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第二章 町へ
3 おとぎ話
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グラントが言ったように、木々の間隔が少し広がって時折空を仰ぎ見ることができるようになった。
記憶を失くしてから初めての空――パッヘルにとってそれは、生まれて初めて見た空ということになるのだが……
彼女は確かに感じた。
私は空を見たことがあると。
「はあ……はあ……」
館を発ってから一時間ほど。ろくに休憩も挟まず歩き続けているせいで、パッヘルはもとよりグラントさえも肩で息をするようになっていた。
「魔女って面倒なのね」
荒い呼吸に混じえて、パッヘルは言った。
「どうして魔女だからってこんな森の中で暮らしてるの? 姿は人間と同じなんだし、町で暮らせばいいじゃん」
「なんじゃ? 書庫の本を読んでおらんのか?」
「う……そんな気分じゃなかったから……っていうか、私が森で暮らしている理由って、本に書いてあるようなことなの?」
「まあ、この世界じゃ常識と言えような」
「ふーん」
パッヘルは物言いたげにグラントを見つめた。
その視線に耐えかねたのか、ふうと大きな溜息を吐いてから、グラントは話し始めた。
「そもそも、魔女という存在がどのようなものなのかを知っておるか?」
「魔女……? 魔法が使える女の子って感じ?」
「極めて頭の悪そうな回答じゃが、そう間違ってもおらん。正確には、悪魔と契りを交わし膨大な魔力を手に入れた女性のことじゃ」
「あ、悪魔と契り?」
パッヘルの表情が途端に固くなった。
そんな彼女のことなどお構いなしにグラントは続ける。
「そうじゃ。寝室に絵画が飾ってあるじゃろ? 言わばあれがお主の夫――アスモスというわけじゃな」
「アスモス……私の……夫……?」
「その昔、この世に魔法が生まれたばかりの頃、多くの人間が魔法とは悪魔の力によってもたらされるものだと考えていたんじゃ。当時は悪魔崇拝者が世界の人口の三割近くを占めておったらしい。恐ろしい話じゃの。
そんな時代の中、ある国に他を寄せつけぬほどの強力な魔法を操る娘が現れた。名をワルプギアという。ワルプギアは戦争にも駆り出され、数多くの戦果を得た。彼女の活躍で新しい国が二つ、三つ生まれたほどじゃ。
当然ながら、人々は彼女の魔力の根源を探ろうとする。始めのうちは誤魔化しておったようじゃが、やがて彼女は告白したんじゃ。この力は悪魔と契りを交わして得た力じゃとな」
まるでおとぎ話でも聞かされているような気分だった。
いや、もしくはおとぎ話なのだと言い聞かせながら、パッヘルはその話を聞いていたのかもしれない。
「つまりそのワルプギアって人が、初めての魔女だってこと?」
「そういうことじゃ」
グラントは深く頷いた。
「彼女に倣って、世界では次々と悪魔と契りを交わす女が現れるようになった。言わば、流行ともいえるじゃろうな。破壊の魔女デネブ、慈愛の魔女グロニア、強欲の魔女ベヨネッタ――多くの魔女が世界で名を挙げ、悪魔崇拝者たちの畏怖の対象となっていった。
そんな折にお主――幻夢の魔女パッヘルも生まれたわけじゃ」
「幻夢の魔女、パッヘル……」
おとぎ話の登場人物として、突如自分が放り込まれた――そんな感覚を覚えながら、パッヘルは他人ごとのようにその名を呟いた。
グラントはパッヘルをちらりと一瞥してから、話を続けた。
「しかし、魔女全盛の時代はあっけなく終わりを告げる。世界の魔術師や魔術学者の研究によって、魔法が一つの学問として成り立っていったのじゃ。それはあくまで自然の摂理からなる理に適った力であり、悪魔の力を借りて得るそれとは似て非なるものだと考えられるようになった。
そして、おのずと世界は悪魔崇拝者を――魔女を弾圧する動きとなる。ほとんどの国では悪魔崇拝が法的に禁止され、それに従わない者には厳罰が下された。彼らだって自分の身が恋しいからのう。悪魔崇拝者たちは次々に自らの信念を捨てていったのじゃ」
「それじゃあ、魔女は……?」
「そう。悪魔と契りを交わしてしまった魔女たちは、今更それを破棄することもできん。各々で運命を切り開くしかなかったんじゃ。国に対して最後まで戦い抜いた者もおったが、多くの者は人の手の届かないところへと逃げ出した。
この世界にはそういった場所が幾らか点在しておるのじゃ。そこにはだいたい多くの魔物たちが蔓延っており、一国の軍隊でさえも足を踏み入れることはままならん」
「そっか……」
パッヘルは力なく呟いた。
「つまり私は、その弾圧から逃れるためにこの森で暮らしているわけね」
「まあ、そういうことじゃ。人々に拒絶され仕方なくこの森を訪れた――森の魔物たちと同じじゃな」
そこまで話してから、グラントはひと仕事終えたかのように軽く息を吐いた。
「で、どうじゃ? これで魔女という存在のことがよく分かったじゃろ?」
「う、うーん……」
パッヘルは言い淀み、伏し目がちになった。
「ん? どうした?」
「なんていうか、他人ごとにしか聞こえなかったよ。もちろん、あなたの話を疑う理由はこれっぽっちもないんだけど……やっぱりほら、結局何も覚えてないし」
「まあ、仕方ないわな」
「じゃあさ、他の魔女たちもまだこの世界のどこかで生きてるってこと? 私みたいに、魔物たちに囲まれながら……」
少しだけ黙ってから、グラントは「いや」と首を横に振る。
「三百年ほど前に美醜の魔女リリスの死亡が確認されて以来、残る魔女はただ一人ということになっておる」
「は?」
パッヘルは驚いて顔を上げた。
「喜ぶんじゃな。当初は数多の魔女のうちの一人に過ぎなかったお主じゃが、今では世界で最も有名な魔女じゃ。なにせ、唯一現在まで生き残っとるんじゃから」
「よ、喜べないってば! どうして? どうして私だけ生き残ったの? 他にもたくさん魔女はいたんでしょ? みんな、その弾圧から逃げ切れなかったの?」
「なんてこたぁない。みんな、老衰で死んでいったんじゃ」
それを聞いたパッヘルは、その場で固まってしまった。
「え? そ、そんなの、おかしくない? じゃあ、どうして私は……」
「ああ、おかしい」
グラントは頷いた。
「だが、事実じゃ。他の魔女が老衰で倒れゆく中、お主だけは年を取ることもなく三百年以上も生き続けておる。その理由はわしにだって、誰にだって分からんよ。唯一知ってそうなやつは、記憶喪失になったなんぞのたまっておるしな」
パッヘルはぼうっと立ち尽くし、どこかあらぬ方向を見つめていた。
悪魔アスモスと契りを交わし魔女になるも、時代の移り変わりの中で弾圧を受けるようになってしまった。その弾圧から逃れるためこの幻夢の森に居をかまえ、老衰で死んでいく他の魔女たちを尻目に三百年以上を生き続けている。
それが幻夢の魔女パッヘル――すなわち自分である。
「まったく……」
その時、不意に一匹の魔獣が二人の前を横切ろうとした。
角の数が多い水牛のような姿をしている。
彼は一瞬だけ敵意を向けてきたが、パッヘルの姿を認めるなりしゅんとおとなしくなった。
そして、森の奥へと走り去ってしまった。
「よくできたおとぎ話だわ」
パッヘルは乾いた笑みを浮かべながら独り言のように呟いた。
記憶を失くしてから初めての空――パッヘルにとってそれは、生まれて初めて見た空ということになるのだが……
彼女は確かに感じた。
私は空を見たことがあると。
「はあ……はあ……」
館を発ってから一時間ほど。ろくに休憩も挟まず歩き続けているせいで、パッヘルはもとよりグラントさえも肩で息をするようになっていた。
「魔女って面倒なのね」
荒い呼吸に混じえて、パッヘルは言った。
「どうして魔女だからってこんな森の中で暮らしてるの? 姿は人間と同じなんだし、町で暮らせばいいじゃん」
「なんじゃ? 書庫の本を読んでおらんのか?」
「う……そんな気分じゃなかったから……っていうか、私が森で暮らしている理由って、本に書いてあるようなことなの?」
「まあ、この世界じゃ常識と言えような」
「ふーん」
パッヘルは物言いたげにグラントを見つめた。
その視線に耐えかねたのか、ふうと大きな溜息を吐いてから、グラントは話し始めた。
「そもそも、魔女という存在がどのようなものなのかを知っておるか?」
「魔女……? 魔法が使える女の子って感じ?」
「極めて頭の悪そうな回答じゃが、そう間違ってもおらん。正確には、悪魔と契りを交わし膨大な魔力を手に入れた女性のことじゃ」
「あ、悪魔と契り?」
パッヘルの表情が途端に固くなった。
そんな彼女のことなどお構いなしにグラントは続ける。
「そうじゃ。寝室に絵画が飾ってあるじゃろ? 言わばあれがお主の夫――アスモスというわけじゃな」
「アスモス……私の……夫……?」
「その昔、この世に魔法が生まれたばかりの頃、多くの人間が魔法とは悪魔の力によってもたらされるものだと考えていたんじゃ。当時は悪魔崇拝者が世界の人口の三割近くを占めておったらしい。恐ろしい話じゃの。
そんな時代の中、ある国に他を寄せつけぬほどの強力な魔法を操る娘が現れた。名をワルプギアという。ワルプギアは戦争にも駆り出され、数多くの戦果を得た。彼女の活躍で新しい国が二つ、三つ生まれたほどじゃ。
当然ながら、人々は彼女の魔力の根源を探ろうとする。始めのうちは誤魔化しておったようじゃが、やがて彼女は告白したんじゃ。この力は悪魔と契りを交わして得た力じゃとな」
