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2. 可愛いと言わなくなった攻×可愛くなくなった受
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晴人と俺は幼馴染だ、家が隣で、よく一緒に遊んだ。
そんな俺らが8歳になった頃、
「ちあき君ってお顔も名前もとってもかわいいわね!」
近所の人からよくそう言われた。俺は女の子と間違われるくらい可愛らしい容姿だったそうだ。
男の子なら普通は嫌がるだろう、でも俺は嬉しかった。
何故なら、
「千秋可愛い!」
「千秋大っきくなったら結婚しようね!」
大好きな幼馴染がそう言ってくれるからだ。
* * * * *
そして俺らは高校2年生になった。
俺は可愛い顔のまま成長……とはならず周りからは
「千秋君ってほんとイケメンだよね!」
…そう、可愛いではなくかっこいいと言われるようになってしまった。
俺はイケメンと言われても喜べなかった。
だって、今でも大好きな幼馴染が、可愛いって言ってくれなくなったから…
身長も晴人より高くなった。
「もうすぐバレンタインだね!」
「私晴人君にあげてみようかなっ!」
バレンタインの季節がやってきた。
小学生の頃、晴人に可愛いと言ってもらいたくてお菓子作りをするようになった。
もちろん、晴人には毎年あげていた。けど、俺が可愛いと周りに言われなくなってから晴人にはあげていない。
だって、可愛げもないただの男にチョコなんか貰ったって、嬉しい奴なんていないだろ…?
そしてバレンタイン当日。
それでもチョコだけは渡したかったから、一応作ってきた。
(あのチョコの山に入れておこうかな)
晴人はとてもモテる、毎年晴人の机はチョコレートの山だ。
「晴人先輩!ちょっとお時間いいですか?」
「ん?いいよー」
それに晴人への告白も絶えない。
(俺も女の子だったら告白できてたのかな……)
俺はお菓子作りが大好きだから、昨日も作り始めたら止まらなくて、作りすぎてしまった。だからみんなに配る事にした。
そして、最後の1個は俺が1番仲が良い友達にあげた。
「康生、今年はチョコ貰えたか?」
「あー貰えたよ」
「えっ、うそ、誰に?」
「……母親と妹…」
「っ、なんだよそれ笑、焦っただろ!」
「なんで?あっ、俺の事好きだから他の奴に貰ったって聞いて焦ったのか?笑」
「悪いか?はい、これ本命」
「まじっ?さんきゅー!」
いつもこんな冗談を言い合える仲だ。
「……千秋」
「え!晴人?どうした?」
いつも学校では話しかけてこないのに…
「今日一緒に帰ろう」
「えっ…いいけど…」
(どうしたんだろ…)
俺は晴人と一緒に帰った。でも、帰り道で晴人は一言も喋らなかった。
(久しぶりに話せると思ったんだけどな…)
そして家の前に着いた。
「…晴人、じゃあなっ」
「千秋、家上がってけよ」
「え、」
* * * * *
「…お邪魔しまーす」
(断れなかった…)
最近は一緒にいるとドキドキしちゃうから晴人の部屋に行くのは避けていた…でも、なんか、さっきの晴人の感じは断れなかった。
「千秋、なんで俺の事避けてんの?」
「え、」
やばい、バレてる…
「避けてねーよ」
「いや、避けてるだろ」
「だから避けてねーって!」
「じゃあなんでみんなにはチョコ渡して俺にはないんだ?いつもくれてただろ、バレンタイン」
「……それはっ……チョコ食べたいならまた作ってくるよ…」
(結局、机の上にも置けなかったしな、まぁ、ポッケに入ってるけど)
「それにバレンタインって、好きな奴にあげるやつだろ?」
「は?…じゃあ何、先輩やクラスの奴らは好きなのに、俺の事は好きじゃねぇつってんの?」
「…そうじゃなくて」
「俺なんかした?」
「…してない…」
「じゃあ何?俺、お前と気まずいのやなんだけど」
「…なんでもないよ」
「お前まじで可愛くねぇな、昔はもっと素直だったのに」
『可愛くない』
その瞬間俺の中で何かが壊れた
「っ、素直じゃなくて悪かったなっ!可愛くないなんて当たり前だろっ、男なんだから!じゃあ何?素直になれば可愛くなれんのかっ?じゃあ言ってやるよっ、俺はお前が好きなんだよ!…あっ、」
「……今なんて?」
「何もない!俺帰る!」
「待って!」
晴人が俺の手を掴んだ。
「俺が好きって…まじ?」
もう後戻りできないのか?
「……うん」
(終わった…やばい…泣きそう)
「えっ、」
俺の体が何かに包まれた。
「俺も好きだよ」
「…うそだ」
「ほんと、さっきは問い詰めちまって悪かった…」
「俺、男だし、お前より背高いし、可愛くないし…」
「さっき言っちゃった事撤回させて?ムキになって口走っちゃったけど、千秋は可愛いよ?」
「…可愛い訳ねぇだろ」
「可愛いよ」
「……でも最近言ってくれなくなった…」
「それは…、あのさ?可愛いって言った時自分がどんな顔してるか知ってる?顔真っ赤にしてめちゃくちゃ嬉しそうな顔すんの、千秋は。そんなん見たら我慢できなくなるだろ、だから俺の欲求を抑えるためにも言わなかった……。でもそれが千秋を傷つけてたんだよな…ごめんな」
「っ、こんな俺でも可愛いって思ってくれるのっ?」
「俺が可愛いって思うのは千秋だけだよ」
* * * * *
「んっ、あっ、はるとっ」
「千秋すっげぇ可愛い」
キュン
「っ、締め付けえぐ、もう俺の入るかな」
「入れてっ!晴人のほしいっ」
「っ、」
ぐぷっ
「ふぁっ!ん、んっ」
「気持ちい?」
「きもちぃっ、こえっ、らめっ、すぐイッちゃうっ」
「イッていいよ」
「っ、あっ、イク!」
「千秋可愛いっ」
「はぅと、すきっ、らいすきっ」
「っ、俺も大好きだよ」
* * * * *
「…山内の事は?」
「ん?康生がどうかした?」
「教室で渡してただろ……本命だって」
「っ、あれは冗談だよ!」
「そっか…」
「それに…」
「えっ?」
「これ、晴人に。本当の本命チョコ。作ってたけど渡せなかったんだ」
「…めっちゃ嬉しい、ありがと!」
「っ、へへっ、喜んで貰えて俺も嬉しい!」
「……ほんとお前可愛すぎるよ」
「えっ…うぁっ!」
そのまま第2ラウンドに入った事は言うまでもない。
そんな俺らが8歳になった頃、
「ちあき君ってお顔も名前もとってもかわいいわね!」
近所の人からよくそう言われた。俺は女の子と間違われるくらい可愛らしい容姿だったそうだ。
男の子なら普通は嫌がるだろう、でも俺は嬉しかった。
何故なら、
「千秋可愛い!」
「千秋大っきくなったら結婚しようね!」
大好きな幼馴染がそう言ってくれるからだ。
* * * * *
そして俺らは高校2年生になった。
俺は可愛い顔のまま成長……とはならず周りからは
「千秋君ってほんとイケメンだよね!」
…そう、可愛いではなくかっこいいと言われるようになってしまった。
俺はイケメンと言われても喜べなかった。
だって、今でも大好きな幼馴染が、可愛いって言ってくれなくなったから…
身長も晴人より高くなった。
「もうすぐバレンタインだね!」
「私晴人君にあげてみようかなっ!」
バレンタインの季節がやってきた。
小学生の頃、晴人に可愛いと言ってもらいたくてお菓子作りをするようになった。
もちろん、晴人には毎年あげていた。けど、俺が可愛いと周りに言われなくなってから晴人にはあげていない。
だって、可愛げもないただの男にチョコなんか貰ったって、嬉しい奴なんていないだろ…?
そしてバレンタイン当日。
それでもチョコだけは渡したかったから、一応作ってきた。
(あのチョコの山に入れておこうかな)
晴人はとてもモテる、毎年晴人の机はチョコレートの山だ。
「晴人先輩!ちょっとお時間いいですか?」
「ん?いいよー」
それに晴人への告白も絶えない。
(俺も女の子だったら告白できてたのかな……)
俺はお菓子作りが大好きだから、昨日も作り始めたら止まらなくて、作りすぎてしまった。だからみんなに配る事にした。
そして、最後の1個は俺が1番仲が良い友達にあげた。
「康生、今年はチョコ貰えたか?」
「あー貰えたよ」
「えっ、うそ、誰に?」
「……母親と妹…」
「っ、なんだよそれ笑、焦っただろ!」
「なんで?あっ、俺の事好きだから他の奴に貰ったって聞いて焦ったのか?笑」
「悪いか?はい、これ本命」
「まじっ?さんきゅー!」
いつもこんな冗談を言い合える仲だ。
「……千秋」
「え!晴人?どうした?」
いつも学校では話しかけてこないのに…
「今日一緒に帰ろう」
「えっ…いいけど…」
(どうしたんだろ…)
俺は晴人と一緒に帰った。でも、帰り道で晴人は一言も喋らなかった。
(久しぶりに話せると思ったんだけどな…)
そして家の前に着いた。
「…晴人、じゃあなっ」
「千秋、家上がってけよ」
「え、」
* * * * *
「…お邪魔しまーす」
(断れなかった…)
最近は一緒にいるとドキドキしちゃうから晴人の部屋に行くのは避けていた…でも、なんか、さっきの晴人の感じは断れなかった。
「千秋、なんで俺の事避けてんの?」
「え、」
やばい、バレてる…
「避けてねーよ」
「いや、避けてるだろ」
「だから避けてねーって!」
「じゃあなんでみんなにはチョコ渡して俺にはないんだ?いつもくれてただろ、バレンタイン」
「……それはっ……チョコ食べたいならまた作ってくるよ…」
(結局、机の上にも置けなかったしな、まぁ、ポッケに入ってるけど)
「それにバレンタインって、好きな奴にあげるやつだろ?」
「は?…じゃあ何、先輩やクラスの奴らは好きなのに、俺の事は好きじゃねぇつってんの?」
「…そうじゃなくて」
「俺なんかした?」
「…してない…」
「じゃあ何?俺、お前と気まずいのやなんだけど」
「…なんでもないよ」
「お前まじで可愛くねぇな、昔はもっと素直だったのに」
『可愛くない』
その瞬間俺の中で何かが壊れた
「っ、素直じゃなくて悪かったなっ!可愛くないなんて当たり前だろっ、男なんだから!じゃあ何?素直になれば可愛くなれんのかっ?じゃあ言ってやるよっ、俺はお前が好きなんだよ!…あっ、」
「……今なんて?」
「何もない!俺帰る!」
「待って!」
晴人が俺の手を掴んだ。
「俺が好きって…まじ?」
もう後戻りできないのか?
「……うん」
(終わった…やばい…泣きそう)
「えっ、」
俺の体が何かに包まれた。
「俺も好きだよ」
「…うそだ」
「ほんと、さっきは問い詰めちまって悪かった…」
「俺、男だし、お前より背高いし、可愛くないし…」
「さっき言っちゃった事撤回させて?ムキになって口走っちゃったけど、千秋は可愛いよ?」
「…可愛い訳ねぇだろ」
「可愛いよ」
「……でも最近言ってくれなくなった…」
「それは…、あのさ?可愛いって言った時自分がどんな顔してるか知ってる?顔真っ赤にしてめちゃくちゃ嬉しそうな顔すんの、千秋は。そんなん見たら我慢できなくなるだろ、だから俺の欲求を抑えるためにも言わなかった……。でもそれが千秋を傷つけてたんだよな…ごめんな」
「っ、こんな俺でも可愛いって思ってくれるのっ?」
「俺が可愛いって思うのは千秋だけだよ」
* * * * *
「んっ、あっ、はるとっ」
「千秋すっげぇ可愛い」
キュン
「っ、締め付けえぐ、もう俺の入るかな」
「入れてっ!晴人のほしいっ」
「っ、」
ぐぷっ
「ふぁっ!ん、んっ」
「気持ちい?」
「きもちぃっ、こえっ、らめっ、すぐイッちゃうっ」
「イッていいよ」
「っ、あっ、イク!」
「千秋可愛いっ」
「はぅと、すきっ、らいすきっ」
「っ、俺も大好きだよ」
* * * * *
「…山内の事は?」
「ん?康生がどうかした?」
「教室で渡してただろ……本命だって」
「っ、あれは冗談だよ!」
「そっか…」
「それに…」
「えっ?」
「これ、晴人に。本当の本命チョコ。作ってたけど渡せなかったんだ」
「…めっちゃ嬉しい、ありがと!」
「っ、へへっ、喜んで貰えて俺も嬉しい!」
「……ほんとお前可愛すぎるよ」
「えっ…うぁっ!」
そのまま第2ラウンドに入った事は言うまでもない。
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