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追放と成長
私の騎士様
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この町に来てから10日。あれからドーラと話し合って5日働いて、一日休みという事に決めた。
そういうわけで今日も仕事の日だ。今はギルドでどの依頼を受けるか迷っている。ラビットは稼ぎも経験値も少ないから3日で卒業した。
「ドーラ。どの依頼がいいと思う?」
「これはどう? ボクもゴブリン相手なら十分勝てるし」
そう言ってドーラが出してきたのはゴブリン討伐。最近Cランクの人がゴブリンの集落を滅ぼしたけど、その残党を探して倒すらしい。
人型なのはちょっと怖いけど、いつかはやらなきゃいけないよね。
少なくとも家で魔物や動物の捌き方を習ったから、血とか内臓は慣れてるからそこは安心かな。
あの習い事ほんとになんでやらされたんだろ。今は助かるけど。
森に入ってゴブリンを探す。私はこの数日の戦いでテイマーのレベルが上がったから、新しい能力を使えるようになった。
その名も探知。前まで使ってた魔物探知が消えて代わりに使えるようになった。範囲も広くて、魔物以外も探せるし便利便利。
「見つからないなー。あれ?」
遠いけど、右の方に人間の反応がある。すごい速さで左の方に進んでる。走ってるみたい。
「ドーラ。他にこの辺の依頼って出てたっけ?」
「無かったと思うよ? どうかしたの?」
私達が受けた依頼も一組まで。やっぱり、この辺りに人はいないはず……。
ちょっと不安だし、確認に行ってみよう。迷っちゃってパニックになってるのかも知れないからね。
真っ直ぐ前に進んでると……見えた。私と同じ年くらいの女の子みたい。あれから15分くらい経ったけど、まだ走ってる。疲れないのかな?
「こんにちはー。どうしたんですか?」
良かった。声をかけると、こっちに気づいたみたい。女の子は私の方に走ってきた。
近づくと細かい所まで見えてきた。安物っぽいけど、剣と防具をつけてる。
私と同じ冒険者かな? すごく可愛い子だし同い年の女の子冒険者は少ないから、なんか親近感が湧くね。
私がのんきに話しかけようとすると、女の子が大きな声で叫んできた。
「逃げてくださーい!!! なんかすごく強い魔物に追いかけられてるんです!!!」
ええええ!! やばい! じゃあ早く逃げないと!
私は隣で飛んでいたドーラをスキルの能力で収納すると全速力で走り出した。
走りながら探知を使ってみると、確かに三匹の魔物がいる。私のレベルじゃ魔物の強さがわからないのが、もどかしいなぁ。
走りながら横の女の子にきいてみることにした。
「追いかけてきてるのって、どんな魔物ですか?」
「はぁはぁ……分からないんですけど……なんか……この辺を歩いていた……私の半分くらいの背丈の……緑の……棍棒持ってるやつです……」
なるほど。この辺にいる魔物で、小さくて、緑で、棍棒……。
いや、それゴブリンじゃない?
テイマーの他の能力の遠視を使って見てみたら、やっぱりゴブリンだった。
私が立ち止まると、女の子も止まった。
「どうしましたか! 止まっちゃだめですよ!」
一人で逃げずに、わざわざ止まって私の手を引いてくれてるから、結構いい子なのかもしれない。
「あなた、なんて名前なの?」
「えっ……私リリアっていいます。いやそうじゃなくて! 本当に強いんですよ!」
「そっか。私はミズキ。大丈夫だよ。私はあのゴブリン達を倒しに来たんだから。リリアちゃんは先に逃げといて。じゃあドーラ。今日もお願いね!」
――sideリリア――
私はある日、初めて今まで住んでいた村から出て町に向かっていた。
でも、もうすぐ町に着くっていう時に道に迷っちゃって……町を探しているうちに、気づいたら森の中をさまよっていた。
あーもう。どうしよう。森の深くに入っちゃったみたいだし……。
あれ?
ちょっと遠くの方に人がいたような……。怖い人だったらどうしよう……でも道が分からないと困るしね。よし!
「こんにちは! すみません。道を教えてもらえませんか?」
声をかけるとこっちに来た。良かった。これで助か……。
あれ? なんか緑色じゃない? いやいや、きっとこんな文化の違い……。
「グエエエエ!!」
やっぱり魔物ですよねー!!
