18 / 23
第四部
1*
しおりを挟む
平日の午後七時、三崎正徳は最寄の駅ビル内にある書店で、恋人の倉澤和泉と待ち合わせをしていた。
(待ち合わせ五分前……ピッタリだ)
この書店は、三崎の通うサテライトオフィスの目と鼻の先だ。自宅からも、徒歩ではやや遠いが、自転車を使えば三十分ほどで着く。
職場でテレワークが導入されて以来、三崎は週に三、四日ほどサテライトオフィスを利用していた。満員電車を免れるメリットは大きいが、車の多い街中を自転車で通勤することに対して、心配性の恋人はあまりいい顔していない。
一方の倉澤は、顧客の管理システムの企画・開発がメインだが、社内システムのインフラや保守の監督も兼任している為、基本毎日出社を余儀なくされていた。倉澤本人曰く、フレックスだからラッシュを避けられる上、原則残業禁止だからまだマシらしい。
三崎は週に一、二度しか出社しないので、社内で倉澤と会うことが全くと言っていいほど無くなってしまった。代わりにほぼ毎日こうして仕事帰りに待ち合わせて、どちらかの家へ行って夕食を共にする。そして食欲が満たされると、言わずもがなベッドへもつれこむのが常だった。
(きっと今日もするんだろうなあ……)
付き合いたての頃の淡白さと打って変わり、我慢も遠慮もかなぐり捨てた倉澤は、会うと必ず体を求めてくるようになった。それでも平日はある程度加減をしてくれるが、休みの前日になると実に容赦無い。
ふと三崎の脳裏に、行為に没頭する倉澤の顔が脳裏に浮かんだ。こめかみからシャープな頬を伝って、顎から滴り落ちる汗……少し半開きの口元から赤い舌が覗き、快楽に溺れた瞳がこちらを見つめている……その光景をあわてて頭から振り払ったものの、頰がジワジワと熱くなるのが止められなかった。爽やかイケメンが通常運転の恋人が、あの時だけはフェロモンだだ漏れの、恐ろしく飢えた野獣になるからたちが悪い。
(でも、なんで俺に対して、あそこまで……ホント理解できん……)
毎回情熱的に求められるのは、愛されている実感がして嬉しくないわけではない。だがそれほど夢中になれる要素が自分にあるとはとても思えず、三崎はイマイチ腑に落ちなかった。そして何より、三崎をこの世で一番可愛い生き物のように扱うのが、なんとも理解し難いところだ。
別に倉澤の気持ちを疑っているわけではない。恐らく幸運な事に、自分は倉澤の好みのタイプなのだろうと無理やり納得するしかない。
(倉澤さんが俺でいいって言うなら、別にそれでいいじゃないか)
そう思いながら書店の中を歩き回り、倉澤が足を止めそうな棚を順番に覗いていく。すると奥の専門書コーナーに、倉澤の後ろ姿を見つけた。
「倉さ……」
「イズ!? イズじゃん……どうしたの、こんなところで?」
タッチの差で声をかけそびれた三崎は、突然現れた若い男に足が止まった。
「ユウ……久しぶり」
「ホントだよ。何、また勉強? 好きだねー」
「いや、なんとなく見てただけ」
「若いんだからもっと遊ばなきゃ。最近タツさんとこ行ってる?」
「いや、全く」
「だと思った。全然会えないんだもん。ミツも会いたがってるよ、きっと。今度一緒に行かない?」
「いや、俺は……」
そこで倉澤が初めて三崎の存在に気づいた。ユウと呼ばれた隣の男も、倉澤の視線を辿って振り返る。
(倉澤さんの友だち?)
背はそれほど高くないが、スタイルがよく身なりも悪くない。マスクをしているので顔の半分は隠れているが、整った眉や長い睫毛から、かなりの美形であることが伺えた。
呆然とユウを眺めていると、微かに眉根を寄せた倉澤が一歩前に出る。
「三崎?」
「あ、ああ……お疲れ様です……」
「何なに、イズの知り合い?」
倉澤の後ろに立っているユウは、三崎に向かって小さく会釈をした。つられて三崎も頭を下げる。
「イズのプライベートな友だちに会うの、初めてかも」
ユウはうれしそうに笑って、倉澤の二の腕を親しげに掴んだ。その様子を見ていた三崎は、瞬時に悟ってしまう。
(まさか元カレ……?)
だが以前に倉澤は、付き合うのは三崎が初めてと言っていた。そうこれまで『割り切った』付き合いしか経験が無いと話してくれた。つまり、目の前の彼は『割り切った』付き合いをした相手だった、ということになるかもしれない。
(この人も、倉澤さんと……?)
もちろんそんなこと想像したくないが、目の前にそれらしき人物が現れたら、かなりのショックを受けてしまうのも仕方ないことだろう。
「三崎、どうした?」
いつの間に隣に立っていた倉澤は、心配そうに三崎の顔を覗き込んだ。普段なら遠慮して、外ではあまり体を触れようとしない倉澤だが、今はなぜか親しげに腰に手を回してきた。
「ちょっ……倉澤さん?」
「腹減った。早く何か買って、家帰ろう」
少し拗ねたような表情の倉澤が珍しくて、三崎は目を丸くする。いつもどちらかというと、三崎を甘やかそうとする傾向があるから、立場が逆転しているようで少し面映ゆくすら感じた。
そんな二人の様子を眺めてたユウは、何か理解したようにああ、と一人で頷いた。
「そういうことか。これからデート?」
「まあな」
「じゃ、お邪魔にならないうちに、僕は退散しよーっと」
ユウはもう一度、三崎に向かって会釈すると、現れたのと同じくサッといなくなってしまった。
「倉澤さん、あの……」
「あいつは昔の飲み仲間の一人。前に常連だった店で知り合ったんだ」
躊躇いもなくサラリと説明した言葉に、三崎はそうか、と返しただけで、それ以上詮索するつもりはなかった。気にならないと言えば嘘になるが、過去を蒸し返しても有意義な場合と、全く無益な場合がある。
(せっかく会っているのに、変な空気になっちゃうのは勿体ないからな……)
三崎は首を振った。誰にだって聞いてはいけない過去があるだろう。昔の恋人の話なら、尚更だ。
その夜、休みの前日ともあって倉澤の家に泊まったが、ベッドでの行為はいつもに増して激しかった。
「はっ……なん、で……」
「……っ……お前が、可愛いのが悪い……」
無意識のうちに積極的に求めてしまう三崎に対し、倉澤は喜びを隠しきれない様子で情熱的に応えた。
(可愛いはずない……あの人の方が、よっぽど……)
綺麗な男だった。それにとても親しそうだった。倉澤の過去を知っていた。書店で、ユウが倉澤の腕をつかんだ時、三崎の頭に浮かんだのはこんな疑問だ。
(あの人はどうやってこの人に触れたのだろう。この人はどうやって、あの人に触れたのだろう)
過去を振り返っても仕方ない、そう何度も思うのに、現実には難しい。倉澤の過去を知る男、しかも『割り切った』付き合いをしていた男を目の当たりにして、複雑に入り混じった感情が心の奥底で燻り続ける。
自分だって過去に付き合った人がいたのだから、倉澤を責めるわけにもいかない。それでも嫉妬心は勝手に芽生えてしまう。それを抑えるのはとても難しく、本能が昂ったベッドでの行為中とあってか、易々と暴かれてしまった。
「ふっ……妬いてくれるんだな……」
「わ、悪い……つい……」
「いや、そこあやまるとこじゃねーから……」
汗と涙でぐちゃぐちゃになった三崎の頰を、長い指先が愛おしそうになぞる。
「嬉しいよ……すっげー好き、可愛い……もっと妬いてくれ」
倉澤は幸せそうに笑っていながら、どこか心配そうにも見えた。そして三崎の思考を奪う様に、倉澤は愛撫する手を止めなかった。すでに全身余すところなく敏感になってしまったのに、まだ足りないとばかりに求められる。もっと、全部明け渡せと要求される。
(こんなの知ったら、もう……)
全てを倉澤の前にさらけ出せたらいいのに、と甘えた気持ちに駆られてしまう。
でも心の内を見せすぎて、重すぎて引かれたらと思うと、怖くて仕方ない。どこまで見せればいいのか、どのくらいの距離なら飽きられないか。
「三崎、三崎……こっちを向け……」
「あ……」
いつの間にか、倉澤の視線を避けていた。頂点を登り詰めたら、あとは降りるだけだ。そんな言葉が追いかけてきて、まだ上がれるのに、一番上まで辿り着きたくない気がしてしまう。
(気づかれたくない)
その臆病な心を知られたら、きっと倉澤は遠慮してしまう。きっと素直に、少しだけ嫉妬してる態度を貫き通せば、倉澤はただひたすら甘やかしてくれるだろう。だから三崎は、さらに積極的に腕を倉澤の首の後ろに回し、顔を引き寄せた。
「もっと……欲しい」
「……ああ」
倉澤は飽くことなく、三崎を一晩中抱き続けた。
