19 / 26
19. 文化祭準備
しおりを挟む
早速次の日から文化祭の準備が始まった。
服の採寸は女子達が率先してやってくれ、服が仕上がったと同時にみんなで試着する事になった。髪型をセットしたりメイクをする子もいた。
「蒼馬似合ってるね!」
「落ち着かないな、これ。ってか湊斗の方が似合ってるよ」
「そう?ありがとっ」
「加藤あんたも髪セットしてあげる」
「いや、俺はいいよ」
1人の女の子が俺の髪型をセットしようとしたため俺は速攻断った。正直前髪を上げるのは落ち着かないからやめてほしい。
「そんな事言わずにさ~ほらっ、一瞬だから!」
「……はぁー、わかったよ」
その子が俺の前髪をかきあげた。
「えっ」
「何?人の顔見てそんな驚くとか酷くないか?」
「いや………かっこいい!!」
「…は?」
「ねーみんな見て!」
俺の事揶揄おうとしてんのか?あまりにも不細工だったから?まあどうでもいいか、面倒くさいし…
「えっ誰?」
「こんなイケメンクラスにいたっけ?」
など皆口々に話している。早くこの場から逃げ出したいと思っていたら美咲が俺に近づいて来た。
「あーあ」
「どうした?」
「バレちゃったな~って思って」
「何が?」
俺の頭はさっきからずっと?でいっぱいだ。
「………蒼馬って本当自覚ないよね」
「?だから何が」
「蒼馬はかっこいいって事、認めてくれないだろうけど」
「俺はかっこよくない、揶揄うな」
美咲まで俺を揶揄い始めた。
「はいはい………あっ、翔君こっち見てるよ」
「えっ」
俺が美咲の視線の先を見ると翔と目が合った。
顔がほんのり赤く染まっている様に見え、俺と目が合った瞬間目を逸らさせた。
「……蒼馬のスーツ姿に見惚れてたんじゃない?」
「…な訳ないだろ」
美咲にそう言われ、俺はある事に気づいてしまった。
美咲は今メイド服を着ていてメイクもしている………翔は美咲に見惚れてたんじゃないか?好きな子がいるって言っていたけど心変わりしてないとは言い切れない。
可能性はゼロではない。
「…翔」
「っ、蒼馬、に、似合ってる!」
「そう?ありがと」
「うん……………かっこいい……」
「ん?」
「な、なんでもない!」
嫉妬しているのは認めるが、もし本当に翔が美咲を好きなら俺は応援したい。……少しぐらい探りを入れるのを許してほしい
「美咲、可愛いよな」
「えっ!…………そ……だね………蒼馬はやっぱ美咲ちゃんみたいな子がタイプ?」
「ん?可愛いとは思うけど、ってか翔がそうなんじゃないのか?」
「俺は!…………タイプとかないよ…」
「そっか」
どう探りを入れたら良いのかわからない。
これ以上はやめておく事にした………俺の嫉妬心も膨れるだけだし、何より翔の恋愛に俺が関わるのは違うよな……
* * * * *
「………言わなくて良いのか?『前髪上げないで』って。」
「っ!………言えないよ…そんな事」
「あいつ文化祭でモテまくるんじゃないか?どっかの誰かさんに取られても知らねぇぞ」
「………わかってるよ…」
「恋に自信がないそこの君!
私達に任せなさい!」
「「………えっ?」」
* * * * *
服の採寸は女子達が率先してやってくれ、服が仕上がったと同時にみんなで試着する事になった。髪型をセットしたりメイクをする子もいた。
「蒼馬似合ってるね!」
「落ち着かないな、これ。ってか湊斗の方が似合ってるよ」
「そう?ありがとっ」
「加藤あんたも髪セットしてあげる」
「いや、俺はいいよ」
1人の女の子が俺の髪型をセットしようとしたため俺は速攻断った。正直前髪を上げるのは落ち着かないからやめてほしい。
「そんな事言わずにさ~ほらっ、一瞬だから!」
「……はぁー、わかったよ」
その子が俺の前髪をかきあげた。
「えっ」
「何?人の顔見てそんな驚くとか酷くないか?」
「いや………かっこいい!!」
「…は?」
「ねーみんな見て!」
俺の事揶揄おうとしてんのか?あまりにも不細工だったから?まあどうでもいいか、面倒くさいし…
「えっ誰?」
「こんなイケメンクラスにいたっけ?」
など皆口々に話している。早くこの場から逃げ出したいと思っていたら美咲が俺に近づいて来た。
「あーあ」
「どうした?」
「バレちゃったな~って思って」
「何が?」
俺の頭はさっきからずっと?でいっぱいだ。
「………蒼馬って本当自覚ないよね」
「?だから何が」
「蒼馬はかっこいいって事、認めてくれないだろうけど」
「俺はかっこよくない、揶揄うな」
美咲まで俺を揶揄い始めた。
「はいはい………あっ、翔君こっち見てるよ」
「えっ」
俺が美咲の視線の先を見ると翔と目が合った。
顔がほんのり赤く染まっている様に見え、俺と目が合った瞬間目を逸らさせた。
「……蒼馬のスーツ姿に見惚れてたんじゃない?」
「…な訳ないだろ」
美咲にそう言われ、俺はある事に気づいてしまった。
美咲は今メイド服を着ていてメイクもしている………翔は美咲に見惚れてたんじゃないか?好きな子がいるって言っていたけど心変わりしてないとは言い切れない。
可能性はゼロではない。
「…翔」
「っ、蒼馬、に、似合ってる!」
「そう?ありがと」
「うん……………かっこいい……」
「ん?」
「な、なんでもない!」
嫉妬しているのは認めるが、もし本当に翔が美咲を好きなら俺は応援したい。……少しぐらい探りを入れるのを許してほしい
「美咲、可愛いよな」
「えっ!…………そ……だね………蒼馬はやっぱ美咲ちゃんみたいな子がタイプ?」
「ん?可愛いとは思うけど、ってか翔がそうなんじゃないのか?」
「俺は!…………タイプとかないよ…」
「そっか」
どう探りを入れたら良いのかわからない。
これ以上はやめておく事にした………俺の嫉妬心も膨れるだけだし、何より翔の恋愛に俺が関わるのは違うよな……
* * * * *
「………言わなくて良いのか?『前髪上げないで』って。」
「っ!………言えないよ…そんな事」
「あいつ文化祭でモテまくるんじゃないか?どっかの誰かさんに取られても知らねぇぞ」
「………わかってるよ…」
「恋に自信がないそこの君!
私達に任せなさい!」
「「………えっ?」」
* * * * *
1
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説

囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺
るい
BL
国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

今世では誰かに手を取って貰いたい
朝山みどり
BL
ノエル・レイフォードは魔力がないと言うことで、家族や使用人から蔑まれて暮らしていた。
ある日、妹のプリシラに突き飛ばされて、頭を打ち前世のことを思い出し、魔法を使えるようになった。
ただ、戦争の英雄だった前世とは持っている魔法が違っていた。
そんなある日、喧嘩した国同士で、結婚式をあげるように帝国の王妃が命令をだした。
選ばれたノエルは敵国へ旅立った。そこで待っていた男とその日のうちに婚姻した。思いがけず男は優しかった。
だが、男は翌朝、隣国との国境紛争を解決しようと家を出た。
男がいなくなった途端、ノエルは冷遇された。覚悟していたノエルは耐えられたが、とんでもないことを知らされて逃げ出した。
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。


学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる