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追放と成長
初めてのパーティーメンバー
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ふー。まさか隠れてるゴブリンがいるなんて思わなかった。まぁリリアちゃんに怪我が無くて良かった。
ポーションで怪我した自分の腕を治しとこう。このTシャツ意外と役に立ったね。ゴブリンに殴られても、そんなに傷つかなくって良かった。
「で。リリアちゃんだっけ。こんな所でどうしたの?」
私は後ろでジッとこっちを見ていたリリアちゃんに聞いてみた。こんな冒険者の子は見たことないし、ゴブリンも知らないし。
「あっ。実はですね……」
それからリリアちゃんは話し始めた。要約するとこんな感じかな?
リリアちゃんは冒険者になるために隣国の田舎の村から出てきたらしい。ゴブリンは村の近くにはいなかったから、知らなかったみたい。
でもゴブリンに勝てないって、あまり強くないみたいだけど……なんで冒険者に?
「実は私テイマースキルっていうスキルをもらったんです。それで神父さんが結構いいスキルだから冒険者になれるかもって。私は昔から村の外に出たいって言っていたから教えてくれたんですね」
なるほどね。ていうか剣で戦ってたって事はテイマースキルの事良く分かってなかったのかな?
聞いてみると案の定、良く知らなかったみたい。ちゃんと教えてあげてよ神父さん。
私も教えてあげたいけど、詳しいわけじゃないしね。ギルドの本を紹介してあげよう。
「あのっ……ミズキさん」
「何?」
「いえっ……なんでもないです。使い魔のいない私はまだその資格が……」
気になっちゃうじゃん。まぁいいや。ギルドに報告もあるし、そろそろ別れないと。
「じゃあね。今度は気をつけて行くんだよ」
そう言ってリリアちゃんと別れた。宿も教えてくれたけど、逆方向みたい。まぁいつか会うこともあるからね。
次の日。お昼ごはん食べに町に戻ると、またリリアちゃんに会った。
「ミズキさんもお昼ごはんですか? 昨日のお礼に奢りますよ!」
その次の日。休みの日に買い物に出かけた時もリリアちゃんに会った。
「今日時間ありますか? 近くに美味しいパンケーキ屋さんができたんですよ!」
その次の日も、また次の日も会った。もうストーカーされてるとしか思えない。
あの日から五日目。今日はリリアちゃんに会わなかった。まぁ忙しい時もあるか。リリアちゃんだってギルドの依頼もやってるみたいだし。
「ドーラ。今日はリリアちゃんいないねー」
「そうだね。心配?」
「ちょっと心配だけど……まぁ大丈夫でしょ」
結局暗くなってもリリアちゃんに会うことは無かった。流石に心配になってきた。
「すみません。ここにリリアという人は泊まってませんか?」
私はリリアちゃんが教えてくれた宿に行くことにした。宿の受け付けのおばぁさんが答えた。
「確かに泊まってるけど……今日はまだ帰ってないね」
あらら。じゃあギルドかな?
「リリアさんは……マジックフラワーの採取に行ってますが……まだ帰ってきてないようですね」
そっか。マジックフラワー……川の向こう側だっけ? ちょっと見に行って見よう。
えーっと。この辺のはず……いた!
暗くて見えにくいけど、あの後ろ姿はリリアちゃんでしょ。三匹のコボルトに囲まれている。どう見てもリリアちゃんが負けそうだ。
コボルトは見た目が二足歩行の犬みたいで可愛いけれど、強いから危ない魔物だからね。見た目に騙されてやられた初心者冒険者は数え切れない。
「行って! ドーラ!」
私はポーションを持って駆けつけた。
「大丈夫!?」
「あれ? ミズキさん……なんで?」
「今日は会えなかったから、ちょっと心配になっちゃって」
結構怪我しちゃってる。ポーションも使い切っちゃったらしい。危なかった。
「なんでこんな危ない事したの!」
「ごめんなさい。見た目小さかったから弱い魔物かなって思って……ゴブリンの時より強くなったし。それでテイムできるかなって」
「相手の強さを見た目で判断しちゃだめ。ドーラを見て。小さいけど強いでしょ」
パーティー組んでほしいと言った時に断ってきた冒険者もこんな感じだったのかな。
結局あの時の冒険者のうち3人はコボルトみたいな見た目詐欺の魔物に殺された。リリアちゃんにはあんな風になってほしくない。
でもテイムか。確かにテイマーは一人だと弱いからね。ちょうどいいや。ドーラに弱らせて貰えばリリアちゃんでも出来るでしょ。
「ドーラ。一匹だけ弱らせて生かす事って出来る?」
「任せて!」
「ありがとうドーラ。それでリリアちゃん。弱った魔物に攻撃をして。その後なら魔物に抵抗する力はないから、テイム出来ると思うよ」
「はい! ありがとうございます」
リリアちゃんは一匹のコボルトに近づいていく。コボルトも負けじと剣を振り回す。リリアちゃんも怖いだろうに良く頑張るね。
18分後。勝者はリリアちゃんだった。うん。テイムできたみたいだね。
「ミズキさん。ドーラさん。ありがとうございました」
「いいよいいよ。コボルトをテイム出来たならゴブリンとかも怖くないよ。大事にしてあげてね」
「リリアには前に美味しいお菓子もらったもんね。このくらい安いものだよ」
えっ。ドーラいつの間にお菓子なんか……。
「あの……これで私もテイマーです。ミズキさんのパーティーメンバーになる資格ってありますか?」
えっ。
「本当に……私でいいの?」
初めて私を必要としてくれた人。もちろんドーラもいるけど、昔馴染みだから言ってくれただけっていう気持ちがあった。誰も私を必要と思ってくれる人がいないって心のどこかで思っていた。
今まで家族、この町の冒険者達もみんな。私を断ったのに……。彼女は……ありがとう。
ポーションで怪我した自分の腕を治しとこう。このTシャツ意外と役に立ったね。ゴブリンに殴られても、そんなに傷つかなくって良かった。
「で。リリアちゃんだっけ。こんな所でどうしたの?」
私は後ろでジッとこっちを見ていたリリアちゃんに聞いてみた。こんな冒険者の子は見たことないし、ゴブリンも知らないし。
「あっ。実はですね……」
それからリリアちゃんは話し始めた。要約するとこんな感じかな?