(待ち合わせ五分前……ピッタリだ)
この書店は、三崎の通うサテライトオフィスの目と鼻の先だ。自宅からも、徒歩ではやや遠いが、自転車を使えば三十分ほどで着く。
職場でテレワークが導入されて以来、三崎は週に三、四日ほどサテライトオフィスを利用していた。満員電車を免れるメリットは大きいが、車の多い街中を自転車で通勤することに対して、心配性の恋人はあまりいい顔していない。
一方の倉澤は、顧客の管理システムの企画・開発がメインだが、社内システムのインフラや保守の監督も兼任している為、基本毎日出社を余儀なくされていた。倉澤本人曰く、フレックスだからラッシュを避けられる上、原則残業禁止だからまだマシらしい。
三崎は週に一、二度しか出社しないので、社内で倉澤と会うことが全くと言っていいほど無くなってしまった。代わりにほぼ毎日こうして仕事帰りに待ち合わせて、どちらかの家へ行って夕食を共にする。そして食欲が満たされると、言わずもがなベッドへもつれこむのが常だった。
(きっと今日もするんだろうなあ……)
付き合いたての頃の淡白さと打って変わり、我慢も遠慮もかなぐり捨てた倉澤は、会うと必ず体を求めてくるようになった。それでも平日はある程度加減をしてくれるが、休みの前日になると実に容赦無い。
ふと三崎の脳裏に、行為に没頭する倉澤の顔が脳裏に浮かんだ。こめかみからシャープな頬を伝って、顎から滴り落ちる汗……少し半開きの口元から赤い舌が覗き、快楽に溺れた瞳がこちらを見つめている……その光景をあわてて頭から振り払ったものの、頰がジワジワと熱くなるのが止められなかった。爽やかイケメンが通常運転の恋人が、あの時だけはフェロモンだだ漏れの、恐ろしく飢えた野獣になるからたちが悪い。
(でも、なんで俺に対して、あそこまで……ホント理解できん……)
毎回情熱的に求められるのは、愛されている実感がして嬉しくないわけではない。だがそれほど夢中になれる要素が自分にあるとはとても思えず、三崎はイマイチ腑に落ちなかった。そして何より、三崎をこの世で一番可愛い生き物のように扱うのが、なんとも理解し難いところだ。
別に倉澤の気持ちを疑っているわけではない。恐らく幸運な事に、自分は倉澤の好みのタイプなのだろうと無理やり納得するしかない。
(倉澤さんが俺でいいって言うなら、別にそれでいいじゃないか)
そう思いながら書店の中を歩き回り、倉澤が足を止めそうな棚を順番に覗いていく。すると奥の専門書コーナーに、倉澤の後ろ姿を見つけた。
「倉さ……」
「イズ!? イズじゃん……どうしたの、こんなところで?」
タッチの差で声をかけそびれた三崎は、突然現れた若い男に足が止まった。
「ユウ……久しぶり」
「ホントだよ。何、また勉強? 好きだねー」
「いや、なんとなく見てただけ」
「若いんだからもっと遊ばなきゃ。最近タツさんとこ行ってる?」
「いや、全く」
「だと思った。全然会えないんだもん。ミツも会いたがってるよ、きっと。今度一緒に行かない?」
「いや、俺は……」
そこで倉澤が初めて三崎の存在に気づいた。ユウと呼ばれた隣の男も、倉澤の視線を辿って振り返る。
(倉澤さんの友だち?)
背はそれほど高くないが、スタイルがよく身なりも悪くない。マスクをしているので顔の半分は隠れているが、整った眉や長い睫毛から、かなりの美形であることが伺えた。
呆然とユウを眺めていると、微かに眉根を寄せた倉澤が一歩前に出る。
「三崎?」
「あ、ああ……お疲れ様です……」
「何なに、イズの知り合い?」
倉澤の後ろに立っているユウは、三崎に向かって小さく会釈をした。つられて三崎も頭を下げる。
「イズのプライベートな友だちに会うの、初めてかも」
ユウはうれしそうに笑って、倉澤の二の腕を親しげに掴んだ。その様子を見ていた三崎は、瞬時に悟ってしまう。
(まさか元カレ……?)
だが以前に倉澤は、付き合うのは三崎が初めてと言っていた。そうこれまで『割り切った』付き合いしか経験が無いと話してくれた。つまり、目の前の彼は『割り切った』付き合いをした相手だった、ということになるかもしれない。
(この人も、倉澤さんと……?)