まるでおとぎ話でも聞かされているような気分だった。
いや、もしくはおとぎ話なのだと言い聞かせながら、パッヘルはその話を聞いていたのかもしれない。
「つまりそのワルプギアって人が、初めての魔女だってこと?」
「そういうことじゃ」
グラントは深く頷いた。
「彼女に倣って、世界では次々と悪魔と契りを交わす女が現れるようになった。言わば、流行ともいえるじゃろうな。破壊の魔女デネブ、慈愛の魔女グロニア、強欲の魔女ベヨネッタ――多くの魔女が世界で名を挙げ、悪魔崇拝者たちの畏怖の対象となっていった。
そんな折にお主――幻夢の魔女パッヘルも生まれたわけじゃ」
「幻夢の魔女、パッヘル……」
おとぎ話の登場人物として、突如自分が放り込まれた――そんな感覚を覚えながら、パッヘルは他人ごとのようにその名を呟いた。
グラントはパッヘルをちらりと一瞥してから、話を続けた。
「しかし、魔女全盛の時代はあっけなく終わりを告げる。世界の魔術師や魔術学者の研究によって、魔法が一つの学問として成り立っていったのじゃ。それはあくまで自然の摂理からなる理に適った力であり、悪魔の力を借りて得るそれとは似て非なるものだと考えられるようになった。
そして、おのずと世界は悪魔崇拝者を――魔女を弾圧する動きとなる。ほとんどの国では悪魔崇拝が法的に禁止され、それに従わない者には厳罰が下された。彼らだって自分の身が恋しいからのう。悪魔崇拝者たちは次々に自らの信念を捨てていったのじゃ」
「それじゃあ、魔女は……?」
「そう。悪魔と契りを交わしてしまった魔女たちは、今更それを破棄することもできん。各々で運命を切り開くしかなかったんじゃ。国に対して最後まで戦い抜いた者もおったが、多くの者は人の手の届かないところへと逃げ出した。
この世界にはそういった場所が幾らか点在しておるのじゃ。そこにはだいたい多くの魔物たちが蔓延っており、一国の軍隊でさえも足を踏み入れることはままならん」
「そっか……」
パッヘルは力なく呟いた。
「つまり私は、その弾圧から逃れるためにこの森で暮らしているわけね」
「まあ、そういうことじゃ。人々に拒絶され仕方なくこの森を訪れた――森の魔物たちと同じじゃな」
そこまで話してから、グラントはひと仕事終えたかのように軽く息を吐いた。
「で、どうじゃ? これで魔女という存在のことがよく分かったじゃろ?」
「う、うーん……」
パッヘルは言い淀み、伏し目がちになった。
「ん? どうした?」
「なんていうか、他人ごとにしか聞こえなかったよ。もちろん、あなたの話を疑う理由はこれっぽっちもないんだけど……やっぱりほら、結局何も覚えてないし」
「まあ、仕方ないわな」
「じゃあさ、他の魔女たちもまだこの世界のどこかで生きてるってこと? 私みたいに、魔物たちに囲まれながら……」
少しだけ黙ってから、グラントは「いや」と首を横に振る。
「三百年ほど前に美醜の魔女リリスの死亡が確認されて以来、残る魔女はただ一人ということになっておる」
「は?」
パッヘルは驚いて顔を上げた。
「喜ぶんじゃな。当初は数多の魔女のうちの一人に過ぎなかったお主じゃが、今では世界で最も有名な魔女じゃ。なにせ、唯一現在まで生き残っとるんじゃから」
「よ、喜べないってば! どうして? どうして私だけ生き残ったの? 他にもたくさん魔女はいたんでしょ? みんな、その弾圧から逃げ切れなかったの?」
「なんてこたぁない。みんな、老衰で死んでいったんじゃ」
それを聞いたパッヘルは、その場で固まってしまった。
「え? そ、そんなの、おかしくない? じゃあ、どうして私は……」
「ああ、おかしい」
グラントは頷いた。
「だが、事実じゃ。他の魔女が老衰で倒れゆく中、お主だけは年を取ることもなく三百年以上も生き続けておる。その理由はわしにだって、誰にだって分からんよ。唯一知ってそうなやつは、記憶喪失になったなんぞのたまっておるしな」
パッヘルはぼうっと立ち尽くし、どこかあらぬ方向を見つめていた。
悪魔アスモスと契りを交わし魔女になるも、時代の移り変わりの中で弾圧を受けるようになってしまった。その弾圧から逃れるためこの幻夢の森に居をかまえ、老衰で死んでいく他の魔女たちを尻目に三百年以上を生き続けている。
それが幻夢の魔女パッヘル――すなわち自分である。
「まったく……」
その時、不意に一匹の魔獣が二人の前を横切ろうとした。
角の数が多い水牛のような姿をしている。
彼は一瞬だけ敵意を向けてきたが、パッヘルの姿を認めるなりしゅんとおとなしくなった。
そして、森の奥へと走り去ってしまった。
「よくできたおとぎ話だわ」
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