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古代ギリシャ時代編

終戦

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ーーミト視点ーー


とうとう死んだのかと思ったら、私はまだ空を飛んでいます。あれ?
目の前の光の正体はビームでした。下を見るとキトさんが親指を立てていました。

ありがとうございました!これで相手の結界もはがれています。
よし!次は全身全霊のサンダーを撃ち込んでやります!これが最後の一撃です!

「サンダー!」
「ファイアストーム!」
よし……おそらく相手は死にましたね。やり……ました……。
そして私は川に落ちて、目の前が真っ暗になりました。


「……さん!トさん!」
はっ!私は何を!
目を開けると桜さんが抱きついてきました。やったぜ。
「大丈夫ですか?一応回復魔法をかけましたが……」
「はい!大丈夫ですよ!ありがとうございます!」
「良かった……」

心配をかけてしまったみたいです。
少し嬉しいですね。
あっ忘れてた。
「そういえば戦争はどうなりましたか!?」
「はい。なんとか勝ちましたよ。えっと……」
それから簡単な戦争の経緯を説明してくれました。

あの敵の国王……セルビア王国の創造主の事ですが、彼を私が倒してから、敵軍は大混乱におちいったみたいです。
私を救助するために味方の魔術師達が戦いを中止して撤退したため、相手の人達がブルガリ王国の王宮を攻撃している敵に国王の死を伝えてしまったみたいです。

やっぱりセルビア王国は度重なる戦争による国民の疲弊を、創造主の力で無理やり押さえつけてたらしいです。
まぁ2回もたくさんの人を徴兵して大戦争をしていれば不満も溜まるでしょうね……。
これに関しては魔族の時といい、私達も気をつけた方がいいでしょう。と桜さんが言っていました。
確かに……

そこにキトさんが率いる私達の軍が後ろから襲いかかって敵は急いで逃げて行ったみたいです。
セルビア王国の国民もかわいそうなものです。

さて、戦争自体は敵が自分から逃げて行ったので思ったよりもあっさり終わってしまいました。
全く。これだったら今連れてきてる軍の一部は農業でもしてもらってた方が良かったかも知れません。

他にも朗報もありました。
セルビア王国は降伏。元々マケド王国としていた約束通り、王都はマケド王国が、我が国は南部の村をもらう事ができました。
これで数百人も人口が増えたらしいです。
魔族との戦争ではほとんど何も貰えなかったので嬉しいです。
今の所は反乱を起こす様子もないそうですし、獣人と人間も仲良くなれると良いですね。

それよりもっと大変な事を桜さんが言い出しました。
「それで……ブルガリ王国の王族の皆さんの遺体が見つかったようです」
「え?えぇー!?」
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