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第155話 新村開拓 その1
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皆にしていた隠し事を吐き出し、スッキリとした僕は、新村開拓をするために街に出向くことにした。クレイ達は早朝に出発している予定なので、僕達が街に到着する頃には新村に向かっているだろう。今日も、エリスとリードは留守番をしてもらい、皆で行くことにした。開拓ということもあるので、不測の事態に対処できるように、薬と回復魔法が使えるマグ姉とシェラを連れていき、ミヤは僕の護衛をしてもらうためについていってもらうことにした。眷族と自警団も一緒だ。彼らにも開拓の手伝いをしてもらうつもりだ。先の戦で組織された輸送隊が村にはあるので、食料や薬、建築などの資材、寝具などを運んでもらう手はずを整えてもらった。製材所の責任者であるモスコに手が空いている職人を融通してもらい、空師のクラッカーにも来てもらうことにした。とにかく、公国中から職人を集めて、開拓に当たるつもりだ。
僕達と眷族と自警団だけ先に向かうことにした。最近、何度も往復しているせいか、最短ルートを見つけることが出来、少し早く到着することが出来た。また、あの蛇が出ることを期待していたが、出没することはなかった。ミヤからも、当り前じゃない!! と小言を言われてしまった。
街に到着すると、ルドが出迎えてくれた。既に数時間前に出発をしているというので、村からの後続の案内をルドにお願いして、休むことなく、新村開拓の予定地に向かうことにした。街から新村までは草原を抜けていくことになるため、然程の手間もかからずに進むことが出来る。クレイ達が進んだのであろう、轍がくっきりと付いていたので、迷うことなく、後を追うことができそうだ。あっという間に、新村を見下ろす位置に到着することが出来た。
目の前に広大な海が広がり、左手に魔の森が広がる半島がよく見える。半島の真ん中らへんに大きな山がそびえ立っており、山頂からはもくもくと煙が上がっている。まだ、噴火したところを見たことはないが、村に被害が出ないか、それだけが心配になる。一度、火山地帯の周囲を調査しに行きたいところだな。火山は資源の宝庫となることが多い。しかし、すぐには無理だろうと思い、考えるのをやめた……。
眼下の海の手前には砂浜が広がり、そのさらに手前に低地が広がっており、そこが今回の新村の予定地となる。一万五千人の人口であれば、容易に収まるほどの面積があるほどなので、区画をしっかりと決め、商業区、工業区、居住区、農業区と分け、居住区を中心に広がるように配置するつもりだ。もっとも、工業区は造船や漁業関連の工房を作る予定なので、海の近くにまとめて設置する。ここは砂浜が広がっているが、水深が急に深くなる場所があるので、そこに船着き場を設ける予定だ。そうなると、海産物を集めるための倉庫も必要となるな。
だが、今は広大な土地があっても、草木に覆われているため、更地にしなければならない。そのための作業が着々と進行していたが、大人数がいるにも拘わらず、進捗はいまいちのようだ。ずっと、人の手が入っていなかったせいで、樹木が太く育っているので、切り倒すのに苦労しているようだ。しかも、硬い樹木の種類のようだった。
僕はある程度、新村の青写真を頭の中で描いた後、少し迂回をして、浜の方に降りることにした。深い木々が目の前に現れ始めた頃、一万五千人もの亜人達が各々、木材を切り、製材をして後の建物の資材にするみたいだ。堅い樹木のため、建材としては最高だろう。僕達が現れて、亜人達は手を止め、喝采が上がった。昨夜の酒はどうやら抜けているようだな。皆、生き生きとしたいい表情をしている。僕が手をあげると、それぞれ頭を下げ、作業を続行しだした。
森の中からこちらに向かってくる人だかりがいた。遠目だが、クレイであることがわかった。ゴードンも一緒のようだ。皆と合流し、今後の打ち合わせを始めた。ゴードンには、資材を村から運搬中であることを告げ、管理を一任し、クレイには、とりあえず、浜までの道を開通させることに専念してもらった。といっても、この進捗では、村の基礎となる部分が更地にするだけで、冬を迎えてしまう。クレイに、僕の風魔法を使って、広範囲の木を伐るので、木の根を除去することに専念してもらうことにした。
僕がそういうと、クレイはとても驚いていた。そういえば、クレイの前で僕の魔法を使ったことはなかったな。僕は前方に誰もいないことを確認して、風魔法を全力で使った。久しぶりに使ったが、前よりもハッキリとイメージをすることが出来た。限りなく薄く、圧力を極限まであげ、地面擦れ擦れになるように風魔法を使った。僕の周囲に風が集まり、一気に前方の風が放出された。周囲に風が巻き上がり、一瞬で静けさが戻った。まるで何事もなかったように、森に何の変化もなかった。期待していたクレイはちょっと拍子抜けしたような表情をした矢先に、森が悲鳴を上げるような音が方方から聞こえ始めた。
ぎぎぎ、と音がして、木がズレているような感覚に襲われた。そうではなく、現実に木がズレているのだ。ズレは次第に大きくなり、目の前に広がる木々が倒れ始め、しばらくすると、目の前から森が姿を消した。後ろで作業をしていた亜人達から大きな喝采が上がった。クレイも僕を尊敬した目でみていた。
「ロッシュ様。貴方は何者なのですか? これほどの大魔法を使える方だったとは。しかし、これでかなり進めることが出来ました。さぞかし、お疲れになられたでしょう。しばしお休みください」
僕にそういうと、休憩するためのテントに僕を誘導しようと手を繋いできた。最近は、このくらいの魔法だったらもう一発くらいは出来るようになっていたので、逆に僕がクレイの手を引っ張って、次の伐採エリアに移動を開始した。クレイは、なんで自分が引っ張られているか分からなかったみたいで、僕がもう少し魔法が使えると言ったら、声を上げてビックリしていた。実は、僕も驚いているんだ。
先程の同じ調子で、風魔法を使うと、海が少し見え隠れするほどに近づくことが出来た。その瞬間、僕は膝をガクッと折り、肩で息をするくらい疲労が出てしまった。まだまだ、調整が難しいな。でも、見えてきて良かった。クレイは僕が膝を付いたことに慌てふためいていて、誰かを呼ぶために皆がいる場所に駆け出そうとしたところを、僕は止めた。鞄から魔力回復薬を取り出し、ぐいっと一本飲むと魔力が回復した。
僕は立ち上がり、次の場所に移動して、伐採をし、また、魔力回復薬を飲み、次々と木を伐採していく。少しやりすぎてしまったが、概ね予定通りの土地を確保することが出来た。僕の後方には何万本という伐採された木と切り株が広がっていた。魔力回復薬も今回持ってきた全てを使ってしまった。また、錬金工房のスタシャにお願いしないとな。
浜を行ったり来たりしていたせいで、昼をとっくに過ぎていた。僕も切りが良いので、クレイと共に昼食を取ることにした。僕が持ってきた昼食は、エリスの手作り弁当だ。クレイもエリスの手作りは気に入っているみたいなので、分け合いながら食べることにした。
「それにしても、ロッシュ様。これだけを半日程度で終わらせてしまうとは、信じられませんね。これが魔法の力なんですね。魔力回復薬といい、ロッシュ様の村は素晴らしい技術があるのですね。是非、今度、案内してもらいたいです」
「僕も驚いている。魔法の可能性は、僕でも計り知れないものだよ。村の開発もこの魔法のおかげで大いに助けられたものだ。ただ、今日はさっきの魔法も一回で終わりだな。持ってきた魔力回復薬はなくなってしまったからな。最後に、塩田だけ作って終わらせたいと考えているが、クレイは何かあるか?」
塩田という言葉にかなり驚いていた。どうやら、クレイの国は山に囲まれているため、塩は山で取るものだと言う認識が強いようだ。かなり塩田というものに興味を示していたが、居住区の土地を更地にするために魔法を使ってほしいとお願いされた。
僕は了承した。クレイと伐採したエリアが見える高台に移動し、どこに居住区を置くか、二人で話し合った。僕の考えについて、クレイは賛成してくれたので、ゴードンとも話し合うために皆がいる場所に移動した。ゴードンも概ね賛成してくれたので、今日の予定は居住区に亜人達が居住するテントを設置することにした。
居住区の場所は、浜から少し離れた高台にすることになった。川が近くにあり、北側に森が広がっている場所だ。ここなら、井戸水も確保できるだろう。僕は土魔法を使って、切り株の根の周りにある土を移動して、その間に亜人達に切り株を取り除いてもらうという作業を繰り返すことになった。更地とは言えないが、切り株がない土地が目の前に広がった。僕の魔力もそこで限界を迎え、僕は倒れてしまった。それからすぐに、村からの応援と物資が到着し、夜までになんとか、寝泊まりできるだけの場所を確保することに成功したのだ。
クレイとゴードンに居住区の拡充と井戸掘りを優先するように指示し、僕とミヤ、シェラ、眷族は村に戻ることにした。そろそろ、エルフの里から何らかの連絡が来ている頃だろうな。
僕達と眷族と自警団だけ先に向かうことにした。最近、何度も往復しているせいか、最短ルートを見つけることが出来、少し早く到着することが出来た。また、あの蛇が出ることを期待していたが、出没することはなかった。ミヤからも、当り前じゃない!! と小言を言われてしまった。
街に到着すると、ルドが出迎えてくれた。既に数時間前に出発をしているというので、村からの後続の案内をルドにお願いして、休むことなく、新村開拓の予定地に向かうことにした。街から新村までは草原を抜けていくことになるため、然程の手間もかからずに進むことが出来る。クレイ達が進んだのであろう、轍がくっきりと付いていたので、迷うことなく、後を追うことができそうだ。あっという間に、新村を見下ろす位置に到着することが出来た。
目の前に広大な海が広がり、左手に魔の森が広がる半島がよく見える。半島の真ん中らへんに大きな山がそびえ立っており、山頂からはもくもくと煙が上がっている。まだ、噴火したところを見たことはないが、村に被害が出ないか、それだけが心配になる。一度、火山地帯の周囲を調査しに行きたいところだな。火山は資源の宝庫となることが多い。しかし、すぐには無理だろうと思い、考えるのをやめた……。
眼下の海の手前には砂浜が広がり、そのさらに手前に低地が広がっており、そこが今回の新村の予定地となる。一万五千人の人口であれば、容易に収まるほどの面積があるほどなので、区画をしっかりと決め、商業区、工業区、居住区、農業区と分け、居住区を中心に広がるように配置するつもりだ。もっとも、工業区は造船や漁業関連の工房を作る予定なので、海の近くにまとめて設置する。ここは砂浜が広がっているが、水深が急に深くなる場所があるので、そこに船着き場を設ける予定だ。そうなると、海産物を集めるための倉庫も必要となるな。
だが、今は広大な土地があっても、草木に覆われているため、更地にしなければならない。そのための作業が着々と進行していたが、大人数がいるにも拘わらず、進捗はいまいちのようだ。ずっと、人の手が入っていなかったせいで、樹木が太く育っているので、切り倒すのに苦労しているようだ。しかも、硬い樹木の種類のようだった。
僕はある程度、新村の青写真を頭の中で描いた後、少し迂回をして、浜の方に降りることにした。深い木々が目の前に現れ始めた頃、一万五千人もの亜人達が各々、木材を切り、製材をして後の建物の資材にするみたいだ。堅い樹木のため、建材としては最高だろう。僕達が現れて、亜人達は手を止め、喝采が上がった。昨夜の酒はどうやら抜けているようだな。皆、生き生きとしたいい表情をしている。僕が手をあげると、それぞれ頭を下げ、作業を続行しだした。
森の中からこちらに向かってくる人だかりがいた。遠目だが、クレイであることがわかった。ゴードンも一緒のようだ。皆と合流し、今後の打ち合わせを始めた。ゴードンには、資材を村から運搬中であることを告げ、管理を一任し、クレイには、とりあえず、浜までの道を開通させることに専念してもらった。といっても、この進捗では、村の基礎となる部分が更地にするだけで、冬を迎えてしまう。クレイに、僕の風魔法を使って、広範囲の木を伐るので、木の根を除去することに専念してもらうことにした。
僕がそういうと、クレイはとても驚いていた。そういえば、クレイの前で僕の魔法を使ったことはなかったな。僕は前方に誰もいないことを確認して、風魔法を全力で使った。久しぶりに使ったが、前よりもハッキリとイメージをすることが出来た。限りなく薄く、圧力を極限まであげ、地面擦れ擦れになるように風魔法を使った。僕の周囲に風が集まり、一気に前方の風が放出された。周囲に風が巻き上がり、一瞬で静けさが戻った。まるで何事もなかったように、森に何の変化もなかった。期待していたクレイはちょっと拍子抜けしたような表情をした矢先に、森が悲鳴を上げるような音が方方から聞こえ始めた。
ぎぎぎ、と音がして、木がズレているような感覚に襲われた。そうではなく、現実に木がズレているのだ。ズレは次第に大きくなり、目の前に広がる木々が倒れ始め、しばらくすると、目の前から森が姿を消した。後ろで作業をしていた亜人達から大きな喝采が上がった。クレイも僕を尊敬した目でみていた。
「ロッシュ様。貴方は何者なのですか? これほどの大魔法を使える方だったとは。しかし、これでかなり進めることが出来ました。さぞかし、お疲れになられたでしょう。しばしお休みください」
僕にそういうと、休憩するためのテントに僕を誘導しようと手を繋いできた。最近は、このくらいの魔法だったらもう一発くらいは出来るようになっていたので、逆に僕がクレイの手を引っ張って、次の伐採エリアに移動を開始した。クレイは、なんで自分が引っ張られているか分からなかったみたいで、僕がもう少し魔法が使えると言ったら、声を上げてビックリしていた。実は、僕も驚いているんだ。
先程の同じ調子で、風魔法を使うと、海が少し見え隠れするほどに近づくことが出来た。その瞬間、僕は膝をガクッと折り、肩で息をするくらい疲労が出てしまった。まだまだ、調整が難しいな。でも、見えてきて良かった。クレイは僕が膝を付いたことに慌てふためいていて、誰かを呼ぶために皆がいる場所に駆け出そうとしたところを、僕は止めた。鞄から魔力回復薬を取り出し、ぐいっと一本飲むと魔力が回復した。
僕は立ち上がり、次の場所に移動して、伐採をし、また、魔力回復薬を飲み、次々と木を伐採していく。少しやりすぎてしまったが、概ね予定通りの土地を確保することが出来た。僕の後方には何万本という伐採された木と切り株が広がっていた。魔力回復薬も今回持ってきた全てを使ってしまった。また、錬金工房のスタシャにお願いしないとな。
浜を行ったり来たりしていたせいで、昼をとっくに過ぎていた。僕も切りが良いので、クレイと共に昼食を取ることにした。僕が持ってきた昼食は、エリスの手作り弁当だ。クレイもエリスの手作りは気に入っているみたいなので、分け合いながら食べることにした。
「それにしても、ロッシュ様。これだけを半日程度で終わらせてしまうとは、信じられませんね。これが魔法の力なんですね。魔力回復薬といい、ロッシュ様の村は素晴らしい技術があるのですね。是非、今度、案内してもらいたいです」
「僕も驚いている。魔法の可能性は、僕でも計り知れないものだよ。村の開発もこの魔法のおかげで大いに助けられたものだ。ただ、今日はさっきの魔法も一回で終わりだな。持ってきた魔力回復薬はなくなってしまったからな。最後に、塩田だけ作って終わらせたいと考えているが、クレイは何かあるか?」
塩田という言葉にかなり驚いていた。どうやら、クレイの国は山に囲まれているため、塩は山で取るものだと言う認識が強いようだ。かなり塩田というものに興味を示していたが、居住区の土地を更地にするために魔法を使ってほしいとお願いされた。
僕は了承した。クレイと伐採したエリアが見える高台に移動し、どこに居住区を置くか、二人で話し合った。僕の考えについて、クレイは賛成してくれたので、ゴードンとも話し合うために皆がいる場所に移動した。ゴードンも概ね賛成してくれたので、今日の予定は居住区に亜人達が居住するテントを設置することにした。
居住区の場所は、浜から少し離れた高台にすることになった。川が近くにあり、北側に森が広がっている場所だ。ここなら、井戸水も確保できるだろう。僕は土魔法を使って、切り株の根の周りにある土を移動して、その間に亜人達に切り株を取り除いてもらうという作業を繰り返すことになった。更地とは言えないが、切り株がない土地が目の前に広がった。僕の魔力もそこで限界を迎え、僕は倒れてしまった。それからすぐに、村からの応援と物資が到着し、夜までになんとか、寝泊まりできるだけの場所を確保することに成功したのだ。
クレイとゴードンに居住区の拡充と井戸掘りを優先するように指示し、僕とミヤ、シェラ、眷族は村に戻ることにした。そろそろ、エルフの里から何らかの連絡が来ている頃だろうな。
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