愛する使い魔達と楽しく最強に!〜スキルのせいで実家を追放されたけど、森で可愛いドラゴンに会いました。今度はスキルを活かして幸せになります!〜

くずは

文字の大きさ
上 下
18 / 58
新世界

廃墟探検

しおりを挟む
 メイちゃんと一度別れた私達はギルドに来ていた。

 ふーん、遺跡の調査……報酬は金貨三枚!? 他のEランクの依頼の五倍だよ? 
 むしろ怖いよ。

 でも……。私はとても軽くなった財布を見た。中に残ってるのは……銅貨28枚に銀貨15枚。ちなみに銅貨10枚で銀貨に、銀貨10枚で金貨一枚になる。

 最近使ってる宿は一泊銀貨一枚だから、まだ大丈夫だけど……あんまり余裕があるとは言えないよね。左を見るとリリアちゃんが財布を見ていた。

 そうだね、私達はいつも一緒に行動してるもんね。残金は同じだ。

「受け付けのお姉さん。この依頼受けたいです」

「あら~。お姉さんだなんて分かってるわね。すぐに手配するわ~」

 私は昨日、「おばさん。そろそろ四十だって?」と聞いたチャラそうな冒険者が裏につれていかれたのを見たもん。

 ちなみに彼は今日ギルドに来ていなかった。多分休みなんでしょ。多分。



「よし! 着いたよ!」

 私は遺跡の前に馬車を止めた。リリアちゃんに馬車を習っておいて良かった。
 ここには強い魔物もいるらしいから、レベルも上げやすそうだ。

 うわー、中は真っ暗。階段を降りて数十秒で完全に何も見えなくなった。

「怖い……手を握ってもいい?」

 昔から暗闇が怖いの忘れてた。神様お願いですから、幽霊とかは辞めてください。

「はい。私が側にいるので安心してください」

 リリアちゃーん! なんなら暗闇だし、少しくらい抱きついても……。

「どこ触ってるんですか! ありました。ライト」

 リリアちゃんが魔道具で灯りを付けてくれた。ちっ。

 灯りに照らされて周りの様子が見えてきた。

 私達のいる所はロビーなのか小さな広場みたいになってる。廊下が真っ直ぐ続いていて、左右にちらほら部屋があるみたいだね。

 壁は繋ぎ目の無い石? みたいなので出来てる。

 さすが古代文明。謎の技術がてんこ盛りだ。広場の右の方に大きな看板がかかっている。これで何か分かったりするかな?

 “ダイエーテイコクダイナナジュウニヨウサイ”

「なんて書いてありますか?」

 だめ。ごめんね。一文字も理解出来ないよ。

「とりあえず奥に進んでみよう。危なかったらすぐ戻ろうね」



「グエー!!!」

 部屋の中からグールが飛び出して来た。ほらグールが来てる軍服の間からただれた肉が……。

「わあああああああああああああ!!!!!!!!!」

 ちょっ! お化けお化け! 呪われる!
 ひぃぃ!! 成仏しろ!

「落ち着いてください! ただの魔物ですよ!」

 リリアちゃんが逃げようとした私を止めてくれた。敵を今すぐ消し去ってやる。

「ありがとう。落ち着いたよ。ドーラ! ドラゴンブレス! ファイアストーム!」

「まだ落ち着いてないじゃないですかぁぁ! こんな室内でそんなの使わないでください!」

「もうミズキの指示よりボクが勝手に動いた方がいいんじゃないかな……」

 落ち着けるわけないじゃん!! グールの見た目とかめっちゃグロいんだよ!!!
 来るんじゃ無かったぁ……。



 やっと魔物に慣れてきた頃。動いてるぬいぐるみを見つけた。多分ぬいぐるみにゴーストでも取り憑いたんだと思う。クマのぬいぐるみが動き回っている。

「かっわいい!」

 リリアちゃんまじ? 見た目ぬいぐるみだけど、中身はゴーストだよ? 魔物だよ?

「ピィピィ」

 ぬいぐるみが足にだきついてきた。小さな目をこっちに向けてきた。うっ……可愛いかも。
 ちょっと撫でてみても……。

「ピィ」

 と思ったらぬいぐるみがテレポートして、念力か何かで小石を飛ばしてきた。あぶなっ!

「ピピピ」

 あのぬいぐるみ!! 気のせいかも知れないけど笑ってるように見える。

「ドーラ! 焼き尽くして!」

 魔物だからね! 別に私怨とかはないからね! 

 ドーラが魔法で火を吹きかける。でも魔法で防がれてしまった。魔法の上手な魔物みたい。

「ワンコロ! 剣で攻撃!」

 リリアちゃんがワンコロで攻撃するとあっさり倒されていた。私も物理に強い魔物欲しいなぁ。

「あっ。少し待ってください」

 リリアちゃんがぬいぐるみに手をかざす。まさか……。
 ぬいぐるみが立ち上がってリリアちゃんの肩に乗った。

「私の新しい使い魔。ドルちゃんです!」

「ピピ!」

 ぬいぐるみ……いや、ドルちゃんが手を振ってきた。はぁ……よろしくね。



 実際ドルちゃんは強かった。特に障害物を念力でどっかに運んでしまうのが便利すぎる。

 テレポートで少しなら物を運ぶ事も出来るみたいだし、もう一匹くらいいないかな。

 ワンコロとドーラの助けもあって一番奥の部屋までたどり着いた。
 大きな扉が私達を出迎える。

「開けるよ? いい?」

「はい。何がいるんでしょうね。緊張します」

「大丈夫だよ。私が守るからね」

 私が扉を押すと、ギギギ……と音をたてながら扉が開いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ

あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」 学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。 家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。 しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。 これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。 「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」 王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。 どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。 こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。 一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。 なろう・カクヨムにも投稿

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」  パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。  彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。  彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。  あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。  元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。  孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。 「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」  アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。  しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。  誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。  そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。  モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。  拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。  ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。  どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。  彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。 ※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。 ※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。 ※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。

俺の召喚魔術が特殊な件〜留年3年目から始まる、いずれ最強の召喚術士の成り上がり〜

あおぞら
ファンタジー
 2050年、地球にのちにダンジョンと呼ばれる次元の裂け目が開いた。  そこから大量のモンスターが溢れ出し、人類は1度滅亡の危機に立たされた。  しかし人類は、ダンジョンが発生したことによって誕生した、空気中の物質、《マナ》を発見し、《魔導バングル》と言う物を発明し、そのバングルに《マナ》を通すことによって、この世界の伝承や神話から召喚獣を呼び出せる様になり、その力を使ってモンスターに対抗できる様になった。  時は流れて2250年。  地球では魔術と化学の共存が当たり前になった時代。  そんな中、主人公である八条降魔は国立召喚術士育成学園都市に入学した。  この学園の生徒はまず、精霊や妖精などのスピリットや、鬼、狼、竜などの神話や伝承の生き物を召喚し契約する。  他の生徒が続々と成功させていく中で、降魔だけは、何も召喚することができなかった。  そのせいで何年も留年を繰り返してしまう。  しかしそれにはある理由があって———  これは学園を3年留年してから始まる、いずれ最強になる召喚術士の物語。    

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします

吉野屋
ファンタジー
 竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。  魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。  次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。 【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】  

処理中です...