学校の人気者は陰キャくんが大好き 

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19. 文化祭準備

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早速次の日から文化祭の準備が始まった。
服の採寸は女子達が率先してやってくれ、服が仕上がったと同時にみんなで試着する事になった。髪型をセットしたりメイクをする子もいた。

「蒼馬似合ってるね!」
「落ち着かないな、これ。ってか湊斗の方が似合ってるよ」
「そう?ありがとっ」

「加藤あんたも髪セットしてあげる」
「いや、俺はいいよ」

1人の女の子が俺の髪型をセットしようとしたため俺は速攻断った。正直前髪を上げるのは落ち着かないからやめてほしい。

「そんな事言わずにさ~ほらっ、一瞬だから!」
「……はぁー、わかったよ」

その子が俺の前髪をかきあげた。

「えっ」
「何?人の顔見てそんな驚くとか酷くないか?」
「いや………かっこいい!!」
「…は?」
「ねーみんな見て!」

俺の事揶揄おうとしてんのか?あまりにも不細工だったから?まあどうでもいいか、面倒くさいし…

「えっ誰?」
「こんなイケメンクラスにいたっけ?」

など皆口々に話している。早くこの場から逃げ出したいと思っていたら美咲が俺に近づいて来た。

「あーあ」
「どうした?」
「バレちゃったな~って思って」
「何が?」

俺の頭はさっきからずっと?でいっぱいだ。

「………蒼馬って本当自覚ないよね」
「?だから何が」
「蒼馬はかっこいいって事、認めてくれないだろうけど」
「俺はかっこよくない、揶揄うな」

美咲まで俺を揶揄い始めた。

「はいはい………あっ、翔君こっち見てるよ」
「えっ」

俺が美咲の視線の先を見ると翔と目が合った。
顔がほんのり赤く染まっている様に見え、俺と目が合った瞬間目を逸らさせた。

「……蒼馬のスーツ姿に見惚れてたんじゃない?」
「…な訳ないだろ」

美咲にそう言われ、俺はある事に気づいてしまった。
美咲は今メイド服を着ていてメイクもしている………翔は美咲に見惚れてたんじゃないか?好きな子がいるって言っていたけど心変わりしてないとは言い切れない。
可能性はゼロではない。

「…翔」
「っ、蒼馬、に、似合ってる!」
「そう?ありがと」
「うん……………かっこいい……」
「ん?」
「な、なんでもない!」

嫉妬しているのは認めるが、もし本当に翔が美咲を好きなら俺は応援したい。……少しぐらい探りを入れるのを許してほしい

「美咲、可愛いよな」
「えっ!…………そ……だね………蒼馬はやっぱ美咲ちゃんみたいな子がタイプ?」
「ん?可愛いとは思うけど、ってか翔がそうなんじゃないのか?」
「俺は!…………タイプとかないよ…」
「そっか」

どう探りを入れたら良いのかわからない。
これ以上はやめておく事にした………俺の嫉妬心も膨れるだけだし、何より翔の恋愛に俺が関わるのは違うよな……







* * * * *

「………言わなくて良いのか?『前髪上げないで』って。」
「っ!………言えないよ…そんな事」
「あいつ文化祭でモテまくるんじゃないか?どっかの誰かさんに取られても知らねぇぞ」
「………わかってるよ…」

「恋に自信がないそこの君!
 私達に任せなさい!」

「「………えっ?」」

* * * * *
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