39 / 83
日本政府
しおりを挟む「とりあえずは、食糧なんだな」
「いや、ナッツ。
これはマジに大きかったぞ。
うちは子供が二人いるから、まず、食べるものはどうなるのか心配したからな」
アイクがそう付け加えた。
「さらに、利益を度外視して行っていた、近海のメタンハイドレート、天然ガスの発掘が軌道に乗り始め、エネルギー問題も解消されつつあることを専門家が説明しました」
「つまり、転生界からの攻撃によって、輸出入がストップしても、自給自足でしばらくは凌げる体制が出来ているってことか」
「もちろん、他国との通商も、可能な限り維持する体制も整えていました。
アメリカの支援を受け、台湾、さらに、フィリピン インドネシア マレーシアなど、東南アジアの国々との協力関係を強固にし、シーレーンの安全を強固なものとしました」
「……魔族上陸から、30分後に、記者会見を開いたって言ったよな。
じゃあ、今の説明を大臣だか、専門家だかが説明している間、小田原の戦況はどうなっていたんだ?」
「一方的に押されていました」
戸倉は隠す様子は無く、あっさりと答えた。
「消防警察は、怪我人の搬送、避難の誘導しかできません。
たまに、魔族に対して、警官隊が銃撃を行いましたが、足止めにもなりませんでした。
駒門駐屯地から戦闘車両が到着しましたが、まずは現着を優先したため、現地での対応は後手に回りました。
戦力の逐次投入という形ですね」
「どうして後手に回るんだ。
転生界からの攻撃を予想していたんじゃないのか?」
「何月何日、どの場所に魔軍が侵攻してくると言うことが、前もって分かっていたと言うような話ではないのです。
初動の遅れは、仕方ないでしょう」
戸倉が肩をすくめる。
「自衛隊は押され続け、上陸から2時間後、魔軍は小田原城に達しました。
その時、戦況を逆転させる援軍が現れたのです」
「援軍?」
戸倉のもったいをつけるように話し方に乗せられ、ナッツは思わず問う。
「帰還者たちです。
すでに、異世界から帰還していた、魔剣士、魔導士、僧侶、召喚士ら、十二名が戦場に現れたのです」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる