学校の人気者は陰キャくんが大好き 

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3. 修学旅行1日目

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そしてやってきた修学旅行1日目。行き先は京都だ。
長い新幹線を乗り終え、次はバスで移動する。

「眠くなってきたから蒼馬の肩かりるねー」
「新幹線で寝れば良かっただろ。1分千円な。」
「なっ、たっか!後で何か奢るから!良いだろ!?」
「まじ?ならかしてやる。」
「どーもっ」
それから1分もしないうちに湊斗は寝てしまった。
(寝んのはやっ。……?何か視線を感じる気がする。)
3席ほど斜め前に八神がいた。何か睨んでる?すると目があった。
「っ!」
八神は慌てて目線を逸らす。

(最近多いなこういうの、嫌われてる訳じゃなさそうだし…八神が何を考えているのか全くわからない。後で聞いてみるか?)

「八神!何か俺らに言いたい事あった?それか用事あるとか?」バスを降りてから聞いてみた。
「何もない!…けど…」
「ん?」
語尾が小さくて声が聞こえなかったから顔を覗き込んでみる。
「っ!ち、近い!」
「あっ、びっくりさせたよな、ごめん」
「いや…大丈夫……。……か、加藤ってさ、柊と仲良いよな。」
「あーうん。」
「その、いや、、やっぱなんでもない。」
「そお?」「うん。」

(気まずい)

「2人とも何してんのー?早くいこーぜ!」
4人が少し離れたところで待っていた。
「俺らも行こっか。」「うん…。」

それから俺らは京都を観光した。
1日目最後にまわった場所は神社だ。そこでみんなでくじを引いた。

「俺大吉だったー!」
「俺は吉だ。なんか微妙。」

「八神は?」
「俺も大吉」
「まじ?見せて! ……。……大丈夫……ら?」
八神と清水が何か話している。でも内容は聞こえない。

「そろそろホテル行くか。」「そーだな。」
お参りもし終え皆が歩き始めた時、俺は誰かに服の裾を掴まれた。
「…八神?」
「あのさっ、加藤の事名前で呼んでいい?」
「え、急にどうした?」
「えっと、おみくじに友達ともっと仲良くなれたら良い事あるって書いてあったから、加藤の事名前で呼んだら距離縮まるかなって思って…やだったら変わらず苗字で呼ぶ…」
「そうなんだ。いや、名前で呼んでよ。じゃあ俺も八神の事名前で呼んでいい?」
「っ!いいよ!」
「じゃあ改めてよろしく、翔」
「よろしく!蒼馬!」

(っ!翔のこんな笑顔初めて見たかも。イケメンの笑顔破壊力すげぇな…なんかちょっとかわいい…かも。いや、男にかわいいはおかしいか)

それからホテルに戻り夜ご飯を食べ、俺が最後に風呂に入った。風呂から出たら窓側の3つの布団が埋まっており入り口側の1番端の布団が余っていた。

「蒼馬ここでいいっ?」
3×3で枕が向かい合わせになっていて俺の前は湊斗だった。
「いーよ」

そして隣は翔だった。今日1日で翔との距離がめちゃくちゃ縮まったと思う。けどこれも修学旅行の間だけだろう。クラスで端にいる俺とは違って翔はいつもクラスの中心にいるグループだからな。遠い存在かと思っていたが、今日一緒に過ごしてみたらとても楽しかった。忘れていたが明日は翔と同じ部屋だ。

「今日蒼馬とまわれて楽しかった!明日も楽しもうねっ。おやすみ。」

翔が俺にだけ聞こえるような声で言う。
「俺も楽しかったよ。おやすみ。」

ゲームも持ってきたし、明日はもっと仲を深められたらいいなと思いながら俺は瞼を閉じた。


『……やっぱ…………だな。』




【恋愛: 一途な想いあれば愛伝わる 行動で示せ】


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