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魔王編
ロゼッタの日
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やったー!! やっと魔王領が降伏しました! 最後に魔王城で魔王が自爆したのにはびっくりしましたが、これで終わりですね。
もうこれで休みたい所ですが、残念ながら次の戦いが本番ですからね……。そうだ。いい事思いつきました。
「わー! 見てください桜さん! 魔王城ですよ!」
「上半分が無くなってるとは……これは派手に爆発しましたね。しかし自慢の城壁には傷一つついてません。さすがですね」
数日後に魔王領で対魔王で戦った全部の国が揃っての会合があります。それまでは自由時間というわけです。北部はあまり被害を受けていない地域が多いので観光を楽しみますか。
まず私達はハンブルに向かいました。ちょうど今日は神聖教会の記念日の一つ、ロゼッタの日です。ハンブルで開かれるお祭りは有名だったので一度行ってみたかったのです。
「桜さん。これ美味しいですよ! ほら、あーん」
「自分で食べられます……。美味しいですね。少しリッチな味わいです。なんですかこれ?」
「桜さんのいけずー。シュトーレンっていう特別なお菓子らしいですよ。バターたっぷりの生地の中に洋酒につけたフルーツとナッツをぎっしり詰め込んでいるんですって!」
その後も露店を冷やかしたり、雪で遊んだりしました。私はある時計屋で良いものを見つけました。それはうさぎの絵が描いてある腕時計です。
「すみませんミトさん。私少しこの店を見て行って良いですか?」
「はーい。あっ、じゃあ私も少しこの店を見てまわっておきます」
ロゼッタの日はプレゼントをあげる習慣があります。そういえばミトさんはうさぎが好きだったはずです。これをあげれば喜んでくれるでしょう。
「桜さん。買い物終わりましたー。何買ったんですか?」
「秘密です。それよりもう夜なので夜ご飯に行きませんか?」
気づいたらもう暗くなっていました。今は12月で冷えるのでどこか屋内に入りたいというのもあります。
ハンブルの名物は……やっぱりジャガイモ料理ですね。後は肉料理も有名です。ソーセージとかは100種類以上あるんだとか。
そういうわけで私達は近くにある店に入りました。
「いらっしゃい。注文はなんだい?」
「じゃあ……私はジャーマンポテトとハムのセットで。桜さんは?」
その時、私は一枚の紙を見つけました。
“挑戦者求む! ソーセージ100種類コースを1時間以内に完食で賞金5000マルク! 君はこの量に耐えられるか?”
なるほどなるほど……
「店員さん。あれください」
「なに……ソーセージ100種類コースを!? 本当にいいのかい?」
店員さんがすごく驚きます。少しオーバー過ぎるのでは?
「おいおい。あのお嬢ちゃん正気か?」
「あんな小さな体で食べ切れるとは思えないけどな……」
えっ。そんな量多いんですか? あっ、ちょっ、タンマ……。
「あいよ! ソーセージ100種類コースお待ち!」
そこには文字通りソーセージの山がありました。1本1本がすごく太くて長いですね。注文してから来るの早すぎますよ……。
「それじゃあ……よーい、はじめ!」
店長の掛け声とともに時計がカウントダウンを始めました。
「頑張れ嬢ちゃん!」
「おいおいこのペースだと半分もいけないんじゃないか?」
失礼な。私はしっかり味わって食べる派なんです。しかし時間に間に合わなさそうなのも事実。少し本気出してみましょうか。
……それから1時間後。私は5000マルクを握りしめて店を出ました。
もう少し散歩してから帰りましょうか。
「桜さん……あの……散歩するなら行きたい所があるんです」
へぇ。なんでしょうか。特に行きたい所も無いですし付いていきましょう。
そこは大きな川にかかった橋の一つでした。周囲は灯りに照らされて、いい具合に川に光が反射されています。
「綺麗ですね。連れてきてくれてありがとうございます」
「いえいえ。そうだ。桜さんにプレゼントがあるんです……ほら!」
それは猫の絵が描いてある腕時計でした。私は猫が大好きなので嬉しいですね。……というかこれ私のと同じやつなのでは?