もちろんそんなこと想像したくないが、目の前にそれらしき人物が現れたら、かなりのショックを受けてしまうのも仕方ないことだろう。
「三崎、どうした?」
いつの間に隣に立っていた倉澤は、心配そうに三崎の顔を覗き込んだ。普段なら遠慮して、外ではあまり体を触れようとしない倉澤だが、今はなぜか親しげに腰に手を回してきた。
「ちょっ……倉澤さん?」
「腹減った。早く何か買って、家帰ろう」
少し拗ねたような表情の倉澤が珍しくて、三崎は目を丸くする。いつもどちらかというと、三崎を甘やかそうとする傾向があるから、立場が逆転しているようで少し面映ゆくすら感じた。
そんな二人の様子を眺めてたユウは、何か理解したようにああ、と一人で頷いた。
「そういうことか。これからデート?」
「まあな」
「じゃ、お邪魔にならないうちに、僕は退散しよーっと」
ユウはもう一度、三崎に向かって会釈すると、現れたのと同じくサッといなくなってしまった。
「倉澤さん、あの……」
「あいつは昔の飲み仲間の一人。前に常連だった店で知り合ったんだ」
躊躇いもなくサラリと説明した言葉に、三崎はそうか、と返しただけで、それ以上詮索するつもりはなかった。気にならないと言えば嘘になるが、過去を蒸し返しても有意義な場合と、全く無益な場合がある。
(せっかく会っているのに、変な空気になっちゃうのは勿体ないからな……)
三崎は首を振った。誰にだって聞いてはいけない過去があるだろう。昔の恋人の話なら、尚更だ。
その夜、休みの前日ともあって倉澤の家に泊まったが、ベッドでの行為はいつもに増して激しかった。
「はっ……なん、で……」
「……っ……お前が、可愛いのが悪い……」
無意識のうちに積極的に求めてしまう三崎に対し、倉澤は喜びを隠しきれない様子で情熱的に応えた。
(可愛いはずない……あの人の方が、よっぽど……)
綺麗な男だった。それにとても親しそうだった。倉澤の過去を知っていた。書店で、ユウが倉澤の腕をつかんだ時、三崎の頭に浮かんだのはこんな疑問だ。
(あの人はどうやってこの人に触れたのだろう。この人はどうやって、あの人に触れたのだろう)
過去を振り返っても仕方ない、そう何度も思うのに、現実には難しい。倉澤の過去を知る男、しかも『割り切った』付き合いをしていた男を目の当たりにして、複雑に入り混じった感情が心の奥底で燻り続ける。
自分だって過去に付き合った人がいたのだから、倉澤を責めるわけにもいかない。それでも嫉妬心は勝手に芽生えてしまう。それを抑えるのはとても難しく、本能が昂ったベッドでの行為中とあってか、易々と暴かれてしまった。
「ふっ……妬いてくれるんだな……」
「わ、悪い……つい……」
「いや、そこあやまるとこじゃねーから……」
汗と涙でぐちゃぐちゃになった三崎の頰を、長い指先が愛おしそうになぞる。
「嬉しいよ……すっげー好き、可愛い……もっと妬いてくれ」
倉澤は幸せそうに笑っていながら、どこか心配そうにも見えた。そして三崎の思考を奪う様に、倉澤は愛撫する手を止めなかった。すでに全身余すところなく敏感になってしまったのに、まだ足りないとばかりに求められる。もっと、全部明け渡せと要求される。
(こんなの知ったら、もう……)
全てを倉澤の前にさらけ出せたらいいのに、と甘えた気持ちに駆られてしまう。
でも心の内を見せすぎて、重すぎて引かれたらと思うと、怖くて仕方ない。どこまで見せればいいのか、どのくらいの距離なら飽きられないか。
「三崎、三崎……こっちを向け……」
「あ……」
いつの間にか、倉澤の視線を避けていた。頂点を登り詰めたら、あとは降りるだけだ。そんな言葉が追いかけてきて、まだ上がれるのに、一番上まで辿り着きたくない気がしてしまう。
(気づかれたくない)
その臆病な心を知られたら、きっと倉澤は遠慮してしまう。きっと素直に、少しだけ嫉妬してる態度を貫き通せば、倉澤はただひたすら甘やかしてくれるだろう。だから三崎は、さらに積極的に腕を倉澤の首の後ろに回し、顔を引き寄せた。
「もっと……欲しい」
「……ああ」
倉澤は飽くことなく、三崎を一晩中抱き続けた。
1
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる