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第一部
9.呪いの力
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十五年ほど前、ヒースダインの後宮では謎の流行病により、何人もの側室や妾、その侍女たちが亡くなったらしい。周囲の証言によれば、亡くなった半数以上は、件の王子に『病に罹患してる』と告げられ、その数日後に発症したと言う。
「年端もいかない子どもが、突然指をさして『この人は病気だ』と言ったそうだよ。それが死を招く病だったから、不吉な予言をする子どもだと気味悪がられて監禁されたらしい。その後、呪いだとか噂を立てられたみたい」
「つまり彼は、病の兆候がわかったというわけか。もしくは病になる原因を知っていたかだな」
バージルは、あっさり結論を出した。呪いなど、解けない問題の逃げ道に使われる常套手段だ。もしくは、故意になにかを隠そうとするとき、または人を陥れようとするときに利用される。
「当時のヒースダインの宮廷医師たちには、病の原因が解明できなかったみたい。そいつらじゃないの、王子様の変な噂を撒き散らしたのって」
マイヤーが言うように、宮廷医師たちが噂を広めた可能性はある。つまらない矜恃や体面を保つためでもあるだろうが、一番の理由は責任逃れだろう。
「で、話はここからなんだけど。四、五年前から同じような流行病が、ヒースダインの後宮で発症してるみたいでね」
四、五年前と言えば、王子がウェストリンにやってきた時期と重なる。
「もしかしたら、それが理由で、王子様をヒースダインから追い出したのかなって。それで、もし意図的にウェストリンへ送り込んだとしたら?」
それが本当なら、ヒースダインはウェストリンに対して、意図的に危害を加えようとしたことになる。しかもウェストリンの国力は、当時からすでに防衛力の面において著しく低下しつつあった。つけいる隙を与えたら最後、あっという間にヒースダインに攻めこまれてしまっただろう。
「ヒースダインに舐められてるね」
「兄上の統治になった以上、以前のようにはいかない。だが悠長には構えてもいられないな」
次は何を仕掛けてくるかわからない。東の隣国ヒースダインは、国土も資源もウェストリンとほぼ同じで、昔からお互い牽制し合いつつ、動向を静観してきた。だが近年ウェストリンにおいては、前国王の腐敗政治のせいで弱体化に歯止めが効かず、国境付近では小競り合いが後をたたない。
これからウェストリンは、防衛力の強化に加えて、ここ数十年おろそかにしてきた外交にも力を入れなくてはならない。できればウェストリン以上の強国、南や北の大国とも友好関係を築いていくのが急務だ。
「これから忙しくなるぞ。さっそく兄上……いや陛下に進言しなくては」
「それもいいけど、休みはちゃんと取りなよ? 今バージル兄さんに倒れられたら、陛下も僕も困る」
「ああ、そうだな……それに彼の元にも通わなくては」
マイヤーは、うんうんとうなずいてる。
「いい伴侶にめぐり逢えて、本当によかったね」
「だが彼にとっては、私がいい伴侶かどうか疑問だ……触れようとして嫌がられてしまったから、どうしたものかと」
しかし食事に誘うくらいだから、生理的嫌悪は持たれてないと信じたい。少しずつ距離をつめていけば、やがて自然と手を繋げる日も来るだろう。
「いや結婚したんだから、それは構わないでしょ。まあ最初が肝心だろうけど、そもそもバージル兄さん、男の経験あるの?」
「ないが?」
「じゃあ、二回目に挑む前に、少し勉強してみたら? なんなら僕のつてに詳しい奴がいるから紹介しても」
「二回目とは?」
「え、だから。初夜で失敗したんだよね? 男を抱くのは、女と違っていろいろ準備とかあるから」
「抱く? とんでもない、私は彼の手に触れようとしただけだが」
「え」
マイヤーの顔はこわばったまま、しばらく動かなかった。
「いやいやいや、さすがにそれはないでしょ。バージル兄さん、そんなに奥手だった? 違うよね、来るもの拒まず去るもの追わずだったよね? え、違った?」
たしかに性に目覚めた十代は、そういう時期もあったかもしれない。しかしここ数年はクーデターの準備で、本当に忙しかったのだ。それこそ食事もままならず、睡眠もおろそかにして、ようやくエドワードを新国王とする新しい御代を迎えたのだから。
「彼とは結婚したのだから、去られたら困る」
「そこは去らせないための結婚じゃなかった? ヒースダインと友好関係を築くためにも」
「私は、精神的な距離をのことを話してる」
たとえ彼の体がそばにあろうと、心が離れてしまったら意味がない。バージルはすでに、自分の気持ちを自覚していた。
「いやいやいや、まさかバージル兄さん、気持ちが追いつくまで待つとか言わないよね? そこまで入れこむには、ちょっと早すぎる気がするんだけど。まさか妖精だから、気軽に手を出せないとか言わないよね?」
「何を言ってる。妖精は触れられないが、彼には触れることができる。彼は人間だからな」
「なる、ほど……そこは間違えてないんだ。えーと、うん、あとはバージル兄さんの好きにするといいよ。ただあの王子様には、まだ謎が多そうだけど」
マイヤーは立ち上がると、部屋を出ていきかけた際に、そうそう、と足をとめた。
「噂についてもうひとつ、なんでもあの王子に『触れる』と呪われるそうだよ。バージル兄さん、たしか具合が悪くなった王子様を運んだんだよね? その後、気分はどう?」
「なんともないが?」
それどころか、まともな食事を口にしたおかげか、いつなく気分がいい。
(まさか彼は、呪いを恐れて人に触れられることを厭うのか? そういえば私が触れようとしたとき、嫌がるというよりこわがっていたようだった)
バージルが手を伸ばそうとしたとき、それに触れまいと必死に体をひいた様子を思い出す。青ざめた顔には、恐怖がありありと浮かんでいた。
(そうか、あれは彼のやさしさだったのか……!)
ならば彼が気を病まないように、バージルが健康であればいい。呪いなど存在しないのだと、身をもって示せばいいのだ。
(そうと決まれば、今夜からしっかり睡眠を取ることにしよう)
周囲には度々、睡眠不足だといつか体を壊すと言われてきた。つまり、しっかり睡眠を取ればそのリスクが減る。まさに典医が進言した通り、規則正しい生活を送ることがなにより大切だ。
そして健康であり続けたら、いつか彼が心を開いて、身も心も結ばれる日が来る。この日を境に、バージルの生活が大きく変わっていくのだった。
「年端もいかない子どもが、突然指をさして『この人は病気だ』と言ったそうだよ。それが死を招く病だったから、不吉な予言をする子どもだと気味悪がられて監禁されたらしい。その後、呪いだとか噂を立てられたみたい」
「つまり彼は、病の兆候がわかったというわけか。もしくは病になる原因を知っていたかだな」
バージルは、あっさり結論を出した。呪いなど、解けない問題の逃げ道に使われる常套手段だ。もしくは、故意になにかを隠そうとするとき、または人を陥れようとするときに利用される。
「当時のヒースダインの宮廷医師たちには、病の原因が解明できなかったみたい。そいつらじゃないの、王子様の変な噂を撒き散らしたのって」
マイヤーが言うように、宮廷医師たちが噂を広めた可能性はある。つまらない矜恃や体面を保つためでもあるだろうが、一番の理由は責任逃れだろう。
「で、話はここからなんだけど。四、五年前から同じような流行病が、ヒースダインの後宮で発症してるみたいでね」
四、五年前と言えば、王子がウェストリンにやってきた時期と重なる。
「もしかしたら、それが理由で、王子様をヒースダインから追い出したのかなって。それで、もし意図的にウェストリンへ送り込んだとしたら?」
それが本当なら、ヒースダインはウェストリンに対して、意図的に危害を加えようとしたことになる。しかもウェストリンの国力は、当時からすでに防衛力の面において著しく低下しつつあった。つけいる隙を与えたら最後、あっという間にヒースダインに攻めこまれてしまっただろう。
「ヒースダインに舐められてるね」
「兄上の統治になった以上、以前のようにはいかない。だが悠長には構えてもいられないな」
次は何を仕掛けてくるかわからない。東の隣国ヒースダインは、国土も資源もウェストリンとほぼ同じで、昔からお互い牽制し合いつつ、動向を静観してきた。だが近年ウェストリンにおいては、前国王の腐敗政治のせいで弱体化に歯止めが効かず、国境付近では小競り合いが後をたたない。