「それじゃあ私からもプレゼントです……ほら! これでお揃いですね」
「うわー! うさぎだ! 可愛い! それに桜さんとのお揃い……家宝として金庫にしまっておきます!」
「いや使ってください。それじゃあ付けてみましょうか」
「そうですね」
「せーの!!」
「せーの!!」
もうこれで休みたい所ですが、残念ながら次の戦いが本番ですからね……。そうだ。いい事思いつきました。
「わー! 見てください桜さん! 魔王城ですよ!」
「上半分が無くなってるとは……これは派手に爆発しましたね。しかし自慢の城壁には傷一つついてません。さすがですね」
数日後に魔王領で対魔王で戦った全部の国が揃っての会合があります。それまでは自由時間というわけです。北部はあまり被害を受けていない地域が多いので観光を楽しみますか。
まず私達はハンブルに向かいました。ちょうど今日は神聖教会の記念日の一つ、ロゼッタの日です。ハンブルで開かれるお祭りは有名だったので一度行ってみたかったのです。
「桜さん。これ美味しいですよ! ほら、あーん」
「自分で食べられます……。美味しいですね。少しリッチな味わいです。なんですかこれ?」
「桜さんのいけずー。シュトーレンっていう特別なお菓子らしいですよ。バターたっぷりの生地の中に洋酒につけたフルーツとナッツをぎっしり詰め込んでいるんですって!」
その後も露店を冷やかしたり、雪で遊んだりしました。私はある時計屋で良いものを見つけました。それはうさぎの絵が描いてある腕時計です。
「すみませんミトさん。私少しこの店を見て行って良いですか?」
「はーい。あっ、じゃあ私も少しこの店を見てまわっておきます」
ロゼッタの日はプレゼントをあげる習慣があります。そういえばミトさんはうさぎが好きだったはずです。これをあげれば喜んでくれるでしょう。
「桜さん。買い物終わりましたー。何買ったんですか?」
「秘密です。それよりもう夜なので夜ご飯に行きませんか?」
気づいたらもう暗くなっていました。今は12月で冷えるのでどこか屋内に入りたいというのもあります。
ハンブルの名物は……やっぱりジャガイモ料理ですね。後は肉料理も有名です。ソーセージとかは100種類以上あるんだとか。
そういうわけで私達は近くにある店に入りました。
「いらっしゃい。注文はなんだい?」
「じゃあ……私はジャーマンポテトとハムのセットで。桜さんは?」
その時、私は一枚の紙を見つけました。
“挑戦者求む! ソーセージ100種類コースを1時間以内に完食で賞金5000マルク! 君はこの量に耐えられるか?”
なるほどなるほど……
「店員さん。あれください」
「なに……ソーセージ100種類コースを!? 本当にいいのかい?」
店員さんがすごく驚きます。少しオーバー過ぎるのでは?
「おいおい。あのお嬢ちゃん正気か?」
「あんな小さな体で食べ切れるとは思えないけどな……」
えっ。そんな量多いんですか? あっ、ちょっ、タンマ……。
「あいよ! ソーセージ100種類コースお待ち!」
そこには文字通りソーセージの山がありました。1本1本がすごく太くて長いですね。注文してから来るの早すぎますよ……。
「それじゃあ……よーい、はじめ!」
店長の掛け声とともに時計がカウントダウンを始めました。
「頑張れ嬢ちゃん!」
「おいおいこのペースだと半分もいけないんじゃないか?」
失礼な。私はしっかり味わって食べる派なんです。しかし時間に間に合わなさそうなのも事実。少し本気出してみましょうか。
……それから1時間後。私は5000マルクを握りしめて店を出ました。
もう少し散歩してから帰りましょうか。
「桜さん……あの……散歩するなら行きたい所があるんです」
へぇ。なんでしょうか。特に行きたい所も無いですし付いていきましょう。
そこは大きな川にかかった橋の一つでした。周囲は灯りに照らされて、いい具合に川に光が反射されています。
「綺麗ですね。連れてきてくれてありがとうございます」
「いえいえ。そうだ。桜さんにプレゼントがあるんです……ほら!」
それは猫の絵が描いてある腕時計でした。私は猫が大好きなので嬉しいですね。……というかこれ私のと同じやつなのでは?
「それじゃあ私からもプレゼントです……ほら! これでお揃いですね」
「うわー! うさぎだ! 可愛い! それに桜さんとのお揃い……家宝として金庫にしまっておきます!」
「いや使ってください。それじゃあ付けてみましょうか」
「そうですね」
「せーの!!」
「せーの!!」
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