いやいや。私だって剣を持っているんだから。これで戦って倒せば……。
結論から言うと手も足も出ませんでした。力も全然かなわない。
必死に逃げてると、また人っぽいものがいた。いや……もしかしたらこれも魔物かも……。
「こんにちはー。どうしたんですか?」
そんな事を考えてると向こうから声をかけてきた。良かった! 人間だ!
でもあの人も危ない。逃げるように言わないと。
結局逃げる人が二人に増えただけだった。まぁこの人は冒険者みたいだから町までの道しってそうだし、町まで逃げれば……。
そんな事を考えていると、横の人が突然立ち止まった。
「リリアちゃんは先に逃げといて!」
えぇー! 先に逃げるのはちょっと気が引けるし……。あの木の後ろに隠れとこっと。
ミズキさんと名乗ったその人は小さなドラゴンを出した。
「ドーラ。ファイアウォール!」
ミズキさんがドラゴンに指示を出すと、ドラゴンが魔法を使った。途端に魔物達……ゴブリンっていうみたいですね。
ゴブリンの前に炎を壁が出てきた。
ゴブリン達が反撃に出るけどドラゴンは空に上ってかわして、逆に石を撃ち返した。
「グエエ!」
あっゴブリンが一匹倒された。私はかすり傷しか与えらてなかったのに。
その後もミズキさんはドラゴンと一緒にゴブリンをどんどん倒していった。……かっこいい。
私は隠れる事も忘れて見入ってしまった。
「危ない!」
ミズキさんが私に向かって叫んだ。後ろを見るとゴブリンが棍棒を振りかぶっている。
目をギュッとつぶって体を丸めた。私が油断して無ければ……。
でも10秒経っても衝撃はこない。恐る恐る目を開けると、目の前でミズキさんが短剣でゴブリンの攻撃を防いでいた。
最初はミズキさんと互角だったゴブリンも、だんだん押されていって倒されちゃった。
「リリアちゃん。大丈夫? 怪我してない」
後ろを向いたミズキさんが私に手を差し伸べてくれる。よく見るとミズキさんはところどころ怪我をしている。
私を守るために戦ったからだ。それなのに、こうして私の心配をしてくれる。
私はミズキさんの手をとった。
そういうわけで今日も仕事の日だ。今はギルドでどの依頼を受けるか迷っている。ラビットは稼ぎも経験値も少ないから3日で卒業した。
「ドーラ。どの依頼がいいと思う?」
「これはどう? ボクもゴブリン相手なら十分勝てるし」
そう言ってドーラが出してきたのはゴブリン討伐。最近Cランクの人がゴブリンの集落を滅ぼしたけど、その残党を探して倒すらしい。
人型なのはちょっと怖いけど、いつかはやらなきゃいけないよね。
少なくとも家で魔物や動物の捌き方を習ったから、血とか内臓は慣れてるからそこは安心かな。
あの習い事ほんとになんでやらされたんだろ。今は助かるけど。
森に入ってゴブリンを探す。私はこの数日の戦いでテイマーのレベルが上がったから、新しい能力を使えるようになった。
その名も探知。前まで使ってた魔物探知が消えて代わりに使えるようになった。範囲も広くて、魔物以外も探せるし便利便利。
「見つからないなー。あれ?」
遠いけど、右の方に人間の反応がある。すごい速さで左の方に進んでる。走ってるみたい。
「ドーラ。他にこの辺の依頼って出てたっけ?」
「無かったと思うよ? どうかしたの?」
私達が受けた依頼も一組まで。やっぱり、この辺りに人はいないはず……。
ちょっと不安だし、確認に行ってみよう。迷っちゃってパニックになってるのかも知れないからね。
真っ直ぐ前に進んでると……見えた。私と同じ年くらいの女の子みたい。あれから15分くらい経ったけど、まだ走ってる。疲れないのかな?
「こんにちはー。どうしたんですか?」
良かった。声をかけると、こっちに気づいたみたい。女の子は私の方に走ってきた。
近づくと細かい所まで見えてきた。安物っぽいけど、剣と防具をつけてる。
私と同じ冒険者かな? すごく可愛い子だし同い年の女の子冒険者は少ないから、なんか親近感が湧くね。
私がのんきに話しかけようとすると、女の子が大きな声で叫んできた。
「逃げてくださーい!!! なんかすごく強い魔物に追いかけられてるんです!!!」
ええええ!! やばい! じゃあ早く逃げないと!
