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sise ガトートス①

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俺はガトートス=アウーディアだ。

こう言っては何だが、俺は謀略の才能があると思っている。

そして、クソ兄のロッシュがバカに見えて仕方がない。

何が優しさだ!!

下らねぇ。

金と権力。

それだけあれば、全てが片付いちまう。

だが、一つだけ厄介な問題がある。

王位だ。

それだけは俺の今の力では何をしても、揺らぎようがない。

クソでも兄が跡を継ぐのが道理だ。

それをなんとか覆さなければならない。

俺はそれが可能なはずだ。

要はロッシュをロッシュでなくさせればいい話だ。

といっても簡単な話ではない。

意外と隙がない奴だからな。

だから俺は熟慮した。

そして、女を抱いている時に思いついた。

これだ! 、と。

奴には婚約者がいる。

それも鬱陶しいオーレック公爵の娘だ。

この2つを同時に潰せる作戦を思いついてしまったんだ。

やっぱり、俺は天才だぜ。

だが、これを実行するためには女が必要だ。

バカで、俺の言うことを聞く女……。

出来れば、貴族でないほうがいい。

あとで脅されても面白くねぇからよ。

まぁ、そん時は殺せばいいがな。

だが、そんな都合のいい女なんて……いるじゃねぇか。

しかも、同じクラスときたもんだ。

見目も悪くねぇ。

俺を王にするために神が采配したかのようなだな。

やっぱり、俺は神にすら愛されているみたいだぜ。

女は所詮、股のゆるいバカだ。

ちょっと嫉妬を煽って、股を開かせれば全て解決だ。

……まずは女を追い詰めてやるか。

それで俺の出番だ。

そうすりゃあ、俺の言う事を何でも聞く女の完成だ。

バカ貴族どもけしかけて、女をいじめるように工作する。

……いよいよだな。

チッ!

なんで、クソロッシュが出てくるんだ。

いいところを全部奪われちまった。

だが、いい。

これで終わるほど、俺はバカじゃねぇ。

次の機会はすぐにやって来るだろうよ。

……

やっぱりな。

女は勘違いして、ロッシュにべったりだぜ。

これを利用しない手はねぇ。

公爵娘がクソ野郎だって伝えてやった。

すげぇ、怒ってたな。

これでいい。

女は公爵娘からロッシュを奪う気満々だぜ。

だけど、もうひと押しが必要だな。

俺は公爵娘の取り巻き達を集めた。

こいつらは俺の息がかかった貴族の娘達だ。

俺の言うことは忠実に聞いてくれる。

「分かっているな? あの公爵娘にデタラメばかり伝えろ」

これでクソロッシュも公爵娘に対する気持ちも冷めるだろうよ。

お膳立ては完璧だ。

あとは既成事実だけを作ってやれれば……

もう笑いが止まらねぇぜ。

こんなに簡単にロッシュがぶっ壊れちまうんだからな。

……。

王宮でのクソの反応は最高だったぜ。

あの女のおかげで、クソ兄はぼろぼろだ。

これで待たずして、処刑は確定だな。

あとはもう一つ……

公爵娘だ。

あいつを残しておくのは面白くねぇ。

こいつと心中してくれるのが最高なんだが……。

……おいおいおい。

どうして、俺はこんなに天才なんだ?

こんなことを思いつくなんて。

奴隷商貴族。

こんなに面白い話があるかよ。

これになると惨めな死しか待ってねぇ。

金も稼げねぇ、奴隷商。

皆から嫌われる奴隷商。

しかも、一代しか続かねぇ。

まさにクソロッシュがなるに相応しい地位じゃねぇか。

だが、厄介なのが、すぐに死んじまうかもしれねぇって話だ。

金がなくて、餓死だけはすぐにしてほしくねぇ。

もっと、じっくりと長く苦しんでもらわねぇと……。

奴隷を一人付けてやるか。

これで金の心配は当分ねぇ。

しかも、その奴隷は……公爵娘だ。

想像するだけで最高だぜ。

自分が飯を食うために婚約者を売るか。

一緒にのたれ死にするか。

どっちに転んでも楽しめそうだな。
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