リリアちゃんは冒険者になるために隣国の田舎の村から出てきたらしい。ゴブリンは村の近くにはいなかったから、知らなかったみたい。
でもゴブリンに勝てないって、あまり強くないみたいだけど……なんで冒険者に?
「実は私テイマースキルっていうスキルをもらったんです。それで神父さんが結構いいスキルだから冒険者になれるかもって。私は昔から村の外に出たいって言っていたから教えてくれたんですね」
なるほどね。ていうか剣で戦ってたって事はテイマースキルの事良く分かってなかったのかな?
聞いてみると案の定、良く知らなかったみたい。ちゃんと教えてあげてよ神父さん。
私も教えてあげたいけど、詳しいわけじゃないしね。ギルドの本を紹介してあげよう。
「あのっ……ミズキさん」
「何?」
「いえっ……なんでもないです。使い魔のいない私はまだその資格が……」
気になっちゃうじゃん。まぁいいや。ギルドに報告もあるし、そろそろ別れないと。
「じゃあね。今度は気をつけて行くんだよ」
そう言ってリリアちゃんと別れた。宿も教えてくれたけど、逆方向みたい。まぁいつか会うこともあるからね。
次の日。お昼ごはん食べに町に戻ると、またリリアちゃんに会った。
「ミズキさんもお昼ごはんですか? 昨日のお礼に奢りますよ!」
その次の日。休みの日に買い物に出かけた時もリリアちゃんに会った。
「今日時間ありますか? 近くに美味しいパンケーキ屋さんができたんですよ!」
その次の日も、また次の日も会った。もうストーカーされてるとしか思えない。
あの日から五日目。今日はリリアちゃんに会わなかった。まぁ忙しい時もあるか。リリアちゃんだってギルドの依頼もやってるみたいだし。
「ドーラ。今日はリリアちゃんいないねー」
「そうだね。心配?」
「ちょっと心配だけど……まぁ大丈夫でしょ」
結局暗くなってもリリアちゃんに会うことは無かった。流石に心配になってきた。
「すみません。ここにリリアという人は泊まってませんか?」
私はリリアちゃんが教えてくれた宿に行くことにした。宿の受け付けのおばぁさんが答えた。
「確かに泊まってるけど……今日はまだ帰ってないね」
あらら。じゃあギルドかな?
「リリアさんは……マジックフラワーの採取に行ってますが……まだ帰ってきてないようですね」
そっか。マジックフラワー……川の向こう側だっけ? ちょっと見に行って見よう。
えーっと。この辺のはず……いた!
暗くて見えにくいけど、あの後ろ姿はリリアちゃんでしょ。三匹のコボルトに囲まれている。どう見てもリリアちゃんが負けそうだ。
コボルトは見た目が二足歩行の犬みたいで可愛いけれど、強いから危ない魔物だからね。見た目に騙されてやられた初心者冒険者は数え切れない。
「行って! ドーラ!」
私はポーションを持って駆けつけた。
「大丈夫!?」
「あれ? ミズキさん……なんで?」
「今日は会えなかったから、ちょっと心配になっちゃって」
結構怪我しちゃってる。ポーションも使い切っちゃったらしい。危なかった。
「なんでこんな危ない事したの!」
「ごめんなさい。見た目小さかったから弱い魔物かなって思って……ゴブリンの時より強くなったし。それでテイムできるかなって」
「相手の強さを見た目で判断しちゃだめ。ドーラを見て。小さいけど強いでしょ」
パーティー組んでほしいと言った時に断ってきた冒険者もこんな感じだったのかな。
結局あの時の冒険者のうち3人はコボルトみたいな見た目詐欺の魔物に殺された。リリアちゃんにはあんな風になってほしくない。
でもテイムか。確かにテイマーは一人だと弱いからね。ちょうどいいや。ドーラに弱らせて貰えばリリアちゃんでも出来るでしょ。
「ドーラ。一匹だけ弱らせて生かす事って出来る?」
「任せて!」
「ありがとうドーラ。それでリリアちゃん。弱った魔物に攻撃をして。その後なら魔物に抵抗する力はないから、テイム出来ると思うよ」
「はい! ありがとうございます」
リリアちゃんは一匹のコボルトに近づいていく。コボルトも負けじと剣を振り回す。リリアちゃんも怖いだろうに良く頑張るね。
18分後。勝者はリリアちゃんだった。うん。テイムできたみたいだね。
「ミズキさん。ドーラさん。ありがとうございました」
「いいよいいよ。コボルトをテイム出来たならゴブリンとかも怖くないよ。大事にしてあげてね」
「リリアには前に美味しいお菓子もらったもんね。このくらい安いものだよ」
えっ。ドーラいつの間にお菓子なんか……。
「あの……これで私もテイマーです。ミズキさんのパーティーメンバーになる資格ってありますか?」
えっ。
「本当に……私でいいの?」
初めて私を必要としてくれた人。もちろんドーラもいるけど、昔馴染みだから言ってくれただけっていう気持ちがあった。誰も私を必要と思ってくれる人がいないって心のどこかで思っていた。
今まで家族、この町の冒険者達もみんな。私を断ったのに……。彼女は……ありがとう。
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