私は隣で飛んでいたドーラをスキルの能力で収納すると全速力で走り出した。
走りながら探知を使ってみると、確かに三匹の魔物がいる。私のレベルじゃ魔物の強さがわからないのが、もどかしいなぁ。
走りながら横の女の子にきいてみることにした。
「追いかけてきてるのって、どんな魔物ですか?」
「はぁはぁ……分からないんですけど……なんか……この辺を歩いていた……私の半分くらいの背丈の……緑の……棍棒持ってるやつです……」
なるほど。この辺にいる魔物で、小さくて、緑で、棍棒……。
いや、それゴブリンじゃない?
テイマーの他の能力の遠視を使って見てみたら、やっぱりゴブリンだった。
私が立ち止まると、女の子も止まった。
「どうしましたか! 止まっちゃだめですよ!」
一人で逃げずに、わざわざ止まって私の手を引いてくれてるから、結構いい子なのかもしれない。
「あなた、なんて名前なの?」
「えっ……私リリアっていいます。いやそうじゃなくて! 本当に強いんですよ!」
「そっか。私はミズキ。大丈夫だよ。私はあのゴブリン達を倒しに来たんだから。リリアちゃんは先に逃げといて。じゃあドーラ。今日もお願いね!」
――sideリリア――
私はある日、初めて今まで住んでいた村から出て町に向かっていた。
でも、もうすぐ町に着くっていう時に道に迷っちゃって……町を探しているうちに、気づいたら森の中をさまよっていた。
あーもう。どうしよう。森の深くに入っちゃったみたいだし……。
あれ?
ちょっと遠くの方に人がいたような……。怖い人だったらどうしよう……でも道が分からないと困るしね。よし!
「こんにちは! すみません。道を教えてもらえませんか?」
声をかけるとこっちに来た。良かった。これで助か……。
あれ? なんか緑色じゃない? いやいや、きっとこんな文化の違い……。
「グエエエエ!!」
やっぱり魔物ですよねー!!
いやいや。私だって剣を持っているんだから。これで戦って倒せば……。
結論から言うと手も足も出ませんでした。力も全然かなわない。
必死に逃げてると、また人っぽいものがいた。いや……もしかしたらこれも魔物かも……。
「こんにちはー。どうしたんですか?」
そんな事を考えてると向こうから声をかけてきた。良かった! 人間だ!
でもあの人も危ない。逃げるように言わないと。
結局逃げる人が二人に増えただけだった。まぁこの人は冒険者みたいだから町までの道しってそうだし、町まで逃げれば……。
そんな事を考えていると、横の人が突然立ち止まった。
「リリアちゃんは先に逃げといて!」
えぇー! 先に逃げるのはちょっと気が引けるし……。あの木の後ろに隠れとこっと。
ミズキさんと名乗ったその人は小さなドラゴンを出した。
「ドーラ。ファイアウォール!」
ミズキさんがドラゴンに指示を出すと、ドラゴンが魔法を使った。途端に魔物達……ゴブリンっていうみたいですね。
ゴブリンの前に炎を壁が出てきた。
ゴブリン達が反撃に出るけどドラゴンは空に上ってかわして、逆に石を撃ち返した。
「グエエ!」
あっゴブリンが一匹倒された。私はかすり傷しか与えらてなかったのに。
その後もミズキさんはドラゴンと一緒にゴブリンをどんどん倒していった。……かっこいい。
私は隠れる事も忘れて見入ってしまった。
「危ない!」
ミズキさんが私に向かって叫んだ。後ろを見るとゴブリンが棍棒を振りかぶっている。
目をギュッとつぶって体を丸めた。私が油断して無ければ……。
でも10秒経っても衝撃はこない。恐る恐る目を開けると、目の前でミズキさんが短剣でゴブリンの攻撃を防いでいた。
最初はミズキさんと互角だったゴブリンも、だんだん押されていって倒されちゃった。
「リリアちゃん。大丈夫? 怪我してない」
後ろを向いたミズキさんが私に手を差し伸べてくれる。よく見るとミズキさんはところどころ怪我をしている。
私を守るために戦ったからだ。それなのに、こうして私の心配をしてくれる。
私はミズキさんの手をとった。
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