が時間を稼ぐよ! ワンコロにも手伝って欲しいけど、テイマーは基本二匹以上を指示するのは難しいからね。
自分の全身に強化魔法をかける。よーし、こっちだよ!
ゴーレムが今度は右腕を振り下ろしてきた。魔力を練ってるドーラは避けられなさそうだ。だったら守るのは私の役目だよね!
腕を短剣で受け止めた。うわぁ……強化しててもキツイなぁ。
ゴーレムが左腕で私の背中を殴ろうとしてきた。それは聞いてないよ!?
「後ろは私に任せてください!」
リリアちゃんが飛び込んできて、ゴーレムの左腕を弾いてくれた。
ありがとうリリアちゃん。今ならいけるはず!
私達二人……いや、ドーラやドルちゃん、今はいないけどワンコロもいる。私のパーティーの力を見せてあげる!
「ドーラ! ドラゴンブレス!」
「ドルちゃん! 念力!」
私達二人の攻撃でゴーレムの動きが止まった。倒せては無いけど、今はこれで十分だよ!
パーティー最後の一匹も働いて貰うよ! リリアちゃんがドルちゃんを引っ込めてワンコロを出した。
「ありがとうドルちゃん! ワンコロ。あの後ろの人形を倒してきて!」
ワンコロがコボルトの身体能力を使って走っていく。ゴーレムが慌てて止めようとするけど追いつかない。
人間には出来ない事を出来る魔物と一緒に戦うテイマーならではの戦い方だよ!
ワンコロが人形を斬りつけた。さっきまで動いていた人形に大きな切り傷がついて動かなくなった。
「グォォォォ!」
魔力の供給が止まってゴーレムが小さくなった。と言ってもまだ三メートルはあるけどね。
でもこれくらいなら、私とドーラの敵じゃ無いよ!
「ドーラ! 今日もお願い!」
「ボクに任せて!」
ドーラの攻撃とゴーレムがぶつかった。
すごい! この椅子めっちゃふわふわだ。
部屋の向こう側には真っ黒な壁がある。
「ねぇねぇ! ボク変なボタンを見つけたよ」
ドーラの方を見ると赤いボタンに近づいていく所だった。絶対それやばいやつだって!
触っちゃだめ!
しかし私が止めるのも間に合わず、ボタンを押してしまった。
ビー! ビー!
サイレンが鳴って、向こう側の真っ黒な壁に古代文字が映った。
"サイシュウヘイキノキドウジュンビカンリョウ。マダオクナイニノコッテイルミナサンハタダチニタイヒシテクダサイ"
壁の字の意味は分からないけど、サイレンの意味は分かる。
「リリアちゃん! 逃げるよ! ドーラは後でお説教!」
ドーラとワンコロとドルちゃんを収納した私達は急いで外に向かった。魔物達が邪魔してくるかと思ったけど、もうみんなどこかに行っていた。察しのいい奴らめ。
やばい! 後ろの廊下がどんどん崩れてく! 間に合うかなこれ!?
うわぁぁぁ!! もう十メートルもないよ!
「そうでした! ドルちゃん!」
どうしたの!? と思ったらぬいぐるみ……ドルちゃんを出したリリアちゃんが消滅した。
どういう事!?
今度はドルちゃん一匹で私の前に現れた。すると視界が突然明るくなった。隣にはリリアちゃんもいる。
一体何があったのかは分からないけど、今は外にいる。
リリアちゃんとドルちゃんが助けてくれたみたい。
「ふぅ……間に合って良かったです。そういえばドルちゃんが短い範囲ならテレポート使えるのを思い出したんです。魔力は信じられないほど使いましたけどね」
「ありがとう! 怖かったよぉ……」
「大丈夫ですよ。もう安全です」
え……こんな所にかっこいいイケメンが? 違ったリリアちゃんだった。危うく惚れる所だったよ。
でもね、安全かどうかはまだ分からないよ。私はさっき……。
その時。地面が揺れて、後ろから轟音が聞こえてきた。
見ると、大きな柱が地面から上がってきた。いや、柱じゃない。
あれは指なんだ。
ほら、手が出てきて……腕が出てきて……とうとう体全体が出てきた。全長十五メートルは超えてそうな巨大ゴーレムだ……。
「ウオーーン!!」
嘘……大きすぎ。って、ああ! 腕に巨大化の魔道具がついてる!
魔力を断ち切れば小さくなるはず……。
「ドーラ。どこから魔力が供給されてるか分かる?」
「ちょっと待っててね……見つけた。ゴーレムの後ろだ」
後ろ? なんかいる! あれは……人の形をした人形?
あれを倒せば普通のゴーレムになるはず。
「ドーラ! アイスボール!」
でも氷の玉はゴーレムに止められてしまった。うーん、結局ゴーレムを倒すしか無いかな。
あぶな! ゴーレムが腕を振り下ろしてきた。こんな巨体だから体を動かすだけで武器だよ。一応、短剣を取り出してみたけど……。
そうだ! リリアちゃんと協力すれば!
「ドーラ! 水を出して!」
「分かった!」
ドーラが大量の水を出した。
「リリアちゃん! ドルちゃんを!」
リリアちゃんはそれだけで察してくれた。パーティー同士で心が通じ合っているようで嬉しい。
ドルちゃんが念力で水をゴーレムにぶつける。
ゴーレムの体の岩を繋げている土に染み込んで、ゴーレムにダメージを与えた。
ゴーレムの動きが遅くなる。ここで攻撃をしたいけど、魔力を練るのに時間がかかるらしい。
仕方ない。私が時間を稼ぐよ! ワンコロにも手伝って欲しいけど、テイマーは基本二匹以上を指示するのは難しいからね。
自分の全身に強化魔法をかける。よーし、こっちだよ!
ゴーレムが今度は右腕を振り下ろしてきた。魔力を練ってるドーラは避けられなさそうだ。だったら守るのは私の役目だよね!
腕を短剣で受け止めた。うわぁ……強化しててもキツイなぁ。
ゴーレムが左腕で私の背中を殴ろうとしてきた。それは聞いてないよ!?
「後ろは私に任せてください!」
リリアちゃんが飛び込んできて、ゴーレムの左腕を弾いてくれた。
ありがとうリリアちゃん。今ならいけるはず!
私達二人……いや、ドーラやドルちゃん、今はいないけどワンコロもいる。私のパーティーの力を見せてあげる!
「ドーラ! ドラゴンブレス!」
「ドルちゃん! 念力!」
私達二人の攻撃でゴーレムの動きが止まった。倒せては無いけど、今はこれで十分だよ!
パーティー最後の一匹も働いて貰うよ! リリアちゃんがドルちゃんを引っ込めてワンコロを出した。
「ありがとうドルちゃん! ワンコロ。あの後ろの人形を倒してきて!」
ワンコロがコボルトの身体能力を使って走っていく。ゴーレムが慌てて止めようとするけど追いつかない。
人間には出来ない事を出来る魔物と一緒に戦うテイマーならではの戦い方だよ!
ワンコロが人形を斬りつけた。さっきまで動いていた人形に大きな切り傷がついて動かなくなった。
「グォォォォ!」
魔力の供給が止まってゴーレムが小さくなった。と言ってもまだ三メートルはあるけどね。
でもこれくらいなら、私とドーラの敵じゃ無いよ!
「ドーラ! 今日もお願い!」
「ボクに任せて!」
ドーラの攻撃とゴーレムがぶつかった。
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