これからウェストリンは、防衛力の強化に加えて、ここ数十年おろそかにしてきた外交にも力を入れなくてはならない。できればウェストリン以上の強国、南や北の大国とも友好関係を築いていくのが急務だ。
「これから忙しくなるぞ。さっそく兄上……いや陛下に進言しなくては」
「それもいいけど、休みはちゃんと取りなよ? 今バージル兄さんに倒れられたら、陛下も僕も困る」
「ああ、そうだな……それに彼の元にも通わなくては」
マイヤーは、うんうんとうなずいてる。
「いい伴侶にめぐり逢えて、本当によかったね」
「だが彼にとっては、私がいい伴侶かどうか疑問だ……触れようとして嫌がられてしまったから、どうしたものかと」
しかし食事に誘うくらいだから、生理的嫌悪は持たれてないと信じたい。少しずつ距離をつめていけば、やがて自然と手を繋げる日も来るだろう。
「いや結婚したんだから、それは構わないでしょ。まあ最初が肝心だろうけど、そもそもバージル兄さん、男の経験あるの?」
「ないが?」
「じゃあ、二回目に挑む前に、少し勉強してみたら? なんなら僕のつてに詳しい奴がいるから紹介しても」
「二回目とは?」
「え、だから。初夜で失敗したんだよね? 男を抱くのは、女と違っていろいろ準備とかあるから」
「抱く? とんでもない、私は彼の手に触れようとしただけだが」
「え」
マイヤーの顔はこわばったまま、しばらく動かなかった。
「いやいやいや、さすがにそれはないでしょ。バージル兄さん、そんなに奥手だった? 違うよね、来るもの拒まず去るもの追わずだったよね? え、違った?」
たしかに性に目覚めた十代は、そういう時期もあったかもしれない。しかしここ数年はクーデターの準備で、本当に忙しかったのだ。それこそ食事もままならず、睡眠もおろそかにして、ようやくエドワードを新国王とする新しい御代を迎えたのだから。
「彼とは結婚したのだから、去られたら困る」
「そこは去らせないための結婚じゃなかった? ヒースダインと友好関係を築くためにも」
「私は、精神的な距離をのことを話してる」
たとえ彼の体がそばにあろうと、心が離れてしまったら意味がない。バージルはすでに、自分の気持ちを自覚していた。
「いやいやいや、まさかバージル兄さん、気持ちが追いつくまで待つとか言わないよね? そこまで入れこむには、ちょっと早すぎる気がするんだけど。まさか妖精だから、気軽に手を出せないとか言わないよね?」
「何を言ってる。妖精は触れられないが、彼には触れることができる。彼は人間だからな」
「なる、ほど……そこは間違えてないんだ。えーと、うん、あとはバージル兄さんの好きにするといいよ。ただあの王子様には、まだ謎が多そうだけど」
マイヤーは立ち上がると、部屋を出ていきかけた際に、そうそう、と足をとめた。
「噂についてもうひとつ、なんでもあの王子に『触れる』と呪われるそうだよ。バージル兄さん、たしか具合が悪くなった王子様を運んだんだよね? その後、気分はどう?」
「なんともないが?」
それどころか、まともな食事を口にしたおかげか、いつなく気分がいい。
(まさか彼は、呪いを恐れて人に触れられることを厭うのか? そういえば私が触れようとしたとき、嫌がるというよりこわがっていたようだった)
バージルが手を伸ばそうとしたとき、それに触れまいと必死に体をひいた様子を思い出す。青ざめた顔には、恐怖がありありと浮かんでいた。
(そうか、あれは彼のやさしさだったのか……!)
ならば彼が気を病まないように、バージルが健康であればいい。呪いなど存在しないのだと、身をもって示せばいいのだ。
(そうと決まれば、今夜からしっかり睡眠を取ることにしよう)
周囲には度々、睡眠不足だといつか体を壊すと言われてきた。つまり、しっかり睡眠を取ればそのリスクが減る。まさに典医が進言した通り、規則正しい生活を送ることがなにより大切だ。
そして健康であり続けたら、いつか彼が心を開いて、身も心も結ばれる日が来る。この日を境に、バージルの生活が大きく変わっていくのだった。
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